2022年5月27日
Silent Voice、AIボイス筆談機「ポケトークmimi」無償貸出の検証結果を公表
NPO「Silent Voice」は26日、ソースネクストと共同で、AIボイス筆談機「ポケトークmimi」を聴覚障がいのある児童・生徒が所属する学級に無償貸出をした検証結果を公表した。
この取り組みは、話した音声をリアルタイムに文字に変換し画面に表示できる「ポケトークmimi」合計55台を、全国の聴覚障がいのある小/中/高校生が在籍する40学級(特別支援学校を含む)に、2021年10月〜2022年3月末までの期間無償貸出を行い、36学級の担当教諭から使用後のアンケートを回収し集計した。
申込時のアンケートでは、89.1%の学校が「コロナでマスクを付けたことで、聞こえない・聞こえにくい児童/生徒と関わる際に、困る場面が増えた」と答えていたが、「ポケトークmimi」貸出で、52.8%の学級が、「授業で得られる情報量が増加した」「授業の理解度が上がった」と回答。
また、44.4%の教諭が「児童/生徒に対して、コミュニケーションが取りやすくなった」と回答したほか、47.2%の教諭が「児童/生徒の授業の理解度を高められた」と回答。
さらに、41.7%の教諭が「情報保障に対しての理解度が深まった」と回答するなど、全体の61.1%%の学級で、教諭にポジティブな変化があった。
一方で、「ポケトークmimi」は常用漢字で翻訳され、小学校低学年には不向きで、高学年以上に推奨されることが分かった。
活用場面に応じた接続方法の工夫(Bluetoothマイクの接続など)が教諭側に求められることがうまく活用できなかったケースの課題として挙げられた。
また、「支援ツールを使っている姿を見られたくない」という児童も存在し、音声翻訳ツールだけでなく、個々の子どもの置かれている状況に合わせたアプローチが重要であることも再認識できたという。
今回の取り組みでは、兵庫県、大阪府では教育委員会経由で聴覚障がいのある児童/生徒が在籍する全学校に案内が配布され、全体申込の約80%がこの2府県で占めた。
担当教諭、保護者への個別ヒアリングを通して、保護者から支援ニーズを伝えるハードルが高いこと、そして教諭も支援に関する情報を得る機会が限られていることが課題として認識できたという。
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