2017年3月23日
グループ学習を意識する教員が増加、英語指導に「自信ない」は81%
ベネッセホールディングスは22日、同社シンクタンクのベネッセ教育総合研究所が全国の公立の小・中学校、公立・私立の高等学校の校長と教員を対象に、2016年8月から9月にかけて実施した「第6回学習指導基本調査」の結果をまとめ発表した。
この調査は、小学校は1998年、中学校は1997年、高校は2010年から実施しており、経年比較と学校段階間の比較が可能なことが特徴。小・中学校は約20年間、高校は6年間の教育現場の変化をとらえることができる。
今回の主な調査結果では、小・中学校教員が今もっとも意識している授業方法は「児童・生徒どうしの話し合い」や「グループ活動」といった協働的な学習方法であることが分かった。
「グループ活動を取り入れた授業」は小・中・高校とも意識している教員の割合が10年比で増えており、特に高校(公立)で変化が大きく、「多くするように特に心がけている」と「まあ心がけている」の合計値では31.3pt増加している。
一方、意識が減少しているのは、小・中学校では「計算や漢字などの反復的な練習」、高校では「教師主導の講義形式の授業」。また、「グループ活動」以外の能動的な学習にはあまり変化はみられない。
授業の中の時間の使い方についても、「対話的で深い学び」につながるような「質疑応答の時間」や「児童・生徒が学習を振り返る時間」を特に心がけている割合は1割台と相対的に低かった。
必修化の高学年に加え、低・中学年でも約7割が何らかの英語に関する活動を実施していたが、一方で、現在の英語の授業や活動に「自信がない」教員が75.6%、今後の教科としての英語の指導に対して「自信がない」教員が81.0%にものぼった。
4年制大学進学率「81%以上」の高校(公立普通科)の46.6%が「思考力・判断力・表現力を測るテスト問題の研究」に、56.6%が「大学入試の英語の4技能測定に対応した指導やテスト問題の研究」にすでに取り組んでいた。
新たな教育方法や教育内容への対応が求められる中、教員の退勤時刻は小・中・高校とも遅くなっており、学校にいる時間はさらに長時間化している。学校にいる時間(10年比)は、小学校25分増、中学校27分増、高校17分増。
小・中学校では何らかの外部人材を活用している学校がほとんどであるが、さらに「増員したい」との回答が小学校94.2%、中学校86.6%。最もニーズが高いのは小・中学校とも「特別支援教育に関する補助・専門スタッフ」だった。
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