2022年9月22日
ユニセフ、学習レベルの低下に警鐘「10歳の3分の2が簡単な文章読解できず」
日本ユニセフ協会は20日、「教育の変革サミット」(Transforming Education Summit)に先立って、ユニセフ(国連児童基金)が世界の児童の「学習レベルの低さ」に警鐘を鳴らしていることを公表した。
それによると、世界の10歳児のうち、簡単な文章を読んで理解することができるのはわずか3分の1と推定され、新型コロナのパンデミック以前の2分の1からさらに減少しているという、驚くべき学習レベルの低さをユニセフは指摘している。
ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、「資金不足の学校、低賃金で十分な能力のない教師、過密した教室、古いカリキュラムが、子どもたちが可能性を最大限に発揮する力を弱めている。今日の学習レベルの低さは、明日の機会の減少を意味する」と述べている。
コロナパンデミックで学校が長期間閉鎖され、質の高い教育を受けにくくなったことで、以前から存在していた学習危機が表面化・悪化して、世界中の数百万人の子どもたちが基礎的な計算能力や読み書き能力を持たないままになっている、とユニセフは警鐘を鳴らす。
またユニセフは、教育危機と世界中で学習を変革する必要性への関心を喚起するため、重要な基礎的スキルを学べない子どもたちの規模を表す展示「学習危機の教室」を、9月16日~26日まで、ニューヨークの国連本部のビジターズ・エントランスで一般公開する。
展示されている教室の机の3分の1は木製で、完全に機能。その後ろの学校の椅子にはユニセフの象徴である通学バッグが置かれており、これは、読解力で最低限の能力を示す指標である簡単な文章の物語を読んで理解することができると推定される世界の10歳児の3分の1を表している。
残りの3分の2の机は、10歳までに簡単な読み書きができないと推定される64%の子どもたちを表すため、見えにくい透明な素材でできている。
日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内でのユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っている。
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