2024年12月11日
指導要録の「行動の記録」、教職員の96%が「明快な評価ができていない」と回答 =School Voice Project調べ=
NPO法人School Voice Projectは10日、全国の小〜高校に勤務する教職員54人を対象に実施した、小中学校の指導要録や通知表に記載される「行動の記録」に関するアンケート調査の結果をまとめ発表した。
それによると、「基本的な生活習慣」「自主・自律」「創意工夫」といった内容に関して児童・生徒を評価し指導要録に記載する「行動の記録」について、現状として明快な評価ができていると思うか、と聞いたところ、「明快な評価ができている」と答えたのは、回答者54人中2人だけで、全体のわずか4%だった。
その他52人(96%)の教職員は「明快な評価ができていない」と答え、その状況について様々な報告や意見が寄せられた。
「明快な評価ができていない」と回答した教職員からは、「主観的にしか評価できないため」(小学校・教員)、「そもそも人によって判断基準が違うから。また、◯をつけたくても、数の制限があるから」(小学校・教員)、「生徒の個別の活動について、教員に見えていたり、教員が知っていたりすることのみ評価ができ、見えていない部分は評価できない」(中学校・教員)といった声が寄せられた。
また、「行動の記録」の評価にあたって、「◯をつける数は1人4~6個」というような運用ルールが学校で定められているか、と質問したところ、「定められている」と「定められていない」の回答がちょうど同数(27人:50%)の結果になった。
校種別の傾向としては、小学校で「運用ルールが定められている」が47%だったのに対し、中学校では「運用ルールが定められている」が73%で、小学校より厳密にルールを定めている状況が伺えた。
具体的な「運用ルール」を聞いたところ、「学級全体の◯の数を集計して、学年内で多すぎる/少なすぎる学級がないか確認し、大体同じ数になるように調整することになっており、△はつけてはいけないことになっている」(小学校・教員)、「だいたい1学期は何個程度、2学期3学期と少しずつ増やしていく、という暗黙の了解がある。よほどのことがない限り、○の数が横並びになるようにしている」(中学校・教員)といった声が寄せられた。
また、「行動の記録は不要」とする意見として、「行動の記録は、誰が得をするのか分からない。マイナスなことを伝えるツールとしては機能していたかもしれないが、今は△はつけないので、役割は終えたのではないか」(小/中学校・教員)、「通知票は必ず作成しなければならないものではない。中学校では内申書作成のための評価結果を、本人と保護者にサービスとして公表しているにすぎない。行動の記録も、そのサービスの一環で不要である」(中学校・教員)などの声が寄せられた。
この調査は、全国の小〜高校に勤務する教職員を対象に、今年9月27日〜11月5日にかけて、インターネットで実施した。有効回答数は54人。
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