2022年3月30日
ICT端末、小中高教員の2割が「忙しくて毎日は使用していない」=LearnMore調べ=
LearnMore(ラーンモア)は29日、全国の小学校・中学校・高校・特別支援学校の教員110人を対象に実施した、「学校DXの現状と教師の働き方に関する緊急アンケート調査」の結果をまとめ発表した。
それによると、「GIGAスクール構想推進のための教師用ICT端末は配られたか」を聞いたところ、83%が「はい」と回答、「いいえ」は17%で、依然「100%配布」には遠かった。
実態として校用のPCは職員室にあるものの、1人1台端末環境が子ども達に整備されつつある現状で、教師用の端末整備はやや遅れていることが判明した。
端末配布前後の実感を尋ねたところ、「授業が配布以前より良くなった」と答えた教員が76.9%、「授業以外も以前より良くなった」も82.4%いた。
以前より良くなったという意見が大半だったが、その理由として多かったのは、「授業中に選択できる指導法が増えた」、「子どもからの発信など双方向の授業ができる」、「図や資料などを綺麗に見せることができる」といった意見だった。
だが、「いいえ」と回答した割合も、ともに15%を超えており、その理由としては、「準備が大変」、「かける時間に見合った効果が期待できると思わないから」、「いざ使おうとした時にすぐに入れない」などの声が寄せられた。
また、教員のICT端末の利用頻度を聞いたところ、「毎時使用している」41%、「毎日使用している」38%だったが、配付されたもののICT端末を「毎日は使用していない」という回答も20.9%に上り、さらに「ほぼ使わない」も3.3%あった。
「毎日は利用しない」理由の1つには、教員が忙しすぎて新しいやり方を試せないという原因がある。今回の調査対象者のうち、あまりにも勤務時間が長い特異者を除いた平均勤務時間は月間222時間だった(授業コマ数と1週間当りの各業務時間を月換算したもの)。
これは所定外労働時間に換算すると63時間となり、令和元年度の毎月勤労統計調査結果の平均所定外労働時間10.6時間と比較してもかなり長く、いわゆる「36協定」締結の特例(月45時間・年360時間)を勘案しても異常といえる。
この調査は、全国の小学校・中学校・高校・特別支援学校の教員110人を対象に、2月25日~3月4日にかけて、オンラインアンケート(単純無作為抽出法)で実施した。有効回答数は102人(92.7%)で、内訳は「公立学校勤務」86.4%、「私立学校勤務」12.7%。
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