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2024年4月16日

ベネッセ、小1~高3生の学びに関する9年間の追跡調査データを公開

ベネッセのシンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は15日、学校で子どもたちが経験を通して学びを深める「探究的な学び」が広がっている背景を受けて、「経験を通して学ぶことの意味を考えるデータ」をまとめ公開した。

今回のデータは、小1~高3までの12学年の約2万組の親子の意識・行動の変化を、2015年から9年間継続して実施している親子調査「子どもの生活と学びに関する親子調査」(東京大学社会科学研究所との共同プロジェクト)の調査結果を新たに分析したもの。


それによると、小4生~高3生の子どもに1年間に経験したことを尋ねたところ、「好奇心・探索の経験」と「果敢な挑戦の経験」は2~3割で横ばい、「将来を考える経験」は4割強で横ばいだったが、「夢中・没頭の経験」は7割から6割に、「達成・自信の経験」は4割から3割に減少していたことが分かった。


「チャレンジングな経験」が多い子ども(多群)は少ない子ども(少群)に比べて、「1度決めたことを最後までやりとげる」(粘り強さ)、「難しいことや新しいことにいつも挑戦したい」(挑戦心)を肯定する割合が高かった。「チャレンジングな経験」は、こうした非認知能力と関連がみられた。


「チャレンジングな経験」が多い子ども(多群)は少ない子ども(少群)に比べて、「社会の出来事やニュースへの関心が強い」(社会への関心)、「将来の目標がはっきりしている」(将来観)を肯定する割合が高かく、「チャレンジングな経験」は、社会に対する見方や将来に対する考え方と関連していた。


「チャレンジングな経験」が多い子ども(多群)は少ない子ども(少群)に比べて、「自分の良いところが何かを言うことができる」(自己肯定感)、「自分は今、幸せだ」(今の幸せ実感)を肯定する割合が高く、「チャレンジングな経験」は、自己認識や幸せ実感とも関連している。


また、「チャレンジングな経験」が多い子ども(多群)は少ない子ども(少群)に比べて、「授業が楽しい」や「勉強が好き」を肯定する割合が高く、「チャレンジングな経験」は、学習に対する意識と関連している。


「チャレンジングな経験」が多い子ども(多群)は少ない子ども(少群)に比べて、「暗記すること(ものを覚えること)」や「論理的に(筋道を立てて)考えること」に対して「得意」だと回答する割合が高く、「チャレンジングな経験」は、認知的な能力に対する自己評価とも関連がみられる。


「チャレンジングな経験」が多い子ども(多群)は少ない子ども(少群)に比べて、学業成績が良い傾向がみられ、多群は少群よりも「上位層」が多く、「下位層」が少ない。


チャレンジングな経験」が多い子ども(多群)は少ない子ども(少群)に比べて「勉強が好き」を肯定する割合が高いが、その傾向は成長しても続く。小4時点で「チャレンジングな経験」が多い子どもを9年間追跡したところ、高3時点まで一貫して「勉強が好き」を肯定する傾向がみられた。


「チャレンジングな経験」は「勉強が好き」の意識、「自己肯定感」「学業成績」「幸せ実感」などの様々な要因に影響しており、直接的な効果だけでなく、「勉強が好き」を経由して「学業成績」や「幸せ実感」を高めるといった間接的な効果もみられた。

「子どもの生活と学びに関する親子調査」は、子どもの生活と学習に関する意識と実態(子ども調査)、保護者の子育て・教育に関する意識と実態(保護者調査)をテーマに、同一の親子を対象に2015年から継続して追跡する縦断調査で、調査時期は各年7~9月。

調査依頼は各回とも約2万組の調査モニターに郵送で行い、回収は2015年は郵送とWEBの併用、16~20年は郵送、21年は郵送とWEBの併用、22~23年はWEBで行った。

調査結果の詳細

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