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2016年8月23日

マイクライベントで宮沢賢治の「やまなし」をビジュアル化

Minecraft(マインクラフト)を教育に活用する方法を体験できる国内最大のイベント「MCEdu 2016」が8月21日、22日の2日間東京・新宿区の早稲田大学西早稲田キャンパスで開催された。

イベントでは、マインクラフトやゲーミフィケーションに関する基調講演や講演、「ゲームと教育」をテーマにしたパネルディスカッションやライトニングトーク、2日間で30コマ以上のワークショップなどが行われた。

課題の説明をする松田校長

課題の説明をする松田校長

2日目の特設ステージでは、スペシャルワークショップとして小金井市立前原小学校の松田 孝校長とプログラミングスクールTENTOの竹林 暁代表による、「マインクラフトで作る夏の自由研究“想像力で創造しよう!”宮沢賢治の“やまなし”の世界をマイクラで作ろう!」が行われた。

教科書に掲載されることがある宮沢賢治作品では“難解”と言われる「やまなし」の世界を、マインクラフトを使って立体的にビジュアル化することで、子ども一人ひとりの作品の理解を「見える化」して表現してみようというもの。

見守る竹林代表

見守る竹林代表

参加者は事前に「やまなし」を読んできたということで、自分なりの世界観を構築してきているのか、開始とともに迷うこと無く登場人物(蟹やクラムボンや魚やかわせみ)を作り始めた。

松田校長は解説で「物語を見える化することで、視点を意識したり、大きさや形、色やディティールを感じ取ろうとする。また、対比したり動かしたりすることで物語のテーマを象徴として現そうとしたりする」と、文学作品のビジュアル化の効用を語った。

竹林代表は、「みんな自分の作品にすごい思い入れがあって、大切にしようとする。だからこそ互いにリスペクトしあう。何に注目するか、どう表現するか。とてもアダプティブな学び方ができる」と、一人ひとりの能力や適性に合った学びが可能だと語った。

MCE-02

マイクラで作るそれぞれの世界が

また松田校長は、「マイクラを使った学習を教室でやると、自然に“教え合い、学び合い”が始まり、話し合いや協働作業も行われるようになる。つまり、授業が流れて行くだけだったら教師は教えることが無い。教師は、ファシリテーターとして授業にアクセントを付ける役割。目の付け所の面白い子どもや、参考になる表現を使った子などをピックアップして紹介したり褒めたり、時には“それでいいのか”と問題提起したり。これって、アクティブ・ラーニングですよね」と、アクティブ・ラーニングのひとつの解釈を示した。

竹林代表(左)松田校長(右)と参加者たち。中央はゲスト参加の豊嶋花さん。[事務局提供]

竹林代表(左)松田校長(右)と参加者たち。中央はゲスト参加の豊嶋花さん。[事務局提供]

制作時間が半分ほど過ぎたところで、突然サーバーがダウン。一部の子どもにそれまで作った内容がすべてリセットされてしまうというトラブル発生。しかし、苦情を言うことも無く黙々と作品作りを続ける姿に、「好きこそ物の上手なれ」ということわざが浮かんだのは古くさいか。

最後は、それぞれの作品発表を行い、ワークショップのタイトル「マインクラフトで作る夏の自由研究」のため、紙の発表資料を作成して終了した。

プログラミングとゲーミフィケーションの新たな可能性を感じさせるワークショップだった。

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