2016年5月25日
市区町村の垣根を越えて広がるICT教育環境/東京都+NTT東日本
市区町村の垣根を越えて広がるICT教育環境/東京都+NTT東日本
2020年までに「1人1台のタブレット端末」実現を目標に掲げる政府方針が発表されたのが2011年。それから数年、なかなか思うように進んでいない感のある学校のICT化だが、ここにきて大きな動きをみせている。文部科学省は、小中高校で使う「デジタル教科書」を 2020年度までに導入する案を4月に発表。また、無線LANも全校に整備するという目標を改めて掲げた。こうした発表を受けて、学校現場への普及は今後、想像以上のスピードで進んでいくことになるだろう。
しかし、導入を進める側である学校や市区町村の教育委員会はどうだろうか。聞こえてくるのは、「導入を進めたいが何から始めたらよいかわからない」「そもそもどれくらいかかるものか分からず予算化できない」といった現場の声だ。実際のところ、多忙を極める教員の間ではこうしたことがネックとなり、ICT化を始められないということが多いようだ。
そうした課題に対して学校や市区町村が連携して推進できるよう、支援を始めているのが東京都教育庁だ。東京都教育庁の新たな取り組みである「ICT教育環境整備支援事業」と、それをサポートするNTT東日本の活動について紹介する。
機器から運用サポートまでパッケージ提供で導入のきっかけづくり
東京都教育庁、都内の公立学校約2300校を管轄する。小中学校だけでも1800校以上にのぼり、学校数の多さでは都道府県の中で一番となる。その東京都で、公立小中学校を対象に2015年から2017年の3カ年の計画として東京都教育庁が進めているのが、「ICT教育環境整備支援事業」だ。事業名が示す通り、ICT環境の整備を進める取り組みで、タブレットPC等を導入したいがその方法がわからないという学校に向けて、機器の貸し出しや支援員の配備等を行うというもの。導入予算など学校や教育委員会にとって分かり難いため導入に躊躇してしまう要因を解決することが目的というこの取り組みについて、東京都教育庁 地域教育支援部義務教育課 岩野恵子課長に話を伺った。
岩野課長は事業を始めた理由をこのように語る。「文部科学省による2012年度の調査報告『学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果』がきっかけでした。調査では、東京都は教育用PC1台あたりの児童生徒数が7.8人で、全国レベルでは42番目と、普及率の低さが明らかとなりました。対して、同じく文部科学省が2014年に出した、第2 期教育振興基本計画『教育のIT化に向けた環境整備4か年計画』では、1人あたり3.6台と高いレベルを求められていたこともあり、こうした事態を問題視してこの事業を始めたのです」
都内の小中学生が、教育の情報化の動きに乗り遅れるようではいけないという危惧があったというが、都内小中学校すべてへのICT推進というのは、なかなかにハードルの高いことであろう。例えば、1校だけが飛びぬけて先進的な活用を行うということはあるかもしれないが、都内すべてとなると教員の考え方や予算等、学校ごとに事情が異なるため、取り組みの足並みが揃い難くなるからだ。
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