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2020年5月29日

2022年「情報Ⅰ」必履修化に向け Adobe XDを使ったプロジェクト学習「防災アプリを作ろう」指導案を高校に無償提供

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学習指導要領の改訂により、2022年度から高等学校で学ぶ情報科目が変わり、「情報Ⅰ」が必履修化される。「情報Ⅰ」では、情報社会の問題解決、コミュニケーションと情報デザイン、コンピューターとプログラミング、情報通信ネットワークとデータの活用を全ての生徒が学ぶことになる。予測不能で複雑な、決まった答えの無い社会を生きるためにより実践的な学びが求められていることが背景にある。

Adobe Community Evangelist
境祐司 氏

「情報Ⅰ」必履修化を見据え、日本中の高等学校で容易に実践的な学びを始められるよう「プロトタイピング」の手法を用いたAdobe XDを使ったプロジェクト学習「防災アプリを作ろう」をアドビが開発。5月29日、指導案を全国の高等学校の教員向けに無償で提供を開始した。

指導案を執筆したのは、企業・学校向けの研修を数多く手掛けるAdobe Community Evangelistの境祐司氏だ。境氏は、社会の課題を自分ごととしてとらえ、他者の意見を尊重して、その時点のベストを選び、迅速に実現し公開、周囲の声を聞き取り修正と公開を繰り返して段階的に成果を上げる「プロトタイピング」の重要性を指摘する。

プロジェクト学習に最適なツールAdobe XD

近年、身近な社会問題の解決をテーマとする「プロジェクト学習」が重視される傾向にある。この流れは企業における研修だけでなく「情報Ⅰ」の必履修化からも伺えるように学校にも普及しつつある。「プロジェクト学習」は、ツールの使い方を覚えて知識を得るだけでなく、主体的に対話し課題の解決に取り組む学習である。ツールは「手段」であるため、習得に時間がかかってはならない。「防災アプリを作ろう」では、課題解決策としてのモバイルアプリやWebサイトのプロトタイピングにAdobe XDを用いるのだが、その操作習得の容易さが「プロジェクト学習」に非常に有効だ。これまで多くの高校生が参加したプロジェクト型の授業においてAdobe XDの操作でつまずくことは、ほとんどなかったという。だからこそ本質である課題解決への取り組みに集中でき成果をあげることができるのだ。

Adobe Creative Cloudのツールであることからデザイナー向けと受け取られがちだが、機能を絞ることで、誰でもすぐに使い始められるよう工夫されている。もちろん意欲的に使いこなせば高度なことも実現できるようになっていて、間口は広く奥行きは深い設計といえる。

また、Adobe XDにはチームでプロトタイプを作り上げるリアルタイム共同編集機能やWebブラウザでレビューしコメントする機能があり、プロジェクト学習で大切なコラボレーションという観点からも非常に有用だ。短時間で多くのアイデアを出し、わかりやすく表現して作ったものを公開し評価、改善するという小さなサイクルを回すプロセスが大切で、それを容易に実現できるツールがAdobe XDだ。

Adobe XDを活用したプロジェクト学習「防災アプリを作ろう」

日本では台風や地震など自然災害が身近であることから、誰もが自分ごととして捉えられる「防災」というテーマを選択したと境氏はその狙いを語る。指導案は、高等学校教員や生徒らに向けて実施された多くのワークショップでの実績をもとに、教員らの要望に応える形で開発された。各回50分6回のモデルプランで構成されており、数名のグループで防災アプリのプロトタイプを完成しプレゼンテーションまでを行う。各校の環境や時間に合わせて柔軟に組み替えも可能である。プロジェクト学習やプロトタイピングを用いた学びに馴染みのない場合でも、すぐに始められるという点を重視した丁寧なプランになっている。

