2015年8月31日
愛和小学校/「i和design 2015夏 教員セミナー」プログラミング授業で歓声
東京都多摩市立愛和小学校は25日、教師による教師のためのICT活用セミナー「i和design 2015 夏~教員セミナー~」を開催した。
同校では、2013年から約2年間に亘り児童1人1台タブレット環境の中でICT活用教育実践を積んできた。今回は、これまでの実践を踏まえ、同校の教師自らが日々実践しているICTに関する教育技術を紹介する試み。
開始から3コマは、最近注目されている「プログラミング」に関する授業事例の紹介。
最初はプログラミング授業の定番「ScratchJr(スクラッチジュニア)」。「ScratchJr」は、5歳~7歳向けのプログラミング言語で、未就学児ような子どもたちをターゲットにしたもの。「進む」「止まる」「回る」など様々な動きを指示する「命令ブロック」をつなぎ合わせて、キャラクターに動きをつけていくもの。
次に体験したのは、オバマ大統領が活動に参加していることでも知られている、アメリカのプログラミング教育を推進するNPO法人Code.orgが運営するサービス「Code.org」。映画「アナと雪の女王」を題材に、文章によるプログラミングに挑戦した。
最後は、参加者が4~5人のグループに分かれて「教育版レゴ マインドストーム EV3」を使ったプログラミング授業を体験。
今年の夏からサービスが開始されたiPadを使ってプログラムを作り、無線でデータを本体に転送して、設定された四角形のコースを1周するというもの。
コースに置かれたEV3が動き出して最初の角を曲がると「お~っ」と歓声が上がった。二つの角を曲がるとまた「お~っ」と歓声が上がり、次の角を曲がり損ねると今度は「ああ~っ」とため息が漏れた。
ようやく最初のチームが1周完了して拍手が湧いている時、松田校長が登場。「いま、最後のコーナーで内側によれましたよね。4つの角の曲がる角度は同じに設定しているはずなのに。最後だけ違う角度に曲がりましたね。なぜでしょうか。それは、ここの床がすこし湾曲しているんです。バーチャルの世界では絶対起こりえない、プログラムと異なる動きが起こるんです。EV3を使って行うプログラミングでは、こういう現実の面白さも一緒に学んで欲しいです」と、プログラミング教育に熱弁を振るった。
その後、協働学習やアクティブラーニングを支援するクラウド型アプリの「スクールタクト」やプレゼンテーション作成や双方向学習の定番アプリ「ロイロノート・スクール」で作る新しい授業を体験した。
三重県から参加した英語教師は、「電子黒板が1台だけしかない環境でも何か参考にできないかと参加した。Scratchやスクールタクト、ロイロノート・スクールは使えそうな気がする。iPadが支給されるのを待っていたら何時になるか分からないので、自分で購入していろいろ試してみたい」と、意欲を語った。
また、都内から参加の教師は「秋から学校に10台のiPadが支給されることになったので、使い方のヒントはないかと参加してみた。1人1台ではないので、愛和小学校のような使い方はできないかもしれないが、ロイロノート・スクールは入っているようなので、グループ学習での有効な使い方を見つけたい」と、前向きに語った。
参加したほとんどの教師がタブレットを使った授業をしたことがなく、電子黒板や実物投影機についても利用が進んでいないという状況での参加だった。
今回のセミナーで印象的だったのは、講師を務めた愛和小学校の教員たちの「タブレットさばき」と「プレゼンテーションテクニック」の著しい成長ぶりだった。いやいや使っているように見えた1年半前からは見違えるように、自信に満ちたエバンジェリスト(先導者)になっていた。
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