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2026年8月31日

ここのば、オンライン不登校支援・発達支援の活動記録2,557件の分析結果を公開

ここのばは28日、運営するオンラインフリースクール「SUPER SCHOOL」およびMinecraftを活用した個別発達支援「GLOBAL GAME」でて、2025年2月から2026年8月までに蓄積した活動記録2557件を分析し、その結果を公開した。

背景①|不登校支援は増えたが、発達支援の視点はほとんど入っていない
文部科学省の調査によると、2024年度の小・中学校における不登校児童生徒数は35万3970人で、12年連続の増加、過去最多となった(「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」2025年10月29日公表)。これにともない、民間のフリースクールやオンラインの居場所も急速に増えている。

一方で、学校に行けなくなった背景に発達の特性が関わっているケースは少なくないという。感覚の過敏さ、書字や計算の困難、集中の持続、対人距離のとりづらさといったことが積み重なり、教室にいることそのものが難しくなっていく。

しかし現在の民間の不登校支援は「居場所」と「学習」を担うものが中心で、発達アセスメントにもとづく個別支援計画の策定や、特性に応じた環境調整といった発達支援の専門性を備えた事業者は、同法人が把握する限りごくわずかだという。その結果、居場所には通えるようになっても同じ困りが再び起きる、学習支援を受けても背景にある特性が手つかずのまま残る、という事態が生じやすくなる。不登校という結果に手当てをしても、その手前にある特性が扱われていないためだ。

同法人は、代表理事が児童発達支援事業所および放課後等デイサービスの起業・運営を経験しており、法人としても療育・保育の専門職に向けた研修事業と第三者評価事業を継続している。この発達支援の実務を、そのままオンラインの不登校支援に組み込む形でSUPER SCHOOLおよびGLOBAL GAMEを運営している。

背景②|その支援を確かめる材料が、選ぶ側にない
こうした支援には公的な効果検証の枠組みがなく、保護者が支援先を選ぶ際に確かめられる材料は限られている。各事業者が公開するのは、多くの場合、満足度や体験者の声にとどまる。

同時に、限られた規模の分析結果が「効果」として提示されると、実態以上の期待を生む懸念もある。同法人は、数値を公開すると同時に、その数値が何を意味しないのかを明示する形をとった。今回の公開は、この2つの課題に対する一つの試みだという。

分析の概要
• 対象期間:2025年2月〜2026年8月(19カ月)
• 対象記録:2557件
• 記録の形式:担当者による自由記述(目標/活動内容/本人の発言・行動/次回のタスク)
自由記述のため記録の密度に差があることから、全2557件を「本人の行動が読み取れるか」で3区分に分類し、A・Bのみを行動分析の対象とした。
• A(詳細)本人の発言・具体的な行動・やり取りが十分に記録されている ── 1224件
• B(分析可能)具体的な発言または行動の記述がある ── 785件
• C(情報不足)活動内容のみ等で、行動の判定が難しい ── 548件
→ A+B=行動分析の対象 ── 2009件(78.6%)
なお、区分Cは「その日に行動がなかった」ことを意味しない。記録の書き方によって判定できなかった、という区分。担当者と1対1で行う個別活動の記録に限ると、1629件(92.7%)が分析可能だった。

主な結果
同法人は自己決定理論(Self-Determination Theory)にもとづき、「自律性」「自己有能感」「関係性」の3つが満たされる環境をつくることを支援の方針としている。分析可能な個別活動記録1629件について、この3つに該当する場面の記述を数えた。
【記録に明示されていた割合】
• 関係性 ── 46.8%
• 自己有能感 ── 29.0%
• 自律性 ── 22.7%
• いずれかが明示された記録 ── 67.7%
また、継続して利用している子どものうち、分析可能な記録を十分に持つ対象者について、最初の25%の記録と直近25%の記録を比較した。
【最初の25% → 直近の25%】・自己表現 ── 11.4% → 16.9%(+5.5pt)・問題解決・試行錯誤 ── 12.2% → 16.4%(+4.2pt)・自己調整 ── 2.1% → 5.6%(+3.5pt) 続ける中で、「自分で考える・伝える・立て直す」姿の記述が増える傾向が見られた。

この数値の読み方について(同法人の見方)
67.7%という数値は、高いとも低いとも読める数値。同法人は、これを天井ではなく床に近い数値だと捉えている。その理由を3点、あわせて示す。

1.記録は評価ではない。
担当者は「自律性が見られた」と書くために記録しているのではなく、目標・活動内容・本人の発言や行動を事実として記述している。3要素への該当判定は、19カ月分の記録が蓄積した後に読み返して行ったもの。毎回チェック欄を設ける形式であれば、より高い数値が出たと考えられる。

2.活動が安定している日ほど、記録に残る記述は少なくなる。
落ち着いて活動を進め、通常どおり終えられた日は「拠点の続きをした」等の短い記述で終わることがあり、行動の記述はあっても3要素の場面としては計上されない。この割合は、支援が及ばなかった日ではなく、むしろ平穏な日によって押し下げられている面がある。

3.観測経路は1つに限られる。
本記録に含まれるのは、週1〜2回・1回60分の活動の中で担当者から見えた範囲のみ。家庭や学校での様子、保護者が気づいた変化は、分母にも分子にも含まれていない。単一の観測経路から、事実のみを記述した記録の3回に2回に、選ぶ・工夫する・人と関わる場面が残されていた。同法人はこれを低くない水準と受け止めている。ただし本項は数値の読み方に関する同法人の解釈であり、検証を経たものではない。

この分析では言えないこと(同法人による明示)
• 「該当する割合の子どもに効果があった」という効果率ではない。記録上に該当する記述が確認された割合。
• 継続児の変化は記録上の頻度の変化であり、活動が原因でその変化が起きたと断定することはできない。学年進行、担当者との関係の深まり、記録の書き方の変化など、他の要因も考えられる。
• 他のサービスとの比較は行っておらず、優劣を示すものではない。
• 心理検査や臨床試験による測定ではなく、自由記述に明示された行動を探索的に分類したもの。
• 対象は当法人を利用する子どもに限られ、規模も大きくない。ここで見えたことが他の場や他の子どもにそのまま当てはまるとは考えていない。

関連URL

「SUPER SCHOOL」

「GLOBAL GAME」

ここのば

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