2024年2月2日
学ぶ楽しさに目覚めた生徒たち、学習に向かう意欲も成績も「すらら」活用で向上 /奈良女子高等学校
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2023年に学園創立130周年を迎えた奈良女子高等学校。同校では現在、「本当にやりたいことが見つかる学校」「大切なことを経験を通して学べる学校」を目指す『次世代教育探究プロジェクト』を推進。探究活動を軸に、1人1台iPadのICT活用と対話型のデジタル教材「すらら」を使った学習に力を入れている。「すらら」導入から約4年が経過する中、生徒の基礎学力や自主性、進路などさまざまに変化が生じてきたという。同校 進路指導部長・国語科の山口安世教諭に話を聞いた。
人生を彩る、人間力の育成に「探究」を開始
『次世代教育探究プロジェクト』は、「創造的思考力や協働的に学ぶ力、自分の興味関心があるものを粘り強く探求していく力、それらを論理的思考で組み立てていく力、これからの時代はそうした人間力の育成が求められるのではないか」と、現校長で当時同校に参与として関わっていた石原勉校長が2021年に立ち上げた。
奈良女子高等学校には、特別進学コース、保育進学コース、総合進学コース(パティシエール、デザイン、標準)があり、普通科でありながら私立の良さを活かした特色あるコース制を取り入れている。先の石原校長の言葉を受け、山口教諭は「この特色を、生徒の人間力を伸ばす教育としてこれまで指導してきましたが、その真の『良さ』に私たちはほとんど気づいていなかったようです」と当時を振り返る。
「興味関心があれば生徒はもっと興味・関心のあることを追求し、自主的に勉強するようになる。自分の人生をもっと彩るようになるはずだと校長は考えたのです。これを機に『探究』に力を入れてみようとなりました」。
個別最適な学習を「すらら」が実現
同校では2019年度から「すらら」を導入している。国公立大学や難関私立大学を目指す特別進学コースがある一方、他コースでは勉強が苦手な生徒も多い。デジタル教材を活用しきれるのか、当初校内では導入に懐疑的な声もあった。しかし、山口教諭には確信に近い思いがあったという。導入前に当時の生徒に「すらら」を試してもらったところとても良い反応があったからだ。
「生徒は勉強が嫌いなのではなく、つまずきを取り戻したい気持ちがどこかにあるということに気づかせてもらいました」。一人ひとりの理解度に応じて学べる「すらら」をぜひ取り入れたいと導入を決定した。
生徒たちの学力差は大きく、個別の能力に応じた学習方法に課題があった同校だが、「すらら」の導入により、勉強が苦手な生徒たちは中学校だけでなく小学校まで遡った学び直しを、学力が高い生徒たちは自分のペースで先に進むことができるようになるなど、個別最適な学びの保証ができるようになった。教員にとっても負担なく補習や学習の見守りが可能になったことで、働き方の改善にもつながっていった。
国語・数学・英語の「すらら」活用で成績が向上
「すらら」を活用して約4年。導入以来、主に国語、数学、英語の学び直しに利用している。当初はすららネットのサポートを受けていたが、教員が使い方に慣れてきたことで、今では以前よりも体系的に活用が進んでいるという。
たとえば数学では、教科主任の教諭が全コースの取り組むべき課題を決めて配信。担任の教諭は生徒の進捗をチェックし、取り組めていない生徒には声掛けを行うといった体制を確立している。
英語では、クラス全員で1時間「すらら」で学習する時間を設けるようにしたところ、現在の高校1年生の成績が向上する成果が得られた。同校はベネッセが実施する「基礎力診断テスト」に取り組んでいるが、そこでの結果では現在の2年生と比較しても1年生の成績が上回っており、特に義務教育の範囲においてその差が見られるという。黙々と「すらら」に向かう時間。地道な積み重ねが着実に結果に表れてきている。
飽きさせない機能で基礎学力の定着に最適
国語でも成績の向上は顕著で、生徒の文章の書き方も上達してきたという。当初は山口教諭のみが「すらら」を利用している状況だったというが、しだいに周囲の教員にも活用が広がっていった。「接続詞や述語の使い方、文章を書く時の基本などがわかりやすく学べることを他の教員も理解してくれるようになりました。宿題で提示したり、学期ごとに範囲を決めて取り組んだり、各クラスの現状に合わせて活用が進んでいます」。
「すらら」の良さはレクチャーが10分ほどで簡潔なところ。声優によるキャラクターの解説は引き込む力があり、重要なポイントを繰り返し伝えてくれるため覚えやすく、学びが定着しやすいと山口教諭は評価する。ドリルの解答形式も書き込みや計算など飽きさせない工夫がある。基礎学力の強化が必要な生徒たちにとって最適な教材だと感じるという。
学びに対する自主性や積極性も育まれた
「すらら」を利用して生徒がどれだけ学習をしたか、月ごとに総学習時間が掲載されたランキングのポスターを、同校では廊下や進路指導室の前に掲示している。ランキングを生徒よりも教員が食い入るように見たり、生徒の努力をたたえる会話が交わされたり、そうした光景がとても嬉しいと山口教諭は語る。
ランキングの上位に入るのは、実のところ勉強が苦手な生徒たちだという。山口教諭が重要視するのは、『次世代教育探究プロジェクト』でも目指す「自ら学ぶ」ことであり、その尊さを生徒自身にもわかってほしいという。「すらら」で楽しみながら学んでいる様子の生徒たち。探究と相まって「すらら」に取り組む過程の中で、自ら学びに向かう自主性も育くまれているようだ。
生徒の積極性も変わってきた。同プロジェクトの一環で高校1年生が同校に近い東大寺へ赴き、奈良の印象を海外旅行客に問うインタビューを行った際のエピソードだ。生徒たちは英語が流暢なわけではないが、臆することなく話しかける姿が見られたという。
「すらら」で中学校まで遡った演習等を反復することで、生徒たちは徐々に文法などの基礎が理解できるようになってきた。英語に親しむ時間が増えたこと、理解が進んだことで自信がつき、自然とこうした積極性も引き出されてきたようだ。
将来を諦めない前向きな選択
進路先にも大きな変化が起きている。この2~3年の間に大学進学の志望者が増えてきたという。
「すらら」で勉強に対するコンプレックスが減り、探究活動をしてきたことでやりたいことを見つけ、大学入試の総合型選抜にトライする生徒も多くなってきた。これまで勉強が苦手であることを理由にマイナス思考だった進路が、「自分の得意なこと、興味・関心があることは何か」と前向きな選択ができるようになってきた。これらの変化を山口教諭は「基礎学力がついた成果」だと明言する。
「『すらら』で学力の保証はもとより、それ以上のものが得られています。学びに向かう力を育成できていることは本当に感謝です」。新たな自分への原動力になるような経験を学校生活の中でたくさんしてもらいたい。この先も、こうありたいと思う人生を自分自身で彩り、切り拓き、楽しく幸せに生きてほしい。生徒たちに対する山口教諭の願いだ。
同校が掲げる「人間力の育成」。その根底を支える基礎学力の定着に寄与する「すらら」。生徒たちのポジティブな変容はまだまだ続いていきそうだ。
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