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2019年2月18日

瀧野川女子学園、セルラータブレット活用し知的刺激に満ちた教育

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KDDIまとめてオフィスは1月17日、MetaMoJi、リクルートマーケティングパートナーズと共催で、「教育ICT導入支援」学校見学会を瀧野川女子学園中学高等学校で開催した。

瀧野川女子学園中学高等学校

瀧野川女子学園中学高等学校

東京都北区にある瀧野川女子学園中学高等学校は、2010年から教育のICT化に着手。新たな価値の創造性と新たな仕事へと結びつけていく起業家精神を持った人材の育成を学校改革の目的に据え、全教科の教育手法の転換に取り組みはじめた。同年には全職員が1人1台のMacbook Proを持ち、ネットワークをベースに校務を運用できる体制を整えた。以降、全教育活動のICT化を段階的に着々と進化させている。

エンジニアの経歴を持つ山口龍介副校長

エンジニアの経歴を持つ山口龍介副校長

ICT導入の経緯について、同校 常務理事 副校長の山口龍介氏は、「大きな転機は2014年。Google Apps for Education(現、G Suite for Education)が教育機関向けに無償公開されたことが大きかったです。同年8月に全職員にiPad Air2を支給し、2015年度には中学全学年と高校新入生にも配付。生徒がiPadを入り口にクラウドで共同編集作業できることは非常に魅力的でした。当時は『いつでも、どこでも皆で学ぶために』と掲げ、高速Wi-Fi網も整備。生徒は嬉々として使い出し、習熟度や吸収が早いと感じました」と振り返る。2016年度には全生徒に1人1台iPadを配布した。

安全・安心をまとめてサポートするKDDI

安全・安心をまとめてサポートするKDDI

iPadはWi-Fiモデルを使う予定だった。しかし、アプリケーションを使ってリアルタイムで双方向授業を行おうとして問題に行き当たる。Wi-Fiは帯域が広かったり高速だったりと利便性が高いが、遅延や寸断の影響を受けることもある。インターネットにずっとつながっていたい。また、同校では生徒が授業でiPadを使うだけでは、望むほど学習効果が得られないことがわかり、授業以外でも同じ環境でiPadに触れていることの大切さが見えてきた。学校の中でも外でも、いつでもどこでも、同じ環境でとなるとセルラーモデルの選択肢が出てきた。企業各社に声をかけディスカッションしたうえで、学校にとって最も利益がある提案をしたのがKDDIだったという。教育現場のタブレットの選定、調達、導入、運用、修理まで細かく対応し、必要なものをまとめてサポートしてくれる。

セルラーモデルとは「Wi-Fi+Cellular」のこと。LTE回線を利用するため、携帯と同じ感覚で、外で取り出せばWi-Fiに接続することなくネット通信ができる。Wi-FiとLTE回線が自然に切り替わるのでインターネットに常に接続しているような状態であり、生徒たちは電波を気にすることなく、学校に加えて家庭や図書館にいても、長期休業中の旅行先からでも、学習に取り組んだり、教師に質問したりできる。同校ではその点を重視した。

iPad導入後、明らかになった課題もある。表示面積が狭く国語や英語など長文が扱いづらい、手書き入力が扱いづらいなどだ。そうした折、2015年秋にiPad Proが登場。すぐに3台を教師たちに提供すると歓声に近い声が上がったという。手書き入力の精密な文字表現、しかも電子化される。特にベテラン教師が感じていた使いづらさが解消された。2017年度には、全生徒と全教員に1人1台のiPad Pro12.9インチとApple Pencilを配布、授業スタイルをさらに前進させた。

「iPad ProとApple Pencilの導入で、高精度で自然な手書き入力が可能になり、本格的な読み書きの道具になりました。紙のプリントをほとんど使わない授業もあります」と山口氏。たとえば、iPad導入前まで高1の英語で配布する授業プリントは年間およそ300枚。教師がせっかく作っても、これだけ大量では生徒は常に持ち歩けない。代わりにPDFを配信すればどうか。それをもとに教師が授業。生徒はPDFに直接書き加えて、そのまま提出し共有もできる。

