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2021年3月30日

児童・生徒の学びを守るため、セキュアな「Yubi Plusリモートアクセス」で環境変化に備える /狭山市教育委員会

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2018年、埼玉県狭山市教育委員会では全教職員の校務パソコンの切替えを機に、二要素認証プロダクト「Yubi Plus(ユビプラス)」を市内小中学校、教育センター、市役所内教育委員会など25施設830名に導入した。二要素認証とは、通常の「ログインパスワード」という1要素だけでなく、そのユーザーだけが所持しているデバイスといった2つ目の要素を組み合わせたセキュアな認証の仕組みだ。

2019年からは、「Yubi Plusリモートアクセス」の実証実験を実施中。学校の働き方改革の検討、コロナ禍の休校など、様々な可能性を見据え試用する、狭山市立教育センター 稲葉正所長、尾﨑孝之指導主事に話を聞いた。

狭山市立教育センター 稲葉正所長(左)、尾﨑孝之指導主事(右)

数分のセットアップだけでスタート、あとは事務室や学校のパソコンと全く同じようにログイン

学校を取り巻く社会環境の変化によって複雑で多様化する課題への対応、現代社会にあった新たな学びとしてアクティブラーニングやICT機器の活用を求められる教諭。勤務時間の長時間化は大きな課題だ。2019年、狭山市教育委員会が「Yubi Plusリモートアクセス」の実証実験を始めたきっかけも、国が主導する「学校の働き方改革」の検討、調査にあった。

稲葉所長、尾﨑指導主事ら狭山市立教育センターの3名が先頭に立って試用を始めた。

自宅の個人所有パソコンに、アプリを1つインストールしただけ、ものの数分で準備は完了した、と尾﨑指導主事は振り返る。あとはいつも事務所でログインする際に使用している「USBセキュリティ鍵」をUSBポートにさしてセンサー部にタッチするだけで、事務所のパソコンの画面が表示された。いつもと同じように校務システムにアクセスできるようになったのだ。

初回のみの数分のセットアップ、あとはいつもと同じログイン操作なので専門的な知識も必要がなくこれまでの試用でトラブル報告やサポートへの問い合わせはほぼゼロだという。

リモートアクセスの操作イメージ

試用で感じたメリット:より良い1週間をスタートするために、週末時間の有効活用

コロナ禍においても職員の服務規定としてテレワークへの切り替えはなかったため、「Yubi Plusリモートアクセス」の試用は主に週末に行われてきた。確認を要す1通のメール、教材研究や自己啓発に必要な資料閲覧のため、これまでなら週末も往復の時間をかけて事務所に出向かなければならなかった。

狭山市立教育センター 尾﨑孝之指導主事

「Yubi Plusリモートアクセス」を利用すれば、これらは自宅から簡単にアクセスが可能だ。移動の時間は、家族と過ごす時間にあてることができてとても喜ばれていると、小さな子どものいる尾﨑指導主事は笑顔を見せる。

勤務時間外に急を要さないメールを閲覧するのは決して行なってはならないと断った上で、ただ特定の1通のメールがもたらす情報で翌週に向けて準備を整えられるという状況もあるものだと、その有効性を認める。常に児童・生徒を中心に考える教諭らにとって翌週の授業をより良いものにするための教材研究や自己啓発も必要だ。週末の時間を有効活用しながら良い1週間のスタートを準備できる点が「Yubi Plusリモートアクセス」試用で感じた最大のメリット。「学校の働き方改革」という意味でも可能性を感じたという。

最大の懸念は情報漏洩だった、利便性とセキュリティの高さを実感

狭山市立教育センター 稲葉正所長

稲葉所長は、これまでテレワークが進まなかった理由のひとつに、校務システムが機微な個人情報を扱うため情報漏洩に対する懸念が大きいことをあげた。

今回のトライアルで、「Yubi Plusリモートアクセス」では、校内で禁じられているUSBメモリの使用制限や個人パソコンへの情報コピー、出力など一切できないことも実際に確認できた。

リモートアクセスのアプリケーション起動時に表示される画面

校内や事務所内と同様に「USBセキュリティ鍵」をパソコンから取り出せばアクセスは遮断され、個人パソコンでは校務システムが使えない。「USBセキュリティ鍵」はわずか3グラムなのでストラップをつけて首にかけ大切に扱っているという。ただ万が一、紛失した場合もデジタル証明書のインストールされていないパソコンは「USBセキュリティ鍵」を挿入してもサーバーにアクセスできないので安全だ。

学校や事務所と同じ簡単なログイン操作で使用者の負担は少なく、その上で高いセキュリティを兼ね備えるというのが開発元の日本情報システムのポリシーだ。

「学校の働き方改革」は、児童・生徒を中心に考える

自宅/外出先から校務PCへの
リモートアクセスの概要

稲葉所長は、ICTデバイスの導入だけでは「学校の働き方改革」には繋がらないと考える。まずは、勤務時間内に終えられるように多すぎる仕事を整理しなければならない。そうした上であれば、自己啓発や業務効率化のためのICT機器の活用が有効だろう。子育てや介護中など時間に制約のある教諭からは、児童・生徒と向き合う時間以外の校務のテレワーク化への要望もある。服務規定の整備があって進むテレワークだが、今回の「Yubi Plusリモートアクセス」の実証実験では、有効性、可能性を実感できた。

稲葉所長、尾﨑指導主事は「学校の働き方改革も中心は常に児童・生徒。児童・生徒の学びのために行っていく」と口を揃える。

コロナ禍で「備え」の重要性を痛感、学びを止めないため全教職員のテレワーク環境整備へ

トライアルの期間中にコロナ禍があった。今回は規定上テレワークにはならなかった。しかし今後の予測は不可能であり「備え」の重要性を痛感したという。教育センターの3名でスタートしたトライアルは徐々に管理職へと拡大し、来年度は「Yubi Plus」を活用する市内小中学校、教育センター、市役所内教育委員会など25施設全教職員に本格導入の予定だ。
狭山市教育委員会では、さまざまな事態に備え、児童・生徒らの学びを止めないためにセキュアなテレワーク環境整備を進めている。

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