2022年10月12日
酪農学園大学、ドローン・AIを活用した牧草の雑草防除実用化に向けた実証実験
酪農学園大学は7日、包括連携協定を締結しているサングリン太陽園とドローン・AIを活用した雑草防除の実証実験を14日から大学構内で行うと発表した。
今回の実証実験は、産学連携による全国でもまれな先進的取り組みを行ってきた同学の空撮技術(ドローン・AI)を活用し、30年以上の農薬散布実績があるサングリン太陽園が農薬散布を担当することで、自動航行による農薬散布実用化へ向けたもので、当日は実験の概要紹介と散布の見学会を行う。
実験の目的は、ドローン空撮画像により雑草をマッピングし、その情報に基づき大型ドローンによりピンポイントに散布を行い防除すること。この実験のポイントはドローン空撮画像をAI技術を用いて高精度にマッピングすることにあり、空撮はすでに実施済みで、小型のドローンで行っている。
対象とする約3 haの牧草地(チモシー草地)を約40 mの高度から約200枚の写真を撮影・接合し、その画像からAI技術で雑草(ギシギシ)を抽出している。AI技術を用いることで少数のサンプルを学習させた後は自動的に対象エリア全体のギシギシを短時間で自動的にマッピングが可能となる。その結果として152地点の農薬散布が必要な箇所を抽出した。
実証実験当日は、農薬を搭載できるタンクを備えた大型ドローンにより自動的に散布を行う。1日で最大200スポット程度の散布が可能。
今回の取り組みは、ドローン空撮技術、AI技術、ドローン空散の3つの技術を組み合わせた先進的なもので、これまで実用化していなかったドローンを活用した牧草地での農薬散布の実用化を促進するための仕組み。必要な農薬量も大幅に削減することが可能で、従来の方法では全面散布を実施する場合には2000スポット以上の農薬散布が必要だが、152点と8%程度と大幅な削減が見込まれるという。
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