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2020年7月29日
東大発・環境移送ベンチャー「イノカ」、IoTを活用したサンゴの人工抱卵を実現
東大発・環境移送ベンチャーのイノカは27日、IoT技術により水温を沖縄の久米島付近の海面水温と同期させた完全閉鎖環境内の実験で、サンゴの人工抱卵を実現したと発表した。
同時に、8月からサンゴの人工産卵のための実証実験を再始動し、2021年3月、世界初の産卵時期をコントロールした人工産卵成功を目指すという。
地球上の全海洋面積のうち、サンゴ礁が占める面積の割合は世界の0.2%程度にすぎない一方で、そこには約9万3000種(海洋生物種の25%程度)の生物種が生息し、1平方キロメートルのサンゴ礁が年間15tの食料を生産。このように、サンゴは海洋生態系の中心的な機能を果たしているにも関わらず、その重要性はまだ一般的には広く認知されていないという。
さらに、サンゴの生態系は大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を海洋に固定するブルーカーボン生態系としても注目。温室効果ガスの抑制効果も期待されていることから、世界的に減少を続けているサンゴを保護し、残していくことでSDGsに貢献できると考え、2019年10月から実験を開始。
小型水槽内での人工産卵技術が確立すれば、ビルなどの一般的な都市空間のような場所でも人工産卵が可能になるため、サンゴ研究が飛躍的に促進されるという。
さらに、本来、自然界における産卵は年に1回と限定的だが、水槽内の各パラメータの調整で、理論上、産卵の時期をコントロールすることが可能となるため、ハツカネズミやショウジョウバエのように何世代にもわたって研究調査を行うモデル生物としてサンゴを扱うことが可能。これにより、その結果、サンゴの基礎研究が進み、サンゴ保全に大きく寄与するという。
今回イノカが成功した実験は、独自で研究開発を進める「環境移送技術」を使い、虎ノ門にあるオフィスビル内の会議フロア一角で実施。
同実験では沖縄産の成熟したサンゴを利用し、IoT技術や、アクアリウム用のサンゴライトを駆使し、水槽内の環境を沖縄の海に可能な限り近づけたという。
5月中旬にサンゴを折って確認したところ、体内での抱卵を確認。その後、例年の産卵タイミングである6月中旬に、再度サンゴを折って確認したところ、サンゴの体調の悪化に伴い卵が確認できず、産卵には至らなかったという。
この結果をもとに、8月からび実証実験を開始。今回は、できるだけ生体へのストレスを低減できるよう、水槽内の各パラメータをさらに精緻に調整。また、サンゴの健康状態の判別のために画像解析技術も応用しながら、2021年3月に世界初の産卵時期をコントロールした人工産卵の成功を目指す。
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