2022年4月4日
生徒の成長に合わせて自主的に学ぶ姿勢を育てる、「すらら 理科」の活用事例 /親和中学校
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兵庫県神戸市にある親和中学校は、1887年創立の伝統ある私立女子校。高い進路目標をかかげるSコース、生徒一人ひとりの希望に応じた学びを進める総合進学コースの2コースを擁する。2021年、2年生が「すらら」(すららネット提供)の活用を始めると、わずかな期間で「すららカップ」の中・小規模校首位を獲得、個人対抗戦でも理科MVPを受賞するなど目を見張る成果をあげる。生徒の主体的な学びのため様々な工夫を凝らす、理科・ICT担当の梅崎 瞭教諭に話をきいた。
高い生徒の需要、勉強したい時にすぐサポートできる「すらら」
コロナ禍でのオンライン授業のころ、親和中学校 理科担任の梅崎 瞭教諭は、生徒が効果的に自学できるツールを探していて「すらら」と出会った。試用期間中の生徒らの利用率の高さに驚いた。「すらら」に対する生徒らの需要は梅崎 教諭の想定を超えていたのだ。
2021年4月に正式な導入を決めた。理科を含めた5教科対応のICT教材で、レクチャー動画がわかりやすく、AIドリル機能があることが決め手、一択だったと力強く語る。学習習慣をつけたいと考えての導入だったが、その期待を大きく上回り、今では少し空き時間があると生徒は思うままに「すらら」で学習している状態だ。生徒が「勉強したい」と思った時にiPadですぐに学びをサポートしてくれるのが「すらら」の大きなメリットとだという。
生徒らのアンケートには「レクチャーがわかりやすい」「自分の学びたいところを自分で選んで学べるのがよい」と好意的な意見が多い。
教えるだけでは伸びない、生徒の成長に合わせ自主的に学ぶ姿勢を育てる
◆「けテぶれ学習法」の実践
梅崎 教諭は、自主的に効果的に学ぶ姿勢を重視する。授業時間だけ頑張って学習しても時間外の学習が非効率では限界がある。教諭が教えるだけでは学力は伸び悩むからだ。自身の学生時代を振り返ってみても苦手意識のある教科は問題を解くだけに終始するなど勉強法にも課題があるという。
中学1年時は、宿題を出して強制的に学習習慣をつけるよう取り組んできたのだが、2年生後半になり生徒らの成長に合った自主的な学びを取り入れ始めた。3学期の理科の授業では「けテぶれ学習法」を実践しているという。「けテぶれ学習法」とは「計画→テスト→分析→練習」の自己改善サイクルを回す、小学校教諭の葛原祥太氏が著書で提唱する学習法だ。
◆「けテぶれ学習法」とセットで「すらら」を活用
初めは、テストを用意して、テストを受けて、結果を分析し、間違えたところを「すらら」で練習というように学び方自体も指導した。徐々に「計画→テスト→分析→練習」の各プロセスをすべて生徒自身で考えさせる方法に移行している。
「すらら」を活用する生徒、紙の問題集と組み合わせる生徒などそれぞれが工夫する様子が見られる。2カ月に満たないが「勉強が楽しくなった」と意欲を見せる生徒も現れた。やらされるのではなく自分でやり方を自由に考え成果を上げることで学びの楽しさを知ったからだ。もっと早くスタートすればよかったと梅崎 教諭は笑顔を見せる。
一方で自由が苦しみにつながり、教えてほしいと訴える生徒もいるが、いつまでも待ちの姿勢では将来困る、と梅崎 教諭は教えすぎないこと、見守ることを貫く。
分析結果を書く時には色分けをする、といった生徒らのアイデアはクラウド環境で共有している。気に入った方法を取り入れるなど良い作用を生み始めた。不満をもらしていた生徒も自主的に学ぶ楽しさを知るにつれ、順調に進みはじめた。
特別な教科、理科における「すらら」の有効活用
理科という教科は、生物、地学、化学、物理分野で構成されるので特別な面がある、と梅崎 教諭。生物や地学は、単元ごとに扱う内容が変わりどこからでも学びなおせる。化学は数学のように積み上げ式なので最初の単元でわからなくなるとその後の理解が非常に困難になる。得意不得意分野も分かれるため「理科」全体の力を把握するのが難しい。化学は学んだことを忘却しないために復習が大事で、生物は単元を探究する姿勢が大事だ。いずれの学びにも対応できる「すらら」』への期待は大きい。
◆単元テストでの活用
具体的には単元テストで「すらら」を活用している。生徒は何回でも解き直しできるルールで、「すらら」の単元テストを受け、最高得点を成績評価の対象にする。やる気があれば100点も可能であり取り組みの履歴は学習意欲の評価にも活用できる。
◆知識習得時間を補う
中高一貫校のため、2年生までに中学3年間の理科の学習を終えるカリキュラムで知識習得の時間が限られる。「すらら」は、レクチャー動画がわかりやすく、生徒が必要な単元を選んで自学できるため、この知識習得時間を補う意味でも非常に有効だという。
◆中学3年間の理科の総仕上げ
2年生最後には3年間の理科の総仕上げとしての模試がある。冬休み中には中学3年間全範囲の理科課題を「すらら」で配信した。長時間の学習に取り組む生徒も見られた。ただ頑張るだけでなく模試の結果を踏まえて「計画→テスト→分析→練習」のプロセスで学びの質を向上させてゆくという。
理科での自学が進むと「簡単なことはレクチャー動画を見ればよい」と考える生徒が増え単純な質問が減った。どうしてもわからないことだけ聞きにくるので結果としてよい質問が増えた。
「すららカップ」での好成績、理科総仕上げの課題も奏功
12月~1月の期間で開催された「第18回 すららカップ」で親和中学校は中・小規模校部門で首位を獲得、個人対抗戦では理科MVPも受賞した。「すららカップ」は学習の努力量を競うイベントだ。梅崎 教諭も受賞した生徒らも驚きが大きくまだ実感がわかないと喜ぶ。
冬休みの理科総仕上げの課題の取り組みも一因だろう。しかし月間平均7時間という学習データから見てとれる日頃の自学習慣の定着も関係しているに違いない。
3年生からは大学受験も見据えて「すらら 高校理科」の活用も
3年生になると、高等学校の教科書で大学受験につながる生物、化学、物理基礎を学ぶ。
4月にリリースされる「すらら 高校理科」は、「けテぶれ学習法」とセットで自主的な学びのサポートツールとして期待しているという。同じパターンの学習方法を繰り返すと飽きや緩みにもつながるので、様々な工夫をしてゆきたいと語る。例えば、「すらら」のレクチャー動画を活用した反転学習なども1つの案だ。
「生徒には、将来知らないことに直面した時に、それらを自ら習得できる術を身につけてほしい。社会に出て、わからないからできないではなく、調べ解決し、切り開ける人間になってほしい。」自主的な学びを重視する背後にある想いを梅崎 教諭は語った。
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