2020年3月30日
子どものプログラミング教育にかけたい金額「月平均5752円」 =ソニー生命調べ=
ソニー生命保険は、大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女1000人を対象に実施した「子どもの教育資金に関する調査」の結果をまとめ、27日に発表した。
それによると、子どもの教育や教育費に関する内容について、自身の考えや状況がどの程度あてはまるか聞いたところ、「子どもの学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まると感じる」という項目では、「非常にあてはまる」17.2%、「ややあてはまる」48.3%で、合計65.5%が「あてはまる」だった。
「老後の備えより子どもの教育費にお金を回したい」では、63.8%が「あてはまる」。教育費が子どもの学力や学歴を左右すると考える親や、老後の備えより教育費を優先する親が多数派であることが分かった。
また、「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ」では73.0%が、「スポーツや芸術の習い事よりも学習塾に教育費をかけたい」では44.2%が、「あてはまる」だった。
「子どもの教育費の負担を重いと感じる」かを聞いたところ、「あてはまる」は69.4%。
子どもの就学段階別にみると、「あてはまる」と回答した人の割合は、未就学児の親では56.5%、小学生の親では65.7%、中高生の親では73.4%、大学生など(予備校生・浪人生・大学生・短期大学生・専門学校生)の親では81.7%と、子どもの就学段階が上がるにつれて、負担を重いと感じる人の割合が高かった。
「教育費の負担が重い」と感じる人の割合を過去の調査結果と比較すると、2018年71.4%→2019年66.6%→2020年69.4%と、昨年の下降から今年は上昇に転じた。
配偶者がいる人(938人)に、夫婦間で教育方針が一致しているか、異なっているか聞いたところ、「一致している」(「非常に」と「やや」の合計)は81.2%だった。
どちらが教育に熱心か聞いたところ、「夫のほうが熱心」は34.0%で、「妻のほうが熱心」は66.0%。また、子どもの教育のことで夫婦喧嘩を、「よくする」は29.0%だった。
次に、子どもの将来に関する項目を提示して、どの程度不安を感じるか聞いたところ、「学校生活」では、「不安を感じる」(「非常に」と「やや」の合計)が54.7%。就学段階別にみると、「不安を感じる」と回答した人の割合は、未就学児の親では68.1%、小学生の親では62.1%と、どちらも6割を超えた。
「インターネットやSNSの利用」では、「不安を感じる」が64.7%。「不安を感じる」と回答した人の割合は、小学生の親(77.0%)が最も高かった。
高校生以下の子どもの親(754人)に、「受験・進学」についてどの程度不安を感じるかを聞いたところ、「不安を感じる」は77.9%で、父親では73.4%、母親では82.3%と、母親のほうが8.9ポイント高かった。
「就職活動」では、「不安を感じる」は69.9%で、父親では68.6%、母親では71.2%と、母親のほうがやや高かった。
「教育資金」では、「不安を感じる」は70.6%で、「不安を感じる」と回答した人の割合は、小学生の親(76.6%)、中高生の親(76.2%)ではどちらも7割半いた。
教育資金に不安を感じている人(706人)に、その理由を聞いたところ、「教育資金がどのくらい必要となるか分からない」(56.8%)が最も高く、次いで、「収入の維持や増加に自信がない」(37.4%)、「収入が不安定」(23.1%)と続いた。
未就学児の親では、「教育資金に関して相談する人がいない」(22.5%)が最も多かった。
未就学児の親(248人)に、子どもが小学生から社会人になるまでに、教育資金はいくらぐらい必要だと思うか聞いたところ、「1000万円~1400万円位」(29.4%)に回答が集まり、平均予想金額は1381万円だった。
過去の調査結果と比較すると、2018年1348万円→2019年1339万円→2020年1381万円と、上昇傾向が落ち着いた昨年から再度上昇に転じ、2014年の調査開始以来、最高額となった。
スポーツや芸術などの習い事、家庭学習、教室学習のそれぞれに1カ月いくらぐらい支出しているか聞き、それぞれの平均支出金額を合計したところ、1万5120円/月となった。
過去の調査結果と比較すると、2016年から2019年までは増加が続いていたが、2020年(1万5120円)は昨年(1万5170円)と同水準だった。
平均支出金額の合計は、未就学児の親では9253円/月、小学生の親では1万7748円/月、中高生の親では2万775円/月、大学生らの親では1万2653円/月だった。中高生の親は、学校外教育費の負担が大きいようだ。
過去の調査結果と比較すると、未就学児の親と小学生の親、中高生の親では、2016年から昨年までの上昇傾向が一服し、今年は下降に転じた。
高校生以下の子どもと同居している親(746人)に、子どものこづかいや、子どもの携帯電話・スマホの通信・通話料金にかけているお金について聞いたところ、子どもの「こづかい」に支出している親の割合は44.9%。
未就学児の親では23.0%、小学生の親では38.3%、中高生の親では73.2%だった。
