2023年2月14日
食文化、なら近大農法(ICT農法)のイチゴとメロンをECサイトで販売開始
食文化は10日、同社の運営する豊洲市場ドットコムにて、近畿大学農学部農業生産科学科の学生たちが作った、なら近大農法(ICT農法)のイチゴのECサイトでの販売を2月に開始すると発表した。今後の展開としてメロンの取り扱いも予定している。
近畿大学の農学部・農業生産科学科・植物感染制御工学研究室の野々村照雄教授は、少子高齢化に伴なう農業生産者の減少や休耕地・耕作放棄地の増加などの社会問題を解決するために、なら近大農法(ICT農法)を利用した栽培管理方法の確立に着手している。ICTの導入で、農業初心者、女性、障がい者の人にも容易に農作業ができるようになり、農作業の負担軽減、雇用確保にもつながると考えている。
農学部農業生産科学科では2017年からICT農法を用いた栽培を開始。学生たちは毎年変わるため、マニュアルだけが毎年更新され受け継がれていくという。2017年に収穫されたメロンは400玉(1株に1玉)。農業未経験者でも栽培することができた。この時に収穫したメロンはスーパーや百貨店で販売した。
なら近大農法では、農作業の負担軽減のために、肥培・日照・温度の管理が最も重要と考えている。土壌センサーと日照センサーを連動させた装置によって、作物(イチゴやメロン)に水分と液肥が自動的に供給され、これらの情報は蓄積され、スマホなどで遠隔地でもデータを確認することができる。また、ハウス側窓の自動巻上げ機が温度センサーと連動しており、ハウス内の温度をほぼ一定に保つために自動的に開閉が行われる。
こうした完全自動化肥培管理システムの導入は、農作業の時間を大幅に削減。栽培面積にもよるが、専業農家であれば1人で行うことが可能だということ。さらに、効果的に水や液肥を与えることで生産性も上がり、収穫量と品質の安定化へとつながることが期待される。
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