2024年2月28日
小中高生保護者の9割が「我が子のICTスキルは学校で習得した」と回答=栄光ゼミ調べ=
Z会グループの栄光が運営する進学塾「栄光ゼミナール」は27日、小学1年~高校3年生の子どもを持つ保護者2443人を対象に実施した、「小中高生のICTスキルに関する調査」の結果をまとめ発表した。



それによると、パソコン・タブレット端末・スマホについて、子どもが初めて触れた年齢を聞いたところ、パソコンは、子どもが小学生の間に初めて触れた家庭が全体の半数超だった。タブレット端末は、特に小学生の家庭では「満1~3歳」「満4~6歳」が合わせて7割超。スマホは、年代によってばらつきがあり、小学生の保護者では「満1~3歳」が最も多く3割超だった。
次に、パソコン・タブレット端末・スマホの、学校や自宅を合わせた、子どもの使用頻度を聞いたところ、いずれのICT端末も、「ほぼ毎日」が最も多く、子どもが日々ICT端末に触れていることが分かった。
端末ごとにみると、パソコンはタブレット端末・スマホに比べ使用頻度は低いものの、子どもが「ほぼ毎日」使用していると回答したのは、小学生保護者の33.3%、中学生保護者の39.2%、高校生保護者の37.6%だった。
タブレット端末は、小・中・高生の保護者のいずれも50%超が「ほぼ毎日」と回答し、特に小学生保護者はその割合がパソコン・スマホと比べて高かった。スマホは、中学生保護者の89.9%、高校生保護者の97.3%が「ほぼ毎日」と回答しており、パソコン・タブレット端末に比べかなり高い使用頻度であることが分かった。



また、「タイピング」「文書作成」「表やカレンダー・計画表などの作成」「数式や関数を使った計算」「プレゼンテーション資料作成」の5つのICTスキルについて、子どもが初めて経験した年齢を聞いたところ、「タイピング」は、小学生保護者で最も多かったのは「小学1~3年生」、中・高生保護者で最も多かったのは「小学4~6年生」だった。
「やったことがない」と回答した保護者は、小・中・高生保護者のいずれも10%未満だった。
「文章作成」は、小学生保護者では「小学1~3年生」、中学生保護者では「小学4~6年生」、高校生保護者では「中学1~3年生」が最も多かった。「やったことがない」と回答した保護者は少なく、特に中・高生保護者では10%未満だった。
「表やカレンダー・計画表などの作成」については、中学生保護者は「小学4~6年生」が34.8%、高校生保護者は「中学1~3年生」が37.1%と最も多く、小学生保護者では「やったことがない」が60.2%で最も多かった。


「数式や関数を使った計算」は、小・中生保護者では「やったことがない」が最も多かったが、高校生保護者では「中学1~3年生」が34.1%で最多。また、「プレゼンテーション資料作成」は、中学生保護者は「小学4~6年生」が39.3%、高校生保護者は「中学1~3年生」が42.2%で最も多かった。
小学生保護者は「やったことがない」が最も多かったものの、「小学4~6年生」と回答した小学生保護者も約3割いた。
それぞれのICTスキルで、中学生保護者が「小学4~6年生」、高校生保護者が「中学1~3年生」という回答が多かったのは、GIGAスクール構想による1人1台のICT端末の導入・活用が、新型コロナの感染拡大で2020年度から急速に進んだことを背景に、当時小学4~6年生だった現中学生、中学1~3年生だった現高校生が、学校などでICTスキルを経験したことがその理由の1つと考えられる。

また、5つのICTスキルについて、現在の子どもの程度を聞いたところ、「タイピング」については、小・中・高生保護者のいずれもが「1人でスムーズにできる」が最も多く、特に高校生では65.4%にのぼった。

「文書作成」は、中・高生保護者は「1人でスムーズにできる」が最も多く、小学生保護者は「1人でスムーズにできる」と「スムーズではないが1人でできる」がほぼ同割合。

「表やカレンダー・計画表などの作成」は、高校生保護者では「1人でスムーズにできる」が最も多く、中学生保護者では「1人でスムーズにできる」「スムーズではないが1人でできる」「人の助けがあればできる」「やったことがない・全くできない」がほぼ同割合だった。小学生保護者は「やったことがない・全くできない」が半数以上で最多。

「数式や関数を使った計算」については、高校生保護者は「1人でスムーズにできる」「スムーズではないが1人でできる」「人の助けがあればできる」がほぼ同割合。小・中生保護者は「やったことがない・全くできない」が最も多かった。「プレゼンテーション資料作成」は、中・高生保護者は「1人でスムーズにできる」が最も多く、特に高校生保護者では半数超だった。

また、5つのICTスキルについて、保護者自身と子どもを比べて、どの程度できるかを聞いたところ、いずれのICTスキルも、「自分(保護者)の方ができると思う」が最も多かったが、「プレゼンテーション資料作成」は、中・高生保護者が「子どもの方ができると思う」がそのほかのICTスキルよりも多かった。
高校生保護者の半数以上が、「タイピング」と「プレゼンテーション資料作成」のスキルは、保護者と子どもは同程度あるいは子どもの方ができると思っていることも分かった。

子どもがICTスキルを習得した手段について尋ねたところ、小・中・高生保護者のいずれもが、「学校の授業で習得した」が最も多く、約9割にのぼった。次いで、「子どもが自力で習得した」「保護者が教えた」が多かった。

また、高校の「情報科」について、保護者がどのような情報を知っているかを聞いたところ、高校1・2年生は学習指導要領の新課程で履修していることなどもあり、高校生保護者の情報科に関する知識はいずれも高かった。
特に、2022年度から学習指導要領で情報Ⅰ・Ⅱが新設されたことや、来年1月の大学入学共通テストに情報Ⅰが導入されることは6割超の高校生保護者が「知っている」と回答。一方で、小・中生保護者は「知っているものは1つもない」が最も多かった。
この調査は、栄光の教室に通う小学1年~高校3年生の子どもを持つ保護者を対象に、1月6日~16日にかけてインターネットで実施した。有効回答数は2443人。
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