子どものこづかいに支出している親(335人)が1カ月あたりいくらぐらい支出しているかをみると、平均額は、未就学児の親は562円/月、小学生の親は1551円/月、中高生の親は5495円/月だった。
また、子どもの「携帯・スマホの通信・通話料金」に支出している親の割合は43.9%で、未就学児の親では16.9%、小学生の親では34.7%、中高生の親では80.2%。中高生の親は大多数が負担していることが分かった。
続いて、高校生以下の子どもの親、または予備校生・浪人生の親(754人)に対し、子どもの進学費用のための備えとして、1人あたり月々いくらぐらい支出しているか聞いたところ、「0円」(28.5%)に最も多くの回答が集まったほか、「1万円~1万4999円」(20.2%)や「2万円~2万9999円」(16.4%)も多く、平均支出金額は1万5776円/月だった。
過去の調査結果と比較すると、2016年から2019年までは増加が続いていたが、2020年(1万5776円)は、2019年(1万7474円)と比べて1698円減少した。
高校生以下の子どもの親(748人)に、大学などへの進学のための教育資金を、どのような方法で準備しているか聞いたところ、「銀行預金」(58.3%)と「学資保険」(42.5%)が多く、次いで、「財形貯蓄」(11.8%)、「(学資保険以外の)生命保険」(9.2%)、「金融投資(株式投資や先物取引など)」(6.6%)が続いた。
また、大学生らの親246人(予備校生・浪人生を含まない)に、大学などへの進学のための教育資金を、どのような方法で準備してきたか聞いたところ、「銀行預金」(58.5%)と「学資保険」(49.6%)が特に多く、以下、「奨学金」(19.9%)、「財形貯蓄」(13.0%)、「教育ローン」(12.2%)が続いた。
大学などへの進学に関する意識について聞いたところ、「多少費用がかさんでも進学させたい」(「非常に」と「やや」の合計)が81.2%で、「費用がかさむなら進学させなくてもよい」は18.8%だった。
2019年の調査結果と比較すると、「多少費用がかさんでも進学させたい」と回答した人の割合は、2019年86.3%→2020年81.2%と、5.1ポイント下降したものの、依然高い傾向。
大学などの入学金・授業料などの費用について聞いたところ、「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい」が73.8%、「費用が極力抑えられる学校を選択させたい」が26.2%。
2019年の調査結果と比較すると、「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい」と回答した人の割合は、2019年77.4%→2020年73.8%と、やや下降したが、子どもの希望を第1に考えたいという親が依然として多いことが分かる。
学校への通学については、「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせてもよい」が44.3%、「自宅から通える学校を選択させたい」が55.7%だった。
2019年10月に、「幼児教育・保育の無償化」がスタートしたが、未就学児の親(248人)に、この制度改正を知っているか聞いたところ、「認知率」(「詳細まで知っている」と「詳細は知らないが、聞いたことがある」の合計)は90.3%で、大多数が知っていた。
また、2020年4月からは、私立高校授業料実質無償化がスタートするが、高校生以下の子どもの親(748人)の認知率は73.4%だった。
2020年度から、小学校でのプログラミング教育必修化、小学校高学年での英語の教科化が実施されるが、小学生以下の子どもの親(496人)に、制度改正について知っているか聞いたところ、「小学校でのプログラミング教育必修化」の認知率は82.7%で、「小学校高学年の英語の教科化」の認知率は81.5%だった。
また、「大学入試センター試験が廃止され、2020年度に大学入学共通テストに変わること」の認知率は76.2%で、中高生の親では8割半(86.1%)と高かった。
子どものプログラミング教育に今後かけたいお金について聞いたところ、お金をかけたいと思う人の割合は45.6%
お金をかけたい人(456人)に、1カ月あたりいくらぐらいかけたいと思うか聞いたところ、「5000円~1万未満」(37.3%)に回答が集まり、平均額は5752円となった。
また、英語教育では、かけたいと思う人の割合は58.1%と半数以上。1カ月あたりにかける金額は、「5000円~1万円未満」(39.1%)や「1万円~2万円未満」(24.6%)に回答が集まり、平均額は6988円。
自分の子どもに目指してほしい「理想の大人」のイメージに合う有名人や、歴史上の人物について質問したところ、有名人では、1位「イチロー」(26件)、2位「所ジョージ」(23件)、3位「タモリ」(15件)で、「イチロー」は2015年の調査から6年連続の1位。
今年で7回目となるこの調査は、「ネットエイジアリサーチ」のモニター会員を母集団とする、大学生以下の子どもがいる全国の20歳以上の男女を対象に、2月28日~3月2日の4日間、インターネットを使って実施。1000人の有効サンプルの集計結果を公開した。(調査協力:ネットエイジア社)
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