2021年9月8日
キャリア自律が高いと「学習意欲は1.28倍、仕事の充実感は1.26倍に」=パーソル総合研究所調べ=
パーソル総合研究所は7日、全国の20~59歳の正規雇用の男女就業者(一般正社員層1万人、新卒層1000人)を対象に実施した、「従業員のキャリア自律に関する定量調査」の結果をまとめ発表した。
「キャリア自律」とは、自分自身のキャリア形成を組織に委ねずに、働く人自らが形成していくことで、今回の調査ではキャリア自律と離職との関係、就活や学生時代の活動との関係などの関連要素の実態を調べた。
それによると、キャリア自律度が高い層は低い層に比べて、「個人パフォーマンス(自己評価)」で1.20倍、仕事への貢献意欲である「ワーク・エンゲイジメント」で1.27倍、「学習意欲」で1.28倍高く、キャリア自律の向上は組織にメリットをもたらしていることが分かった。
キャリア自律度が高い方が仕事の充実感や人生満足度も高く、働く本人にとってもメリットがあることがうかがえる。
人事管理の方法に着目すると、「組織目標と個人目標の関連性」「処遇の透明性」「社内の職務ポジションの透明性」「キャリア意思の表明機会」による従業員のキャリア自律へのプラスの影響がみられた。
上司のマネジメントに着目すると、部下への「期待感の伝達」、「ビジョン共有」、「従業員に対する理解とフィードバック」といった行動による、部下のキャリア自律へのプラスの影響がみられた。
過去の業務経験に着目すると、「新規プロジェクトの起案」「部門横断的なプロジェクトへの参加」「新規事業・新規プロジェクトの立ち上げ」などによるキャリア自律へのプラスの影響がみられた。一方、「不採算事業撤退」は抑制効果がみられた。
異動・転職・社外活動に着目すると、「社内公募での異動」「転職」「地域のコミュニティ活動」「副業・兼業」によるキャリア自律へのプラスの影響がみられた。
年齢別にみると、キャリア自律度は20代をピークとし、40代にかけて低下し、その後横バイとなっている。
職種別にみると、キャリア自律度はサービス職や商品開発・研究職、間接部門職、営業・販売職、専門・技術職で高い傾向になった。
従業員規模別にみると、キャリア自律度は従業員規模が大きいほど高い傾向がある。
この調査は、全国の20~59歳の正規雇用の男女就業者(一般正社員層1万人、新卒層1000人)を対象に、4月26日~5月6日にかけて、調査会社モニターを用いたインターネット定量調査という形で実施。新卒層は、新卒で正社員採用された企業で現在も正社員として働いている20代で、就業期間5年以内の一般従業員(非役職者)。
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