2013年11月22日
デジタルハリウッド大学/映像教材をWebの授業に取り入れた「ハイブリッド」な学び
デジタルハリウッドは21日、ITや教育ビジネスの従事者、学校や企業の人事・教育担当者などを対象に、「近未来教育フォーラム2013 Programmable World の時代 ~変革する人材育成~」を東京・千代田区のデジタルハリウッド大学大学院駿河台キャンパスで開催した。
基調講演では、TRONプロジェクトのリーダーとして新しい概念によるコンピュータ体系を構築した、東京大学大学院情報学環 坂村健教授が登壇。約180名の参加者に向け、情報通信技術のオープン化が進む中でどのような考え方で生き、何を学ぶべきかといった提言を行った。
また、セッション3「授業が変わった!クラスの学生すべてを延ばしたハイブリッド・ラーニングの実践と検証」では、デジタルハリウッド大学 栗谷幸助准教授が映像教材を授業に活用した取り組みと効果検証について紹介した。
栗谷准教授はこの取り組みについて、「Web授業における課題として、『Webに取り組む時間が少ない』『授業の進行について来られない学生がでてしまう』『作品のレベルがなかなか上がらない』といったことがありました。それらを映像教材の活用で解決できないかと考えたのです」と、実践・検証の意味を語った。
社会人向け専門スクールでの前例もあり、授業の中で映像を使った自主学習と、講師によるレクチャーを組み合わせた「ハイブリッド・ラーニング」はスタートした。
1コマ90分を、概要説明10分、映像学習15分、レクチャー60分強で構成。一見、反転授業と同じようだが、「ハイブリッド・ラーニング」は授業の中で「映像学習」を行うのがポイントとなる。たくさんの教科を受講する学生たちが、毎授業前に自宅で映像学習をするのはハードルが高い。ドロップアウトする学生の減少と学力の底上げを図るために、このような授業構成を思いついたという。
映像教材にも栗谷准教授ら教授陣が登場。言い違いを訂正する場面をあえて残すなど、「ライブ感」を大切にしたと語る。
「映像学習」活用によるメリットとして栗谷准教授が強調したのは、授業対応と個別の指導・対応などが平行して行えるようになった点だ。「映像学習」で基礎的な学習を進めながら、困っている学生に個別指導も行え、まるで“自分の分身ができた”ように感じたという。
また、「ハイブリッド・ラーニング」活用前の2012年度と、後の2013年度との比較による効果検証も行い、成績上位層をさらに延ばすことができ、ドロップアウト率も減少するなどの実績を挙げた。
映像教材は、これまでPCのみの視聴だったが、今年10月からスマートフォンやタブレット端末でも利用できるようになった。また、同大学の映像教材を、授業に活用する他の専門学校なども出てきているなど、「ハイブリッド・ラーニング」はますます広がりをみせている。
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