2025年9月10日
偏差値65以上の「難関高校」合格者、40%が「小学生のうちに塾や家庭教師の利用を開始」=じゅけラボ予備校調べ=
エンライクが運営する「じゅけラボ予備校」は9日、子どもが塾または家庭教師を利用して、偏差値58以上の上位高校に合格したと回答した保護者157人を対象に実施した、「学習サポートの開始時期に関するアンケート調査」の結果をまとめ発表した。
同調査では、便宜上、偏差値58~64の高校を「上位高校」、偏差値65以上の高校を「難関高校」と定義。

それによると、「塾や家庭教師の利用をいつから開始したか?」を聞いたところ、難関校合格者のうち40.0%(「小3以前」18.2%+「小4~6」21.8%)が、小学生の段階で塾や家庭教師の利用を始めていたことが分った。これは、難関校を目指す家庭にとって、小学生からの準備が「特別な選択」ではなく、むしろ「見えざる常識」と化していることを示唆している。
また、この早期スタートは、単なる教科の先取り学習に留まらず、思考力や学習習慣といった、学力の根幹を成す能力をじっくりと育むための戦略的な「先行投資」と分析でき、中学入学時点で既に大きなアドバンテージを築き、その後の熾烈な競争を優位に進めるための、極めて「合理的な選択」と言える。
次に多かったのが、「中1」16.4%と「中2」14.5%を合わせた30.9%の層。彼らは、中学校生活の早い段階で学習サポートを開始することで、2つの大きなメリットを狙っていると考えられる。
その1つは、定期テスト対策を早期から固め、難関校受験で無視できない「内申点」を安定して確保すること。もう1つは、高校受験までの十分な「助走期間」を設け、応用力の土台となる基礎を着実に固めること。小学生スタート組ほどの先行逃げ切り型ではないものの、受験学年である中3での負担を大きく軽減する、かなり計画的で賢明な立ち回りと言える。
「中3」になってから利用を開始する層は合計で21.8%(「4~7月」12.7%+「8月以降」9.1%)で、部活動や学校行事が一段落するタイミングを見計らい、受験という明確なゴールに向かって一気に集中力を高める、まさに「王道」とも言えるパターン。
この層は、それまで培ってきた基礎学力や自主性をベースに、受験のプロである塾や家庭教師の力を借りて、志望校対策を効率的に進めていく戦略をとる。ただし、既に先行しているライバルに追いつくためには、極めて密度の濃い学習と強い意志が求められることは言うまでもない。
一方、偏差値58~64の「上位高校」に合格した家庭では、難関校とは異なる、より計画的でバランスを重視した学習開始パターンが見られた。中学生活との両立を意識した、現実的な戦略が主流になっているようだ。
まず、小学生のうちに利用を開始した家庭は30.3%(「小3以前」7.8%+「小4~6」22.5%)だった。難関校ほど割合は高くないものの、約3割が早期準備を始めている事実は見逃せない。
この層にとっての早期スタートは、中学からの学習でつまずかないための「基礎固め」や「学習習慣の定着」が主な目的と推察され、中学入学後の勉強をスムーズに軌道に乗せ、余裕を持って学校生活を送るための「隠れたアドバンテージ」として、小学生からの準備を選択しているようだ。
この層で最も大きなボリュームを占めるのが、「中1」26.5%と「中2」15.7%を合わせた42.2%。特に「中1」でのスタートは全期間で最多で、これが上位高校合格の最も代表的なパターンと言える。
中学校という新しい環境の始まりと同時に塾や家庭教師の利用を開始することで、学習リズムを早期に確立。部活動や学校行事にもしっかり取り組みながら、定期テストで着実に内申点を確保していく、まさに「文武両道」を目指す計画的でバランスの取れた戦略がうかがえる。
また、「中3」になってからスタートする層も26.5%(「4~7月」11.8%+「8月以降」14.7%)と、4人に1人以上の割合を占めており、このパターンは、部活動引退などを機に、目標を「高校受験」に明確に切り替え、短期間で驚異的な集中力を発揮して合格を掴み取る姿を反映している。
特に、「夏以降」の開始が14.7%と高い割合を占めることは、この偏差値帯においては、本人のやる気と効率的な学習サポートが噛み合えば、半年弱のラストスパートでも十分に合格圏に到達可能であることを示している。遅めのスタートでも逆転のチャンスがあることを示す、「希望のデータ」と言える。
この調査は、子どもが塾または家庭教師(オンライン含む)を利用して2025年度高校入試で偏差値58以上の上位高校に合格したと回答した、全国の40~59歳の保護者を対象に、7月18日~9月3日にかけてインターネットで実施した。有効回答数は157人(偏差値偏58~64:102人、偏差値65以上:55人)。
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