PDF配信で授業のハイスピード化

PDF配信で授業のハイスピード化

ICT化のはじめの段階で実践したのは、授業プリントのPDF配信だったという。板書に相当する授業プリントは生徒に前もって配布し見ておいてもらうことで、授業がテンポアップ。
たとえば、高1の日本史は1年分を半年で終えることができた。また、多くの授業で板書の時間が省け、演習やアウトプットにより時間を確保できるようになった。手で書くことの大切さはもちろんある。演習において書く量はむしろ増えているという。

その結果、生徒の自由な発想や学習意欲も引き出すことができ、成績は以前に比べ10~20%ほど上昇したという。

同校では、リアルタイム授業支援アプリ「MetaMoJi Share for Business(以下、MetaMoJi  Share)」も導入し日々活用している。同アプリは、シンプルなノート機能から、一斉学習、個別学習、協働学習と幅広く柔軟に対応。クラウドを活用した教材の配信や課題の回収ができるため、予習や復習を時間や場所を選ばずにでき、授業を中心に前後を含めたそれら全てが効率よく、学習が統合されていく。

手書きで共同作業した古文

手書きで共同作業した古文

「クラウドなら授業を休んだ生徒も同じものを閲覧できます。使用した教材は非常に優れた参考書として、メールと違ってどんどんストックもしていけます」と山口氏は利点を挙げる。

教育用「MetaMoJi  ClassRoom(以下、ClassRoom)」もあるが、なぜMetaMoJi  Shareなのか。「ClassRoomも魅力的ですが、MetaMoJi  Shareには本当に付箋やメモ帳に近いような感覚でパッと触れる使い勝手の良さが挙げられます。後になってClassRoomを知り、どちらにしようかとなった時、引き続きMetaMoJi Shareにしました。授業で使っているソフトを生徒たちの日常的な学校生活でもそのまま使ってほしかったからです。部活や生徒同士の話し合いの中でアイディアが浮かんだらパッと使う。いつでも相棒のように使いこなすことで操作する力や集中力が段違いに高くなる。気軽に立ち上げ、さっと書いて、すぐに共有し、みんなで解決という感覚を大事にしたかった。実際に教師たちが仕事をする際にそう使っていたのです。この一体感てすごくいいねと」。授業に限らない活用場面と手軽さ、それらが大きなポイントだった。

左から、山口副校長、MetaMoji松田氏、リクルートマーケティングパートナーズ高橋氏、KDDI小室氏

左から、山口副校長、MetaMoji松田氏、リクルートマーケティングパートナーズ高橋氏、KDDI小室氏

また、リクルートマーケティングパートナーズの「スタディサプリ」も導入している。様々な映像授業を揃えており、生徒に最適な教材を提供できるサービスだ。学校で授業する意味がなくなるのでは? との声があったというが、「我々にとっては武器。反転授業の教材の全てを自分たちで作るのは、とても困難です。『スタディサプリ』でそこをアウトソーシングできる。復習や詳しい説明をしたい時も使えます。使い方次第で便利な道具になります」と山口氏。教師にも生徒にも有用なICTツールという位置づけだ。

デバイスで紙と鉛筆からの解放。クラウドとセルラーモデルで時間と場所からの解放。使い方の自由度が高いアプリで発想を解放。便利で、わかりやすくて、何より楽しい。学校での授業が、ライブ感と知的刺激に満ちた会話と協働作業中心になる。それが当たり前になるとアクティブ・ラーニングがごく普通になってくるという。

ICTの力を使って理想の学びができるようになっているという同校。山口氏は「テクノロジーは敵ではなく、上から押し付けられるものでもなく、現場の教師がやりたいと思う授業を叶えてくれる道具。その学校ならではのICT化で良いのでは。私たちも、結果、生徒たちが自分たちで主体的に学ぶ姿勢に辿りつきました。はじめは、授業プリントと板書の電子化と共有がお勧めです」と参加者にメッセージを送った。段階的な実践を通して、その過程で学びに自ずと変化が現れてくる。そこでまた要件など見直しを経て徐々にバージョンアップを図るというサイクルがうかがえる。はじめの一歩はあまり気負うことなく、まずはICT活用に馴染むことが大切と言えるようだ。

関連URL

タブレットの選定・調達・導入・運用まとめてサポート|KDDI まとめてオフィス

MetaMoJi

スタディサプリ

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