2025年10月21日
私立高校無償化、保護者の8割が「志望校の選択肢が広がった」と回答=明光ネットワークジャパン調べ=
明光ネットワークジャパンは20日、私立高校の受験を予定している中学1年~3年生の子どもを持つ全国の保護者1000人を対象に実施した、「私立高校無償化に関する意識調査」の結果をまとめ発表した。

それによると、私立高校の授業料が実質無償化になることで、志望校の選択肢は広がったかと質問したところ、80.0%が「広がった」(「大きく広がった」33.0%、「ある程度広がった」47.0%)と回答した。経済的な負担が軽減されたことで、これまで候補に入れにくかった学校も視野に入るようになり、志望校選びに前向きな変化が見られた。

私立高校無償化制度について賛否を聞いたところ、74.4%が「賛成」(「賛成」42.0%、「どちらかといえば賛成」32.4%)と回答。一方で、「どちらともいえない」は14.1%、「反対」は9.6%(「反対」3.9%、「どちらかといえば反対」5.7%)にとどまった。多くの保護者が、経済的な負担軽減や進学機会の拡大につながる制度として評価していることが分かった。

また、子どもが私立高校を志望する理由を尋ねたところ、最も多かったのは「学習環境・設備が整っている」37.6%で、以下、「大学進学実績」30.2%、「無償化など経済面で通いやすい」26.9%と続いた。自由回答では「公立高校の滑り止めとして受験する」といった声も複数寄せられた。学びの質や進学実績といった教育内容への期待に加え、経済的な負担軽減によって、私立高校をより身近に感じる保護者が増えていることが伺える。

私立高校無償化制度の導入が、子どもの志望校選びに影響したかを聞いたところ、66.9%が「影響した」(「大きく影響した」18.7%、「ある程度影響した」48.2%)と回答。経済的負担の軽減で、より多くの学校を比較・検討する機会が増えたことが伺える。

一方、授業料が実質無償化された場合でも、授業料以外の費用(入学金・教材費・制服代・交通費など)に負担を感じるか尋ねたところ、89.9%が「負担を感じる」(「とても負担を感じる」37.1%、「ある程度負担を感じる」52.8%)と回答。授業料の軽減効果は大きいものの、家計負担の一部は依然として重くのしかかっていることが明らかになった。

そこで、私立高校の費用の中で、不安を感じる項目を聞いたところ、最も多かったのは「入学金」63.3%で、以下、「修学旅行費」51.4%、「施設整備費」51.2%が上位に挙げられた。授業料の実質無償化が進む一方で、入学金やその他の学校関連費用が依然として家計に大きな負担となっていることが明らかになった。

また、私立高校の授業料が実質無償化され、進学者が増えることで入試難易度や競争率への影響について聞いたところ、73.3%が「感じる」(「とても感じる」19.5%、「やや感じる」53.8%)と回答した。志望校の選択肢が広がる一方で、受験競争の激化を懸念する声が多く、制度の効果と課題が同時に現れていることが伺える。

最後に、私立高校無償化制度に不満に感じる点を聞いたところ、最も多かったのは「授業料以外の費用は対象外」50.2%で、以下、「学校や地域で負担額に差がある」32.3%、「所得制限がある」32.3%が続き、制度のメリットを享受できる範囲や条件に不満を持つ保護者が多いことが明らかになった。
授業料の軽減効果が大きい一方で、家計負担の格差や制度の適用条件に不満を持つ保護者が多いのが分かる。なお、2026年度からは所得による制限が撤廃される予定で、多くの家庭が制度の恩恵を受けられる見込み。
この調査は、私立高校の受験を予定している中学1年~3年生の子どもを持つ全国の保護者を対象に、10月3~6日にかけてインターネットで実施した。有効回答数は1000人。
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