2017年7月19日
CA Tech Kids 黒川さんの「徳之島プログラミングレポート」メンター育成篇
□ 60分のプログラミング体験授業(6月19日・20日・22日)
2日間にわたる技術研修、指導・コミュニケーション研修を終えたのち、実践研修として、徳之島町内の小学校3校で実際にプログラミング授業を行いました。研修中のメンターが実際に講師を務める形で、これまでの研修で学んだことをもとに、特に授業時間と生徒のつまずきを意識して展開すること、生徒の前に立って分かりやすい言葉でハキハキと伝えること等を心がけながら、60分間の授業を行いました。
実践研修初回の山(さん)小学校では、メンター研修の講師を務めた私が手本となる授業を実施しました。研修中のメンターは手本をもとにメモを取る傍ら、分からないところなどで手が上がる生徒をサポートしていました。山小学校は全校児童14名ほどで非常に小さい学校の中、2年生~6年生の13名が参加しました。特に印象に残っていることは、低学年がプログラムでつまずいているとすかさず高学年が教えていたことで、一緒に過ごす時間が長い分、お互いを思いやる気持ちや助け合いの心が育まれていると感じました。
実践研修2日目の会場となった花徳(けどく)小学校では、徳之島町地域興し協力隊職員であり、本事業の徳之島町担当者の丸山氏が講師として教壇に立ちました。想定していた開始時間が30分ほど伸びたので、その間入念に授業の流れを確認していました。緊張が伺える一方で授業を楽しみにしている様子でした。授業を終えた丸山氏は、「60分の授業は時間が経つのがあっという間だった。自分が説明したことを子どもたちが実践してみて、プログラムが動くたびに沸く歓声に授業のやりがいを感じた。一方で事前にもっと授業のシミュレーションをしておくべきだったと反省点も残った」との感想が述べられました。参加した子どもたちの反応はとても良く、8月のプログラミング講座本番の案内をしたところ、行きたい!と生徒全員が手を挙げており、それを見た丸山氏は少しほっとした様子でした。
□ 事前シミュレーションと振り返り
実践研修においては、授業前に、メインで授業を行うメンター(メンターリーダー)と、受講する生徒をサポートするメンター(サブメンター)でそれぞれ授業の流れ、気を付けること、伝え方などを踏まえたシミュレーションを実施しました。また授業終了後には、事前のシミュレーション通りに授業を実施できたか、新たに気が付いたポイントは何かなどを振り返り、互いにシェアすることで、次回授業に向けた改善を行いました。
授業を控えたメンターは、研修時の学びが詰まったワークブックを取り出して入念に確認をしていました。
徳之島町役場学校教育課の教育課長で自らメンター育成研修に参加した向井氏は、山小学校で行われた実践研修の振り返りの際に「授業のめあてが明確で、子どもたちの興味をぐっと惹きつけ、一貫して60分集中しながら授業を受けていたように思う。また、1日目と2日目の研修で学んだことを早速実践で試し、その効果を実感できたことが良かった」と意見を述べられました。
振り返りでは、実施させていただいた学校の先生も交じって授業の感想を述べるなど議論が活発に行われていたので、予定していた時間をさらに延長して次回への学びに繋げていました。
CA Tech Kids、徳之島町、遠野みらい創りカレッジの三者では、今回の徳之島町でのメンター育成研修や、8月の子ども向け講座、また今後開始する遠野市での実践も含め、本取り組みの全過程(メンターの募集~育成~授業実施まで)を活動記録としてインターネット上で随時公開していきます。2020年プログラミング教育必修化を見据え、プログラミング教育に関する社会的関心を広く喚起するほか、関係者や他の自治体などに素早く情報提供を行い、本実証を基にした取り組みを各地に広げることを目指します。三者それぞれが活動の過程をタイムリーに発信し地元の様子が詳しく伝わるような工夫や、今後のプログラミング教育の普及発展に役立つ知見となる記事を公開していきます。
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