2025年8月26日
発達特性のある小中学生の不登校率、全国平均の9.5倍=PAPAMO調べ=
PAPAMOは25日、全国の発達障がいやグレーゾーンの小中学生の保護者1500人を対象に実施した、「小中学生の発達特性と登校困難の関連性調査」の結果をまとめ発表した。

それによると、子どもの学校への行き渋り・欠席の経験を聞いたところ、61.5%の保護者が「経験がある」と回答した。発達特性別にみると、「医師による正式な発達診断あり」では57.6%、診断待ちや経過観察中のいわゆる「グレーゾーン」では65.0%が、それぞれ「経験がある」と回答。グレーゾーンは、「診断あり」に比べ7.4ポイント高く、適切な支援や配慮を受けにくい状況にあることが影響している可能性を示唆している。

行き渋りや欠席が特に見られた時期・状況を聞くと、「週明け」(月曜日など)が40.4%と最も多く、以下、「学年・学期の始め/長期休暇明け」38.4%、「季節の変わり目や天候が不安定な時期」32.8%、「生活リズムの乱れや睡眠不足があった時期」31.0%、「運動会、文化祭、修学旅行などの大きな行事の前後」19.7%と続いた。

学校への行き渋り・欠席が始まった時期を聞いたところ、小学生の22.5%、中学生の37.0%が「1年以上前から」と回答。行き渋り・欠席が長期に渡り続いている様子が浮き彫りになった形で、小学校低学年からの予防的支援の重要性が伺える。

また、前年度の学校の欠席日数(医欠・忌引を除く)を見ると、発達特性のある小中学生を合わせた子どもの35.47%が「不登校」(医欠・忌引を除く前年度の学校の欠席日数30日以上)だった。

この結果は、文部科学省が実施した「2023年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」における小中学生の全国平均の不登校率(3.72%)の9.5倍で、特に30~49日の欠席者が20.40%と、文科省調査の0.83%に比べて約25倍も高かった。
さらに、小中学校別に不登校の割合をみると、発達特性のある子どもの不登校率は文科省調査の不登校率と比較して小学生で約17.7倍、中学生で約4.3倍と高い水準にあることが分った。

学校への行き渋り・欠席の「主な要因・背景」を聞くと、文科省調査では「学校生活に対してやる気が出ない」32.2%が最多なのに対し、今回の調査では「対人関係の問題」が上位を占めており、発達に特性のある子どもが対人関係に悩む様子が浮き彫りになった。

また、学校への行き渋り・欠席について、「どのような専門相談や指導を受けたか」を聞いたところ、19.5%が学校外の支援を受けておらず、支援へのアクセスに課題があることが分った。

学校への行き渋り・欠席への対応で、「最も助かった・助けられている専門相談・指導」について聞いたところ、「教育支援センター」(教育委員会が設置する適応指導教室など)が20.5%で最多で、以下、「教育支援センターを除く教育委員会および教育センターなど教育委員会所管の期間」20.3%、「児童相談所・福祉事業所」17.4%と続いた。

また、行政・学校への要望を聞いたところ、最も多かったのは「専門家の増員・配置」38.7%で、以下、「多様な学びの場・登校形態の保障」38.1%、「児童生徒・保護者向け相談体制の拡充」32.1%、「保護者への情報提供・相談・支援体制の強化」29.7%、「個々の状況に応じた合理的配慮の提供」28.7%と続いた。
発達特性別に見ると、診断ありの場合は「個々の状況に応じた合理的配慮の提供」と「教職員向け研修・啓発の強化」を、グレーゾーンの場合は「問題行動・不登校等の早期発見・早期対応」を重視する傾向が読み取れた。要望に差異が見られることから、発達特性に寄り添った支援策の差別化が必要であることが浮き彫りになった。
この調査は、発達障がいの診断がある、またはグレーゾーンと認識している小中学生を持つ全国の保護者を対象に、7月23~27日にかけてインターネットで実施した。有効回答数は1500人。
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