2018年10月4日
比叡山高校、主体的・対話的・深い学びにICT活用 ~ 「生徒の学び」がどう変わったか
【PR】高校1年生 英語(英語会話)『学びのモチベーションを引き上げる』
延暦寺学園比叡山高等学校 ICT推進委員長 川端 範之
比叡山高等学校は、2017年度よりiPadを用いたICT教育をスタートさせ今年で2年目を迎えた。現在教員用、貸出用を含めると約1000台のタブレットが稼働している。一隅を照らす人材の育成を建学の精神の礎とし、生徒の主体性を伸長し互いを認め合いながら多様性を理解し、協働して様々な課題の解決ができる能力を育むべくICTの利活用を進めている。
MetaMoJi ClassRoomは「一斉学習」「個別学習」「グループ学習」「クラス学習」の4つのページを学習内容とその習得方法に応じて適切に切り替えながら授業を支援するアプリケーションである。
ICTを導入する前に主流であった講義型の授業から、一人一人の活動をクラス全体で共有し批判的態度を学ぶ高度な学習まで、活用方法は教員の工夫次第で無限に広がっていく。今回紹介するのは、導入初年度となる高校1年生の英語会話(1単位)での活用である。
学びのモチベーションを引き上げる工夫
学習効率を示すラーニングピラミッドでは昔からある教わる講義形式が最も効率が悪く、「教える」という主体的態度がもっとも学習効率が良いとされている。これは文字通り「学び」の姿勢を問題にしていると言える。
『海外旅行で利用できる英語表現を取得する』というテーマ
この授業の目的を聞いたとき、一番に考えることは「どんな英語表現を習得させるのか」ではないだろうか。「海外旅行で」の部分を大きく取り上げる先生は少ない。行き先がハワイでもニューヨークでもロスでも構わない。表現を学ぶ方が大切なのだ。しかし「授業」という括りがなければ、圧倒的に楽しいのは旅行計画を立てる方で、英語表現の方ではない。そこで思い切って旅行計画を立てる方を中心に授業を組み立てることを試みた。
バーチャルだけどリアル
生徒には一人一台iPadがある。その気になれば、いや、その気にさせて「リアル」な計画を立てさせることにした。生徒は初めて航空会社のHPを訪れ、目的地へ行く航空機の時刻を検索した。到着した空港から宿泊するホテルまでの交通手段を調べ、2日目、3日目と旅程を完成させて行く。
バーチャルだけど、リアルでなければならないので現地のホテル、観光地、交通手段、全てをネットを使って調べて行く。
もちろん公式サイトは全て英語で書かれている。生徒たちはタブレットにインストールされた辞書を用い、時には翻訳サイトの力を借りながら情報を集めて旅程を完成させて行く。食べ物やお土産も旅行には欠かせない楽しい要素だ。
手ぎわよく画像を挿入し音声ファイルを貼り付ける。手書き機能を利用して可愛らしいイラストで旅行計画に個性という味付けをしていく。見る見るうちに用意したワークシートが完成していく。その様子を手元のタブレットで確認しながら指導の必要があれば生徒たちに声をかける。
生徒たちはリアルな英語に苦戦しながらも、楽しんで取り組んでいる。それは出来上がったワークシートを見れば一目瞭然である。
そしてワークシートの最後のページは「この旅行計画を実現するために必要な英語表現を考えよう」だ。生徒たちはそれまでと同じ勢いで全てのシートを完成させた。
「個別学習ページ」は一覧表示が可能だ。生徒の進捗状況を確認できるだけでなく、それをプロジェクタで映し出せば、生徒みんなでそれぞれの旅の計画を共有し合うことも簡単である。
「<旅行計画>英語表現」という発想の転換から学びのモチベーションを引き上げ、学習の成果を一段上へと引き上げる。そんな授業案を実現してくれるツールとして今後も活用していきたい。
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