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2019年8月19日
Googleの電子ホワイトボード“Jamboard”って何?
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「Googleから発売されている“Jamboard”って格好いいなぁ。でも、実物を見たことがない。何が出来るのだろう」などと気になっていたのだが、ベンキュージャパンが「Google Cloud Next `19 in Tokyo」に出展し、Jamboardを展示しているというので行ってみた。
見た目の第1印象はとにかく「格好いい」。真っ赤なボディはいかにもGoogleらしい色使い。見た目から国内の電子黒板とは一線を画す“Creative”な香りが漂ってくる。
実際に触ってみて驚いた。ペンのタッチが極めてスムーズでまるでホワイトボードの様だ。電子黒板の液晶画面にタッチしているような引っ掛かりのあるカツカツ感がまるでない。しっかりしているけどソフトなタッチ。そして、当然ペンの反応がよい。遅延なくリアルタイムで書けるから、どの教室にもあるリアルなホワイトボード感覚に近い。そして、なんと、消しゴムを使うとリアルに消しカスが出て、とても面白いギミック。Googleのちょっとした遊び心も感じられる。消しゴムといっても、ツールバーからいちいち持ってくるような面倒な操作は必要ない。また、指で消すモードをオンにし、2本指を画面にタッチすることで消しゴムと認識される。もちろん指が汚れる心配も無い。更に、消しカスからか“消しゴム”と呼ばれる黒板消し(状のもの)を用意している。
会場展示の“Jamboard”に触れていた来場者からも、「お、反応良いね」「滑らかだね」「面白い」といった感想が聞かれた。
では、“Jamboard”で何が出来るのか。どう使えるのか。
BenQの担当者に尋ねると、ボードに
1. White board
2. Meet(ビデオ会議)
と書いてくれた。
White board (ホワイトボード)機能は、55インチ4K画質のディスプレイに電子的に書く・消すという従来の電子ホワイトボード機能。そして書いている内容がクラウドに連携し、瞬時にGoogle driveに保存されているというからびっくり。個人やチームで作成した資料の表示はもとより、Googleドライブを経由して写真を画面上に取り込んだり、 内蔵するブラウザー機能を使ってGoogle 検索で表示された画面を瞬時に切り取って画面上に画像として貼り付けたり、手書きで画像の上から書き加えたりできる。
デモでちょっと驚いたのは「文字認識」機能。手書き文字をいとも簡単に活字にしたり、手描きの図形を成形したりする「図形認識」機能の他、いい加減なイラストを格好良いイラストに描き変える「Autodraw」機能もあって、プレゼン資料の見栄えをより“Creative”にすることが出来て面白い。
また、ブレーンストーミングやミーティングで必須ツールの付箋などの機能は、“Jamboardアプリ”をインストールすることでタブレットやスマートフォンなどのモバイル環境からも画面を共有してJamboardや端末から双方向に入力することができるので複数で同時に参加して共同作業することも可能だ。
Meet(ビデオ会議)では、遠方に居るメンバーとリアルタイムに共同編集を行う事でチームの創造性を引き出すことが可能だ。チームが同じ部屋にいて複数の“Jamboard”を使用したり、離れた場所から“Jamboardアプリ”をモバイルで使用している場合でも、いつでもどこでもGoogleのクラウドを通してCreativeな協働作業を可能にする。
“Jamboard”で一つのファイル上に作成できるページは20ページ。Jam形式と呼ばれる専用形式ファイルが自動的にGoogleドライブに保存され、作業途中のものを後から引き出して追加作業したり、のちに修正を行って完成させたりすることが出来る。
さて、こうした機能を持つ“Jamboard”だが、教育現場のどのようなシーンで活用することができるのだろうか。
まず始めに思い浮かぶのは、大学のゼミや研究室内での利用だろう。アイデアを出し合い、資料を集めて、企画をすすめ、集約してプレゼンテーションする。分担した研究課題を発表し合い、テーマに沿って検討して、まとめていく。企画や研究といった協働作業の場面で、コミュニケーション用のボードとして活躍するだろう。
小中高ではどうか。是非使って欲しいのが、教師同士の研究会だ。教科担当者同士でも、学年担当者同士でもいい、これまで黒板やホワイトボード、紙の資料などで行っていたものを“Jamboard”を使ってみて欲しい。これまでの作業が効率的になるとか、便利だといったことではなく、“Jamboard”を活用することで新学習指導要領が求めている子供たちの「情報活用能力」の育成や「アクティブラーニング」の実践につなげて欲しい。もちろん、これからの教師に求められるICT活用スキルの向上にも大いに役立つだろう。
そして、1人1台情報端末が実現すると不要になるPC教室に“Jamboard”を1台設置して、真の「AL(アクティブラーニング)教室」にして欲しい。調べ学習の授業でまとめたテーマをプレゼンしあったり、グループ毎の発表から全体プランを作成したり、モバイルで“Jamboardアプリ”を使って児童生徒の意見を聞いたり集約したり。教師はボードにある内容を直感的に整理できる、産まれた時からスマホ・タブレットが当たり前の児童生徒と共に、これまでの教室や授業では生まれなかった新たな「アクティブラーニング」が生まれるに違いない。
Jamboard本体・年間の管理サポート費スタンドを合わせて89万円(税別)※。大型提示装置として普通教室に配備するにはやや高額だが、“Jamboard”1台から拡がる21世紀に相応しい新しい学びのシーンは想像するだけでも楽しいものだろう。
※別途地域別配送設置費が必要
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