2021年12月8日
「習うより慣れよ」でスタートした「すららドリル」の活用が効果を上げるまで/玖珠町立くす星翔中学校
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大分県玖珠町立くす星翔中学校は、70年余の歴史を持つ7つの中学校が統合され、2019年4月に創立した町内唯一の中学校。ICT環境が整備されており、2020年には生徒1人1台のChromebookを導入。EdTech導入補助制度によって、AIドリル「すららドリル」の活用も始まった。2021年には大分県の「授業のイノベーションを促すフロンティア校」に認定されICTを効果的に活用する授業を推進している。「すららドリル」の具体的な活用法や導入当初の課題への対応について、平原一幸校長、社会科 牧一統教諭に話をきいた。
「すららドリル」導入もなかなか軌道に乗らなかった2020年
2020年秋、くす星翔中学校では経済産業省のEdTech導入補助制度によって「すららドリル」の利用が始まった。「教育委員会から紹介された時は正直わからないことばかりであった。『習うより慣れよ』でとにかく使ってみようと考えた」と平原校長は振り返る。従来の学びへのこだわり、わからないことへの不安、苦手意識、多忙から戸惑う教職員も多く見られた。とにかくスタートはしたが、全員が積極的に活用するという状況には意識改革はなかなか至らなかった。
導入以前は、教師が一斉授業をして作成したプリントを配る。全員が同じことを学ぶため学習内容に差がない。しかし「すららドリル」は個別最適化されるので生徒の学びに差が生じるだろう。用意したプリントのように教師が全内容を把握しきれない不安もある。生徒間の習熟差の拡大につながるのではないかと懸念を持つ教師もいたという。
「5年かけて移行するところを1年でやろうというのだから無理もない、従来の授業、AIドリルどちらにも良い点があるから、両方を大事にしつつ良いところは取り入れてほしい」と、平原校長は理解を示した。
授業中の生徒の様子を見ると、「すららドリル」には抵抗なくスムーズに取り組めていた。しかし中には、問題をよく考えず思いつきで解答を入力し不正解時の振り返り動画をスキップする姿もあった。
平原校長は、「すららドリル」のコンテンツそのものには、英語など反復学習で記憶させる部分に可能性を感じていた。一方で「課題を配信したままやりっぱなしでは効果が薄い。意図をもって教師が活用しなければうまくいかない、学習結果を分析しフォローが必要な生徒は教師がしっかりつくべきだ」とも感じていた。
2021年、社会科のワークを廃止し「すららドリル」に一本化、単元テストとしても活用
ICTを活用した学びという視点では、生徒の方がどんどん積極的に使い、覚え、利用シーンを拡大していった。その姿を見て教師もICT環境を使わないわけにはいかない状況になりつつあった。そしてChromebookと「すららドリル」の学びの有効性が大いに発揮され活用が進む契機となったのが、コロナ禍のオンライン授業だ。わずか1週間で紙などのアナログ教材を工夫・苦労をしながらも、一気に全てデジタルに載せ替えることができたからだ。この経験が2021年度の授業での「すららドリル」活用にも生きていく。
4月、「すららドリル」の本格採用を決定した。社会科や理科など比較的活用がうまく進む教科もあり、一方で課題をかかえたままの教科もあった。活用法を模索する中、社会科の牧教諭は旗振り役を担った。
社会科は紙のワークブックを廃止して、演習用教材は「すららドリル」に一本化したことからもコンテンツへの信頼と決意がうかがえる。
玖珠町立くす星翔中学校では2021年度から定期試験に変えて全校全教科で単元ごとの試験を採用しているが、社会科ではこの単元試験の範囲課題、試験そのものも「すららドリル」で配信することにした(知識・技能に関する問題のみ)。直接評価につなげたことで生徒らの取り組み姿勢も積極的になるのだろう。
実際に生徒からは「すららドリル」に対して肯定的な意見が多い。アンケートでは9割を超える生徒が弱点克服に役立つと回答している。紙ベースの宿題に苦手意識を持っていてもICT機器に関心が高く、Chromebookと「すららドリル」ならできるという生徒も確実に見られるという。
教師でなくてはできない部分に集中する。「すららドリル」を活用し働き方改革も
牧教諭は、毎回授業の冒頭で前時の復習課題を「すららドリル」で配信している。やらない生徒が散見されることを解決したい。紙でも「すららドリル」でもやらない層をどう取り組ませるのかが課題だという。やっている生徒を褒め、「取り組み率」のトップ5を発表し賞賛している。効果はあるが、それだけでは決め手にならない。「すららドリル」管理画面でやらない層の原因を推察する。すららネットの担当者とも情報を共有しAI分析も使い、難易度、問題の読解力、内容理解力を考慮し解決に取り組んでいる。しかし生徒の気持ちや個性に丁寧に寄り添い時間をかけて不足を補うことが大切で、その手当てができるのは教師だけだ。
「すららドリル」を信頼し活用すれば課題や単元テスト、その学び直し課題の配信、採点、集計や分析も全て自動化がかなう。教諭ら教員の働き方改革にもつながると牧教諭。そして得た時間を、教諭ら教員でなければできない部分に充てて生徒のやる気を喚起し全員が自発的に学べるところまで高めていきたいと語る。
やる気になった瞬間を逃さない、全生徒の学びを保障するために
教室での学びに抵抗のある少人数クラスの生徒たちも「すららドリル」で学べるようになった。登校できない生徒にも利用を拡大し学習機会を保障したいと平原校長。
宿題として自宅で取り組む生徒も「すららドリル」のパーソナル感が気に入って信頼している様子だという。学習に対しやる気が出た時、教師が家にかけつけてフォローをすることは難しいが、「すららドリル」なら生徒個人に最適化されたコンテンツをいつでも届けてくれる。自分のためのものだと感じるのだ。生徒のやる気になった瞬間を逃さず、全ての生徒に学習機会を保障するために「すららドリル」を活用する。
上昇に転じる手応えもまだ途上、密なコミュニケーションでさらなる効果を目指す
こうして「すららドリル」活用は効果を上げ始めた。生徒の学習時間、学習ユニット数のデータからも見て取れる。活用状況が上昇傾向に転じる手応えを感じるが、まだまだ途上にあると牧教諭。
平原校長は、「旗振り役である牧先生たちの成功例が自然に他教科や他学年の先生たちへと伝播するような無理のない拡がりが理想だ。挑戦を始めたばかりで、何が正しいのかは今の時点ではわからない。ただ、100のうち1を使ってだめだからと止めるのではなく、見極めつつやってみて良いところは取り入れてほしい」という。「すららドリル」への期待や要望は、教師だけでなく生徒からも上がっている。これらの声を直接、すららネットへ届けるような密なコミュニケーションで更なる効果を目指していきたい、と展望を語った。
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