2017年2月24日
東京私学教育研究所、佼成学園でICT活用研修会を開催
東京私立中学高等学校協会 東京私学教育研究所は23日、中学1年から高校2年までの生徒全員が1人1台のiPadを持って教育活動に取り組んでいる佼成学園中学校・高等学校で、「教務運営研究会『見学研修会』~1人1台iPadで推進するICT活用~」を開催した。
冒頭挨拶した教務運営研究委員長で日本大学第二学園の小坂部好史理事は、「今日の研修会には、会員校から50校150名以上の先生が参加してくれた。ICT化の推進はこれまで学校単位でやってきたが、今後は学校同士が連携して加速度的に進んでいくかもしれない。すでに始めている先生もこれからの先生も、ICTの更なる活用に向けこの機会に学んでもらい、次回は先生方の学校で開催できることを期待します」と、ICT活用への積極的取り組みを喚起した。
また、開催校の榎並伸吉校長は、「ICTにはかなり前から取り組んできました。ICT委員会を作ったり、韓国や関西に視察に行ったり、先進校を訪ねたり。ようやく昨年度までに、全教室にWi-Fiと電子黒板を導入、今年度中1から高2までの全生徒に1人1台iPadをBYODで実現しました。ICTの可能性は無限大だが、教育にとって良いかどうかを見極めながら、使用するアプリなども慎重に選びながら、時間を掛けて進めていこうというのが我が校の方針です」と、ICT活用がまだまだ発展途上であることを強調した。
公開授業は、5時間目6時間目の中1から高2までのすべての授業が公開された。各教室を覗くと、ほぼすべての授業で生徒の机の上にはiPadが開かれており、「ロイロノート・スクール」を使った「資料配付」「テスト配付~記入~回収~共有」「写真撮影~提出~共有」などに利用されていた。
中には、協働学習のツールとしてiPadを活用し、個人学習~グループワーク~プレゼンテーションという、いわゆるアクティブ・ラーニング的に活用する場面も見られたが、全体的にはICT活用に先生たちの頑張りが感じられ、今後の進化に期待を抱かせる内容だった。
公開授業後、「1人1台iPadで推進するICT活用」と題して行われた実践報告で佼成学園中学校・高等学校の簗瀬 誠 教頭・教務主任は、「ICT推進の目的は、生徒たちに社会の変化に対応できる21世紀型の能力を身につけてもらうことですが、併せて教員の指導における“引き出し”を増やしたいというのが狙いです。新しい学習指導要領でも求められている指導の転換や多様化に対応するために、ICTの活用は役立つはずです。もちろんすべての教員が同じように活用しているわけではなく、今日の研修会があるから久しぶりだが使ってみようという先生もいます。でも、ゆっくりでも確実に活用は進んでします。本校では、ICTのC、Communicationを中心に活用しようという方針ですが、朝の教員会議や各種連絡はClassi中心で行うことが定着してきました」と、教員に多少の格差はあっても着実に活用が進んでいることを報告した。
簗瀬教頭の報告の中では、活用事例として中学生と高校生が登壇、同校利用アプリの三種の神器ともいえる、「Classi」「ロイロノート・スクール」「スタディサプリ」の利用状況や動画を使ってプレゼンテーションの事例を紹介した。
簗瀬教頭の報告ではその他、ICTの導入費用や補助金の利用金額、学校がサポートしてBYODで導入したiPadの価格やインストールするアプリなど、具体的なICT導入プランの説明があり、これから導入を計画している学校には有益な情報提供の場となったようだ。
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