2023年2月20日
富山高専、「合金型ナノ粒子担持触媒を短時間かつワンプロセスで合成する手法」開発に成功
富山高等専門学校は16日、同校 物質化学工学科の迫野奈緒美 講師と富山大学学術研究部工学系 生体物質化学研究室の迫野昌文 准教授が、富山高専 物質化学工学科 津森展子 教授と九州大学 理学研究院化学部門 村山美乃 准教授と共同で、2種類の金属元素で構成される合金型金属ナノ粒子を担持した基板の作製に成功し、一酸化炭素酸化反応(CO酸化反応)の触媒として機能することを明らかにした。
金と銀の元素で構成される合金型ナノ粒子を、金属の加熱だけで簡便に作製する方法を開発した。ナノ粒子の金と銀の元素構成比を任意に調節して、合金型ナノ粒子を作製することができる。
この手法は、粒子合成からナノ触媒担持基板の作製を、およそ2時間程度と非常に短時間かつワンプロセスで完了することができる。これまでに、複数種類の元素から成る金属ナノ粒子の作製法やナノ粒子の担体固定法は、多く報告されているが、粒子作製から担体固定までをワンプロセスで実現する方法はなかった。また、ナノ粒子の金属の配合を、任意の割合で変化することもできるため、様々な性質の合金型金属ナノ粒子を作ることが可能となる。
今回の成果は、ナノ粒子物性の基礎研究にとどまらず、新規ナノ触媒の調製やナノ粒子をプローブとする生体分析など広範囲への応用が期待される。同研究成果は、アメリカ化学会の学術誌「ACS Applied Nano Materials」に2月9日にオンライン掲載された。また、同学術誌のSupplementary Coverにも選出された。
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