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2017年8月23日
横浜の先生たちがロボットで学ぶ「プログラミングはじめの1歩」で歓声
「プログラミングをバリバリやっている人~」
加藤先生の元気の良い問いかけに、誰も手が上がらない。
「やったことはある、という人~」100名以上の参加者から、2~3人ばらばら。
横浜市小学校情報・視聴覚教育研究会は21日、東京学芸大学教育実践支援センターの加藤直樹 准教授指導の下、「プログラミング教育実技研修会」を開催した。午前午後2回の研修会に200人以上の教師が参加、プログラミング教育の第1歩を踏み出した。
「はじめての人が多いみたいですから、少しハードルは高いかもしれませんが早速ロボットに触ってみましょう」と加藤先生。テーブルの上の置かれた小さなロボットの電源を入れ、プログラミング用のタブレットに触ってみる。
この日使用されたプログラミング用ロボットは、富士ソフトが提供した「マイクロ相撲ロボット」の試作品。教育機関向けに2018年度中のリリースを目指して開発中のもので、縦・横・高さが5cm、重さ100g以下という小型ロボット。プログラミングでできるのは、ロボットの前進・後退・旋回の制御、ランプを光らせたりブザーを鳴らしたり、対物センサーによる障害物回避、白黒センサーによるライントレースなど。
はじめは怖々触ってみたり、動かなくて困惑していた参加者たちも、加藤先生が用意したプログラムに沿って動かしてみると、開場がざわざわと賑やかになってきた。
ここで加藤先生が「はい、止めて~。楽しかった人は拍手~」と声を掛ける。開場から拍手が湧く。「プログラミングって楽しい」の、はじめの1歩を踏み出した。
「このロボットにはセンサーが付いているんです」と加藤先生。紙に印刷された緑と赤の線。緑の上にロボットを置きスタート。勢いよく赤線に向かっていったロボットは赤線の上で弾かれたようにバックをする。スピード感溢れるこの動きに、開場から「お~~っ」という歓声が一斉に挙がった。
「このあと、センサーを使ったプログラミングの課題に挑戦してもらいますが、その前に、3月に公示された次期学習指導要領をしっかり読みこんだ、と言う人」・・・手が上がらない。
「少し読んだという人」、4~5人の手が上がる。
なぜいま、小学校の教師はプログラミングを学ばなければならないのか、なぜ2020年から小学校でプログラミングを学ぶのか。次期学習指導要領では、「言語能力」と「情報活用能力」が同等に扱われるほど重要であること。「情報活用能力」を育むためにはICTの活用とプログラミングが欠かせないこと。プログラミングは教科の中で学びのツールとして使われること。プログラミングのツールには「アンプラグド」「ビジュアル言語」「ロボットプログラミング」等があることを加藤先生が解説。その後、ロボットプログラミングの挑戦がはじまった。
課題は、「緑の線と赤い線の間を1往復して、もう一度赤い線に向かって4分の3の位置で止まる」というもの。とにかくほとんどの参加者がプログラミング初体験と云うことで、加藤先生のヒントもすぐには役に立たない。
しかし、そこは教師たちの集団。グループ内のディスカッションは盛り上がり、有効な策が提案され、次々にクリアするチームが現れる。「出来たー」という声が上がると、会場からは自然に拍手が湧き上がる。子どもがやっても、大人がやってもプログラミングは楽しく、盛り上がる。
この楽しさ盛り上がりをいかに教科の「学び」に結びつけるのか。この先に待ち構える課題は、高く厚い壁だが、教師たちが「楽しさ」を実感し、子どもたちの「輝く瞳」に出合うことが進化の推進力となることは間違い無い。横浜の先生たちの、次の1歩を期待したい。
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