2016年5月23日
板書時間を削減「MetaMoJi ClassRoom」使って時短とAL実現
水面を滑るように進む白鳥も、連動した優雅な動きで観る者を魅了するシンクロナイズドスイミングも、水面下の激しい足の動きが水面上の優雅さを支えているのは周知の事実。
リアルタイム授業支援アプリ「MetaMoJi ClassRoom」の凄さも、見えないところにある。
授業支援アプリの多くは、教師と生徒の「情報の共有、往来」=インタラクティブ性が特徴であるのだが、Wi-Fiなどの通信設備などの容量やPCでの処理速度などの関係で、多人数で使用すると時間が掛ったりフリーズしてしまうという課題がある。
「MetaMoJi ClassRoom」では、教師が配付する問題でも、生徒が書いた文字でもイラストでも瞬時に往来して共有される。生徒が書いている瞬間に、大型画面に表示される。まさに、本当のリアルタイムアプリなのだ。
本当のリアルタイムを支えているのは独自の「Live Share技術」だという。MetaMoJi 得意の手書きデータは、「ベクトルデータ」で処理、表示される。ベクトルデータとは、「点」「線」「多角形」などの情報を座標値と属性情報で保持し表現するデータのこと。一般的に使われる「ビットマップデータ」との一番の違いは、拡大・縮小しても画質が損なわれないこと。だから、「MetaMoJi ClassRoom」では2500倍の拡大~縮小を可能にしている。
5月19日、MetaMoJi が開催した「アクティブ・ラーニングを実践する事例発表会」に登壇した、近畿大学附属高等学校・中学校 ICT推進室の小谷隆行教諭は、「MetaMoJi Note」(MetaMoJi ClassRoomのノート機能)を使い“セミ反転授業”を実施してるという。担当するのは、化学の授業。
小谷教諭の“セミ反転授業”とは、これまで学校で授業、家庭で宿題と割り振っていた学びを、授業も宿題分も学校の授業でやってしまおうというもの。もちろん、通常の授業に加え宿題が受け持っていた“演習”や“ふりかえり”分まで授業で行うのには時間が必要になる。
その時間を生み出すのが「MetaMoJi Note」で作る授業ノートだ。その最大のメリットは板書時間の削減。板書しなければならない内容を1枚のノートにまとめて映写する。生徒に配付もするから黒板を写す必要も無い。板書を減らして出来た時間で、実験や協働学習をやる。演習もどんどんやる。時には、クイズアプリを使ってゲーム感覚の授業を行うこともある。生徒の集中力も高まるし、授業中に十分演習が出来る。小谷教諭の授業ノートに慣れた生徒たちが作成する授業の総括ノートも、精度が高まってくる。
学びの内容が濃くなるから宿題は不要だ。「自宅学習は、受験のための主要教科をやってくれればいい」と、小谷教諭。
小谷教諭はこれまで、20くらいのノートアプリを試したが、「MetaMoJi Note」に落ち着いた。その一番の良さは、イラストも描けるし、微妙な部分の調整が思い通りに出来ることだという。授業改善を目指して取り組んだ「MetaMoJi Note」での授業ノートの作成だが、いまでは“趣味”になってしまい、悩みはiPad ProとApple Pencilで作る1枚のノート作成に60分~90分を費やすようになってしまったことだという。
板書は、教師にとって授業設計の象徴であり、授業のリズムを生み出す重要なものだろう。だから、簡単に板書を無くすことはできないかもしれない。しかし、板書の時間が何の学びも生み出さないのも事実である。
ICTツールを授業でどう活かすか。ICT導入時に課題となることだが、板書時間を削減して演習やアクティブ・ラーニングの時間を生み出すことが出来るのなら、こんな素晴らしい活用法はないだろう。
「MetaMoJi ClassRoom」は、時短にもアクティブ・ラーニングにも役立つリアルタイム授業支援アプリである。
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