2026年10月30日
Backspaceで戻るタイピング練習。「カケルタイピング」の新機能「1VS1」
【寄稿】植松亮大郎 Melloworks(個人開発)
日本語タイピング学習サイト「カケルタイピング」を個人で開発・運営している植松亮大郎と申します。
カケルでは、「打ち間違えたらBackspaceで戻して、正しく打ち直してから先へ進む」という仕組みを大切にしています。入力の速さだけに目を向けず、自分の間違いに気づき、直しながら打つことを練習に取り入れています。
今回、新たに公開したのが、二人でリアルタイムに取り組む「1VS1」です。単語を打ち切ると相手に一撃を送り、相手の体力を先に削り切った側が勝つ対戦モードです。
このモードでも、Backspaceで戻して打ち直す仕組みは変えていません。さらに、ミスを少なく打つほど一撃の威力が高くなります。対戦の楽しさの中で、正確に入力することを意識してもらいたいと考えました。
対戦中でも、間違えた文字は自分で直す
1VS1では、双方に同じ順番で単語が出題され、それぞれのペースで入力していきます。
打ち間違えた場合は、誤入力が画面に残ります。Backspaceで誤った入力を消し、正しく打ち直す必要があります。
この操作にこだわるのは、実際にパソコンで文章を書くときにも、入力と修正の両方が必要だからです。作文や調べ学習のまとめ、発表資料を作る場面では、間違えずに打つことに加え、画面を見て誤りに気づき、自分で直すことが求められます。
カケルでは、練習の段階から「打つ、確かめる、戻して直す」という一連の操作を経験できます。ミスをしても、直せば再び先へ進める。その経験を繰り返せることが、学習の入り口として大切だと考えています。
先生が一人ひとりの入力を常に見守ることが難しい場面でも、誤入力をそのまま通過させない仕組みが、子ども自身による確認と修正を促します。
正確に打つことが、勝負の手応えにつながる
相手がいると、つい急いでキーを押したくなります。そこで1VS1では、単語を打ち切るまでのミスの回数によって、一撃の威力が変わるようにしました。
同じ単語でも、ノーミスで打てた場合に最も強い一撃を送れます。ミスがあると威力が下がり、Backspaceで修正する時間も必要になります。
そのため、速く打とうとしてミスを重ねるより、少し落ち着いて正確に打つことが有効になる場面があります。「次は急がず、最後まで正確に打ってみよう」と、自分の打ち方を変えるきっかけにしてほしいと思っています。
もちろん、入力速度も勝敗に関わります。それでも、正確さを対戦の仕組みに組み込むことで、普段の練習で大切にしていることが、そのまま対戦でも役立つようにしています。
「もう一度やりたい」を、反復練習につなげる
タイピングは、繰り返し取り組む機会をどう作るかが課題になります。一人で記録に挑戦する練習が好きな子もいれば、友達と一緒のほうが取り組みやすい子もいるでしょう。
1VS1は、そうした子どもたちに向けた練習の選択肢です。相手の入力に合わせてキャラクターが動き、単語を打ち切った成果が一撃として画面に表れます。キーを押す練習に、相手とのやり取りや目に見える変化が加わります。
「もう一度やってみたい」という気持ちから、単語を読み、キーを探し、入力し、間違いを直す。その繰り返しに取り組むきっかけを増やすことを目指しました。
一人で基礎を確かめる時間と、誰かと試す時間を行き来できることが、カケルの練習の幅につながると考えています。
勝敗のあとに、自分の記録を振り返る
対戦後の結果画面では、勝敗に加えて、入力速度や正確さ、ノーミスで打てた単語数などを確認できます。
学校で活用していただく際は、対戦前に「今回はノーミスで打てる単語を増やす」「慌ててミスを続けない」といった、自分の目標を一つ決める方法が考えられます。
終了後には、「急いだときにミスが増えた」「落ち着いて打ったら、ノーミスの単語が増えた」など、結果と自分の操作を結びつけて振り返ります。そのうえで、苦手に感じた入力を一人用の練習で確かめ、もう一度対戦してみる。こうした使い方なら、対戦を次の練習へつなげられます。
自分の打ち方を見直す材料が残ることを大切にしています。
タイピング画像 – 2.png
教室では、ペア練習の選択肢として
1VS1は、合言葉を使って友達と対戦できます。授業で取り入れる場合は、まず一人で入力の基本を確認し、慣れてきた段階でペアになって試す使い方が考えられます。
たとえば、一人で練習したあとにペアで1試合取り組み、終了後は「どこで間違えたか」「次はどう打ちたいか」を短く伝え合う。相手の工夫を聞くことで、自分の練習方法を考える機会にもできます。
対戦を楽しめるかどうかには個人差があります。教室では一人用の練習も選べるようにし、勝敗を成績評価に直結させず、それぞれの目標に沿って使っていただくことが合うと考えています。
カケルはブラウザで利用でき、基本の練習や1VS1は無料・会員登録不要で始められます。学校や家庭で、まず試していただきやすい形を大切にしています。
楽しさの中でも、入力の基本を大切に
カケルで大切にしているのは、正しく入力することと、間違いを自分で直すことです。
1VS1では、そこに誰かと取り組む楽しさを加えました。Backspaceで戻して直す操作も、ノーミスで一つの単語を打ち切ることも、対戦の中で意味を持つようにしています。
タイピングは、作文や調べ学習、資料作成など、端末を使うさまざまな学習を支える技能です。カケルが、その基礎に繰り返し触れる機会になればと思っています。
学校や家庭でお使いいただいた感想や、授業で使ううえでのご要望も、ぜひお寄せください。
■サービス名:カケルタイピング(KAKERU)
利用料金:無料
利用環境:パソコンのブラウザ
運営:Melloworks
問い合わせ:kakeru.typing@gmail.com
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