指導案の構成

第1回 オリエンテーションと
プロジェクト学習の準備
・プロジェクト学習の目的とゴールを知る
・Adobe XDの基本操作を学習
第2回 情報を集めてグループで共有しよう ・グループを決めて共有ライブラリを作る
・防災アプリを実際に操作しながら感想をまとめる
・必要な素材を集める
・集めた素材をグループで共有する
第3回 アイデアをカタチにしていこう ・防災アプリのアイデアをイメージで表現しよう
・アイデアをグループで評価しよう
・どのような防災アプリにするのか決定しよう
・プロトタイプ作成のための役割分担を決めよう
第4回 プロトタイプを作成しよう ・自分が担当する作業を進めよう
・プロトタイプを完成させよう
第5回 プロトタイプを改善しよう ・プロトタイプをメンバー全員で評価しよう
・意見をまとめて、どこを改善するか決めよう
・プロトタイプを改善しよう
第6回 グループ・プレゼンテーション ・防災アプリのアイデアを発表する準備をしよう
・プレゼンテーション・講評

Adobe XDを使ったプロジェクト学習
「防災アプリを作ろう」指導案の表紙

Adobe XDの操作、プロジェクトの考え方や進め方といった取り組み方とその学習ポイントに加えて、これまでの実績に基づいた「よくある操作トラブル」や「教員の対応」といった授業を円滑に進めるために必要な内容も充実している。

「第1回オリエンテーションとプロジェクト学習の準備」の抜粋

指導案には、各回の時間配分や全体を通しての到達目標、細かな単元ごとの目標や流れが図やキャプチャを交えて非常に丁寧にわかりやすく解説されている。

「第4回プロトタイプを作成しよう」指導案の抜粋

学習の振り返りとプロセスを重視した評価

学習後には、各グループのプロジェクトをアーカイブ化してWebサイトやブログにまとめて振り返りを行うことも大切だ。生徒はプロジェクトの進行中、自分のグループの成果に集中しがちだが、後から他者の取り組みを知り意見を交換するコラボレーションもプロジェクト学習では必要である。

また評価する際のポイントは成果だけでなく、対話や試行錯誤といったプロセスこそ重視しなければならない。紙のプロトタイプでは履歴が見えずに結果のみの評価となりがちであるが、Adobe XDの履歴管理機能を活用することでプロセスを含めプロジェクト学習を総合的に評価することが容易になる。

課題は「みんなで解決しよう」、コラボレーション力の重要性

授業は、グループに分かれてテーマに取り組むが、生徒の主体性を重視するあまり放任しすぎると満足度が高い一方で成果が出にくいことあり、逆に教員の指導が強すぎると想定以外の成果が見られず主体的な学びを実現できなくなるという。グループの特性や経験などを踏まえて必要な見本を提示したり、生徒に裁量をもたせたアドバイスをしたりなど教員にはバランスのよいファシリテーターとしてのスキルが求められる。Adobe XDを活用することは教員のファシリテーションを助けることになる。だが予定時間内に結論までを導き、舵取りをするには何より経験が必要だ。想定外のことが出てきた時には、「みんなで解決しよう」と生徒も教員もともに取り組む姿勢が大切で、その経験が生きた学びだと境氏は語る。

またAdobe XDといったツールや取り巻く環境の進化スピードは目覚ましいものがあり、常に最新の情報に追随することにも困難がある。このようなスピード感でものごとが進む時、教員も生徒もかつてのように全てを独学で解決するというのは現実的ではないだろう。

書籍やインターネット検索で得られる知識だけでは不足することもあるので、境氏は、「Adobe Education Exchange教育機関向けオンラインコミュニティ」をはじめとするコミュニティに参加することを強く推奨している。最初は躊躇することもあるかもしれないが、疑問、知恵、経験を共有して「みんなで解決しよう」と協働する意識は今後一層欠かせない。
予測不能で変化のスピードの速い社会に生きるために教員、生徒ともに「コラボレーション力」が重要だと語った。

◆「防災アプリを作ろう」指導案ダウンロード
指導案PDFファイルのダウンロードは以下のフォームから(無料)。
ダウンロード入力フォーム
※必要情報の入力が必要

◆教員向けオンライン研修
上記の指導案を使った無償の教員向けオンライン研修も同時受付中(今夏以降実施予定)。指導案ダウンロード時、同じフォーム内に申し込み情報を入力。
 対象 全国の高等学校の教員・教育委員会など
 費用 無料(上記フォームより入力・送信)
 必要な環境 インターネットへ接続可能なPC
※研修時点ではAdobe Creative Cloudのライセンスは不要。
※研修の開催時期・規模(参加人数)など開催条件あり。

関連URL

Adobe Creative Cloud 小中高校向けライセンス

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