2021年7月1日
家庭学習でのデジタル端末活用、63%の保護者が肯定的=光村図書出版調べ=
光村図書出版は6月30日、全国の公立小中学校に通う児童・生徒の保護者500人を対象に実施した「家庭学習におけるデジタル端末の活用状況」に関するアンケート調査の結果をまとめ発表した。
この調査は、小・中学校の教科書紙面にQRコードが記載されたことを受け、全国の小・中学生の家庭で、パソコン、タブレット、スマホなどのデジタル端末がどのように活用されているかを調べたもの。
それによると、「子どもがパソコン・タブレット・スマホなどのデジタル端末を家庭学習で使ったことはあるか」との質問には、ほぼ3人に2人以上がデジタル端末を家庭学習で使ったことが「ある」64.4%と回答。
一方で、家庭学習でデジタル端末を使ったことが「ない」29.2%という回答も約3割に達した。また、学年による目立った傾向は見られなかった。
「今年4月以降に、家庭でデジタル端末をどのくらいの頻度で使ったか」(学習利用のみ)との問では、使用頻度は「週に数回」38.8%、「毎日」28.3%の順に多かった。「家庭学習でデジタル端末を使ったことがある」と回答した保護者の7割近くが、高い頻度でデジタル端末を活用していた。
「デジタル端末を活用した家庭学習では、どの教科の学習を行ったか」との質問では、「算数・数学」73.3%、「国語」62.1%の順に、活用している割合が多かった。
「英語」に関しては、学校での外国語活動が始まる小学3年生以上に限ると50.0%、中学生以上に限ると58.3%となり、学年が上がるにつれ、「英語」での利用度が高くなっていた。
「家庭で学習のために使ったことのあるデジタル端末は何か」を尋ねたところ、「タブレット」75.5%がもっとも多く、「パソコン」など他のデジタル端末に比べ、2倍以上の割合。
「デジタル端末は、どのような場面で使ったか」を聞いたところ、「通信教育で使った」37.9%がもっとも多く、次いで「学習アプリの問題を解いた」32.0%。
学年別に見た場合、小学生では10%台だった「学習で分からないところをネット検索した」が、中学生では27.9%となり、もっとも多い回答となった。
「保護者として、今後、現在よりも積極的に、デジタル端末を家庭学習で使った方がいいと思うか」との質問には、デジタル端末の活用に肯定的な「よいと思う」26.0%と「どちらかというとよいと思う」37.0%を合わせると63.0%だった。
「どちらかというとよいとは思わない」6.4%、「よいとは思わない」2.0%を合わせた8.4%を、大きく上回った。
一方、「どちらともいえない」という回答も28.6%あり、デジタル端末の家庭学習での活用について、まだ判断しかねている保護者も多くいることが分かった。
「デジタル端末での家庭学習で、よいと思う点は何か」を聞いたところ、「学習効率がよい」38.2%、「いつでもどこでも学習できる」38.0%となり、学習におけるデジタル端末の効率性や利便性に、メリットを感じている回答の割合が高かった。
学年ごとに見た場合、「学習効率がよい」という回答の割合は、小1~小3(36.3%)、小4~小6(37.7%)、中1~中3(40.6%)と、学年が上がるにしたがい増えていく傾向が見られ、小学校高学年と中学生では、もっとも多い回答となった。
「デジタル端末での家庭学習で、不満・不安な点は何か」を聞いたところ、「子どもの健康面が心配」が32.6%で最も高く、次いで「子どもを長時間デジタル機器に触れさせたくない」29.6%で、子どもの健康面や生活習慣への不安が最も多い回答だった。
一方、「子どもがデジタル端末に慣れていない」9.4%、「保護者が端末の操作に慣れていないので、子どもの質問に答えられない」6.2%、「通信環境が整っていない」4.4%など、端末の操作や機能に対しての不安はあまり感じていない様子がうかがえた。
学年別に見た場合、「子どもの健康が心配」という回答が、小学生では最も多い回答となったが、その割合は、小1~小3(40.5%)、小4~小6(30.5%)、中1~中3(26.7%)と、学年が上がるにしたがい、減っていく傾向が見られた。
「小学校では昨年4月から、中学校では今年4月から、教科書紙面にQRコードが記載されるようになったことを知っていたか」を聞いたところ、「知らない」が73.4%に及び、教科書紙面のQRコードに関して、現状での保護者の認知度はあまり高くなかった。学年による目立った傾向は見られなかった。
「子どもが、QRコードコンテンツを家庭学習で活用したことはあるか」との質問には、全体の数値としては、「ある」は16.0%に留まったが、学年別に見ると、小学1年生の家庭は26.8%が活用したことが「ある」と答えた。
「教科書のQRコードコンテンツについてどう思うか」を聞いたところ、「学習への興味が高まる」52.8%と「学習理解が深まる」31.0%が、「なくてもいいと思う」29.2%を上回り、多くの保護者が教科書記載のQRコードコンテンツの学習への効果を期待していた。
このアンケートは、全国の公立小中学校に通う児童・生徒の保護者を対象に、5月30日~6月1日4にかけて、インターネットで実施。有効回答数は500人(男265人、女235人)。
関連URL
最新ニュース
- 出雲市社協、ひきこもり・不登校の子どもと保護者を支える第3の居場所「サードプレイスMAP」を公開(2025年2月12日)
- 高騰する大学進学費用、受験生の親の9割以上が「家計の見直し」を実施 =武田塾調べ=(2025年2月12日)
- 相模原市、「ロボット大集合!inアリオ橋本2025 with ROBO-ONE」15日・16日に開催(2025年2月12日)
- ソフトバンクロボティクスと大修館書店、「データサイエンスと探究、そしてDXハイスクールでの探究」24日開催(2025年2月12日)
- 朝日出版社、「CNNのニュースを使ったデジタル活用とリスニング指導の実践と理論について」3月開催(2025年2月12日)
- DMM.com、「オンライン英語学習で中高の英語授業が進化する!」3月31日開催(2025年2月12日)
- IssueHunt、サイバーセキュリティカンファレンス「P3NFEST」の登壇者とハンズオン講師を発表(2025年2月12日)
- JTB、中高生が観光や地域活性化をテーマとした探究成果のコンテスト「未来探究祭」Final STAGEを23日開催(2025年2月12日)
- ELSI大学サミット「AIを中心とした倫理的、法律的、社会的課題の取り組みを産学官が発表」3月開催(2025年2月12日)
- 聖学院高校、生徒・保護者・教職員・協力企業など対象に学習成果発表会を22日開催(2025年2月12日)