2021年12月21日
南極との遠隔授業に備え、5年生が「ブリタニカ・スクールエディション」で調べ学習/宇都宮大学共同教育学部附属小学校
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宇都宮大学共同教育学部附属小学校には、今年、南極観測隊のメンバーに選抜された先生がいる。現地に滞在する先生とのオンラインでの遠隔授業を2022年2月に控える5年生は、「総合的な学習」の時間において「ブリタニカ・スクールエディション」を活用しながら南極に関する調べ学習を進めている。教室を訪ねると、iPadを使いながら意欲的に取り組む児童の姿があった。
南極にいる先生との遠隔授業に向けて事前学習
今年、南極観測隊のメンバーに選抜された宇都宮大学共同教育学部附属小学校の渡邊雅浩教諭(理科)は、11月に日本を出国、12月に南極昭和基地へ到着して現地で観測などを行い、2022年3月に帰国予定。現地滞在中に子どもたちと遠隔で探究学習をする計画になっている。その日に向けて、現在(11月18日時点)、5年生の「総合的な学習」の時間では南極に関する調べ学習を行っている。この調べ学習をはじめ、他教科でも同校が積極的に活用している教材が小学校・中学校向けのデジタル百科事典「ブリタニカ・スクールエディション」だ。
同校では2021年4月から1人1台iPadを導入。同時期「ブリタニカ・スクールエディション」を導入し、主に理科・社会・総合で使用しているという。「ブリタニカ・スクールエディション」は、エキスパートにより執筆された16万以上の百科事典項目を収録したデジタル教材。1人1台端末による学習が進む中、調べ学習や協働学習/アクティブラーニングなど探究的な学びを円滑に楽しく深めることができる、言わば知のポータルサイトだ。
知るほど、知りたいことが増えていく
この日、5年生は全3クラス共通で「南極の不思議発見!」と題した授業を行っていた。1組を覗くと、児童が興味を持った分野について個々に調べ上げたことの発表から始まった。「移動手段」「動物」「クレバス」「オーロラ」「植物」「ゴミ」「気温」「料理」など項目はさまざま。
次に、出揃った事柄についてさらに調べる時間。気温はいつの情報だったのか、発表の中で出てきた「海抜」とはどんな意味なのかなど、より細かく確認したり、深く掘り下げたり。ここでも「ブリタニカ・スクールエディション」を存分に活用。ただし、授業では知るための手段を限定することはせず、児童はWebの検索サイトなども併用しながら赴くままに情報を閲覧し柔軟に取り組んでいく。
自分になかった視点をクラスメイトが発見すれば、それに刺激を受けもっと知りたいと意欲が湧き起こり、教室にワクワクした好奇心の連鎖が広がっていく。授業の締めくくりとして「学びのりれき書」にこの時間の振り返りをまとめた。「こう見ると『本当かな?』 もたくさん。渡邊先生に聞かないとね」と児童に呼びかけた大塚智大教諭(5年生1組、図画工作科)。実際の今の現地でしかわからないことなどは、南極にいる渡邊先生との遠隔授業までのお楽しみとなった。
「『ブリタニカ・スクールエディション』は情報が広くなり過ぎず、インターネットに慣れていない児童でも使えることから活用しています。最初、南極をWeb検索しても情報になかなかヒットしなかったのですが、その時にブリタニカさんから声をかけていただきとても有難かったです」と大塚教諭は導入の経緯を振り返る。
特に5年生の理科では気象や食物連鎖などが出始めたこともあり、これらの学びに関連付けて「総合的な学習」の時間で南極を探究するのはちょうど良い機会と感じているという。他の学年や教科でも、たとえば国語では新聞作り、算数では南極観測船の模型を作るといった問題として南極の話題を取り上げている。また、Googleフォームにコーナーを作り、知りたいことや渡邊先生に実験してほしいことなどを全校児童から募集。附属中学校も併せて多くの質問が寄せられているという。
学習を支える確かな情報、授業で自在に活用できる安心感
児童に「ブリタニカ・スクールエディション」の印象を聞いてみた。「インターネットでの検索とは違って情報が正確」、「インターネットも詳しい情報があるけれど難しくて長々している。ブリタニカは短くまとめられていてわかりやすい」、「デジタルの事典だから画面をスライドして見られて調べやすい」、「本の事典だと読めない漢字は誰かに聞かないといけないけれど、ブリタニカはフリガナがあるからすぐに読めるし発表できる」。まるで競い合うように明快な感想を述べてくれた。
こうした児童の言葉に「その通りだと思う」と大塚教諭。「情報があり過ぎると子どもたちは、調べたいことが逆に見つけられず、次に進まないこともあります。『ブリタニカ・スクールエディション』は情報が正確ですし、内容が適量でまとまっていることもあり子どもたちは調べるのがとても早いです」。
インターネットで得た情報の信憑性はどのように判断しているのか? 「記事をいろいろ見て同じ内容が多くあるもの、ここだけが違うなという感じで見分けます。記事の最後に『これは個人的な〇〇』『〇〇で調べたもの』と書いてあったり、『これは安全ではありません』と表示されたりするのでそれも参考にします」と児童の1人が答えてくれた。見たものを鵜呑みにせず、信用できる情報かどうか複数にわたって比較するなど、同校の児童は情報の受け取り方に留意する習慣が身に付いている様子だ。
5年2組の髙橋繁浩教諭は、「インターネットだと南極には“南極グマ”や“UMAがいる”といったような本当にいろいろな記事があります。しかし調べる手段に『ブリタニカ・スクールエディション』があることでネット上にある情報の不正確も体験できて、だからこそ正しい情報を得ないといけないんだよと、その意味でもすごくいいと感じます」と話す。情報モラルなどICTに関して3~6年生は総合の時間に、1、2年生は学活の時間にそれぞれ8時間を割いて指導をしたという。
他方、教員にとってのメリットも使いやすさや安心感だと 5年3組の中村直美教諭は語る。「授業中に知りたいことが突発的に出た場合でもすぐにいつでも開いて調べられる、それがわかっているだけで安心ですね」。大塚先生は「これまでは授業前に資料の準備が必要でしたが、たとえば理科で天気図や〇〇雲など、ブリタニカを開いて見てと言えば子どもたちもすぐに資料が手に入って使いやすい。まとめたい時に写真が使えるといったところもいいです」と評価する。
思い立った時に端末で調べられるうえ、素材は授業でそのまま使えることも「ブリタニカ・スクールエディション」の良さ。電子黒板に表示したり、印刷して活用したり、使い方は自由自在。オンラインのためネット環境があればいつでもどこでも利用可能で端末も選ばない。コンテンツは自動で更新、手間なく最新の情報を入手できる。児童にとっても教員にとっても快適な使いやすさが備わっている。
自分から獲得していく学びを
間もなく待望の遠隔授業を迎える子どもたち。授業では今後、テーマを絞って調べ学習を深め、その後はグループで発表するといった展開を考えているという。「自分たちでニュース番組を作るようなイメージで取り組めたら面白いかなと。南極観測隊に関するWebサイトに載せてもらったり、保護者限定のYouTubeを設置して発信したりできたらなと思っています」。子どもたちが調べたことに時折「えっ?!」と演じてみせる大塚教諭。児童の好奇心にスイッチが入る瞬間でもある。教えるだけではずっと受け身。子どもたちが自ら疑問に思い知識を獲得する学びを大切にしているという。そうした学びの実現をサポートする「ブリタニカ・スクールエディション」。確かな情報を武器に子どもたちの知る楽しさや喜びがますます増えていきそうだ。
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