2014年10月21日
埼玉大附属小学校/ICT活用授業を公開する「小学校教育研究協議会」を開催
埼玉大学教育学部附属小学校は14日、15日の両日、「『学びの本質』を育む授業の創造(3年次)」を研究主題とした「第82回小学校教育研究協議会」を開催した。県内外の教職員、大学生など2日間で1253人が参加した。
この研究協議会は、同校の大学教育学部附属機関としての特性である「教育実習学校としての性質」「研究、実験校としての性質」「地域の学校教育へ協力する性質」の役割を認識し、実践するために行うもの。
同校では3年前から取り組んでいる学校研究主題「『学びの本質』を育む授業の創造」では、「学びの本質」を全教科・健康教育に共通の学力とし、その中でも思考力・判断力・表現力の育成に特化した研究を行ってきた。
本研究でも、思考力・判断力・表現力という教科横断的、汎用的な能力の育成を推進し、それらが「生きる力」に結実するように指導法の改善と検証、研究内容の深化を図ってきた。
また、ICTを活用した授業の研究も取り組んでおり、これまでの実践を通して、電子黒板やタブレット型端末などが、思考の可視化や共有、学習活動の振り返りに有効であることが分かったとして、公開授業の様々な場面で活用していた。
公開授業のプログラムでは、タ(タブレット)電(電子黒板)書(書画カメラ)の略号で示された「授業で使用される機器」と、分(わかりやすさ)学(学び合い)振(振り返り)で示された「機器の使用目的」が分かり易く明記されていた。
「思考力・判断力を高めることで、技能向上を図る児童の工夫」を研究テーマとした、体育科森田哲史教諭の「3年生小型ハードル走」は、学び合いでタブレットを活用する授業として公開された。通常は野外で行われる授業だか、この日は雨模様のため体育館で行われた。
始めに森田教諭は「今日のめあて」などを示した後準備に入ったが、ハードルを準備する児童とは別のグループがスタンドに取り付けられたタブレットを所定の位置にセットしたり、アプリを起動させたり手際よく準備を進めていた。
撮影が終了すると、グループごとに集まってタブレットで再生される動画を見ながら、ハードル間の距離と歩数、歩幅、リズムなどの関係について意見を出し合い共有していた。
公開授業後に行われた研究協議で森田教諭は、タブレットの導入、利用について「iPadは体育科で10台(全校で60台)保有している。家庭でタブレットを使っている児童も多く、使うことへのハードルは低い。ただ、目的以外の利用に走らないように、使えるアプリは最低限に指定している。撮影するカメラマンは各グループで1人決めて使い方などを指導し、その子がリーダーとなって他の児童に教えられるようにしている」と語った。
また、動画を利用するメリットについて、小型ハードルの授業でつまずいたりリズムを乱したりしていた運動が苦手な児童が、動画を活用することで、「よい動きをみつける」「自分の課題を考える」「自分の動きを振り返る」という経過をたどって成長する様子を紹介した。また、動画の活用が単に1時限で止まること無く、単元の動画を記録し振り返ることで児童の成長を確認することができることを示した。
参加者からは、「iPadの活用は、グループでの気づきがあって良かった」「iPadをスタンドで固定するのはいいアイデア」「ICTの活用でコミュニケーションが生まれていた」など評価する意見が多くあった一方、「iPadは使えるようになるまでが大変そう」「動画に頼らず言語活動も取り入れた方が良い」などいった意見も出された。それに対し、森田教諭からは「日頃からICTを活用し身近なものにしておくこと」「ICTはあくまで授業のねらいを達成するための手段であることを忘れないこと」との返答があった。
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