2015年7月27日
古河市教委/9月から小学校全校iPad導入に向け「ICTフォーラム」開催
茨城県古河市教育委員会は25日、9月から小学校全校にiPad等のICT機器を導入するのに先立ち、古河市の「教育の情報化」に関する取り組み内容を紹介し、さらにこれからの教育を体験することで、教育の情報化を推進するため「平成27年度古河市教育ICTフォーラム- KOGA SCHOOL INNOVATION -」を、「フォーラム」、「体験セミナー」、「企業展示」の三部構成で開催した。
フォーラムでは、古河市教育委員会指導課の平井聡一郎参事兼課長の「スマートICTの実現に向けた取り組み」の他、基調講演として文部科学省 生涯学習政策局の豊嶋基暢 情報教育課長が「教育の情報化の動向」と題して登壇。
豊嶋課長は教育ICTの進め方について、「古河市が取り組んでいるように、計画的、段階的に進めていくしかないが、テンポアップが必要。第1フェーズは既に終わり次の段階に入ろうとしている。焦る必要は無いが、急がなければならない。○○方式でも、○○スタイルでもいいから自分たちに合ったやり方で、とにかく第一歩を早く踏み出して欲しい」と、早急な取り組みが必要だと強調した。
午後からは、教育ICTコンサルタントの小池幸司と電通国際情報サービスの関島章江 氏をモデレーターに、事例紹介とパネルディスカッションを開催した。
プレゼンターとして、新潟大附属新潟小学校 片山敏郎教諭、京都市立錦林小学校 長野健吉教諭、同志社中学校・高等学校 反田 任教諭、古河市立古河第五小学校 菅原俊彦教諭、多摩市立愛和小学校 松田 孝校長が次々に登壇し、それぞれのICT活用事例を紹介した。
パネルディスカッションでは、「ルール」「格差」「トラブル」「故障」など、iPad導入を前に教師や保護者、児童・生徒に聞いた「ICT導入で心配なこと」について、考えを述べ合った。
同時に開催した「iPad&アプリ体験セミナー」では、「ロイロノート・スクール」「MetaMojiShare」「ミライシード」「やるKey」など、9月から導入されるアプリやiPadを使った授業体験を行った。
ベネッセコーポレーションが提供する「ミライシード」は、話し合いのスキルを身につける「話し合いトレーニング」、学び合う授業を実現する「ムーブノート」、ドリルを使って授業を活性化する「ドリルパーク」(*1)の3つのアプリケーションで構成するタブレット学習プラットフォーム。
今回古河市が導入するのは、「ドリルパーク」。理解度に応じた問題配信ができたり、連続正解の数に応じてメダルが獲得できるなどやる気を高める工夫など、朝学習や授業での定着確認、放課後の補習学習などの場面で、子ども主体で使えるドイルアプリ。
8月のリニューアルで、知識の定着を支援する機能の強化や、一斉アクセス時のレスポンスの向上などを行い、教師の授業中の使い勝手を向上させたという。
*1:ドリルパーク=現行「デジタル小テスト・ドリル」の8月リニューアル後の呼称。
凸版印刷が実証研究版として提供しているのが、子どもたちの「やる気」を喚起し、「できた」を体験させる学習支援サービス「やるKey」。東京書籍とのコラボレーションで教科書に合わせて開発した「やるKey」のポイントは、目標を設定して取り組むこと。
学習時間やページ数、点数などの目標を自分で設定してから問題に取り組む。
回答結果から、本人のつまずきポイントを見つけて補習させたり、自動で採点集計を行い、目標を達成できたかどうかを教師が簡単に確認できるため、教師を採点作業から解放できるという。今回の実証研究は、小学3年生の算数で行う事になっている。
古河市教育委員会では今後、エバンジェリスト研修や学校・教員向けの説明会などを行い、9月からのICT機器導入に備えるという。
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