2020年9月1日
日本の保護者のオンライン授業に対する満足度が世界で最も低い =アバスト調査=
アバストは8月28日、世界12カ国を対象としたオンライン授業に関する調査結果を発表した。
外出自粛期間中のオンライン授業に満足していると回答した日本の保護者はわずか24%で、調査対象国中で最も低い結果だったことが明らかに。
不満の理由として、「学習量の少なさ・学習時間の短さ」「子どもの集中力が続かない、集中できていない」「コミュニケーションが一方的」などが挙げられているという。
その一方で、「新型コロナウイルスを予防しながら学習ができた」「オンライン授業に参加することで規則正しい生活の維持ができた」「子どもの学習内容を確認することができた」といったオンラインでの授業を評価する声も。オンライン授業には課題が多いものの、「今後このような学習方法が普及することを考えると良い経験になった」と述べている保護者もいたという。
オンライン授業に不満を感じているのは保護者だけではない。文部科学省が6月に実施した調査によると、日本の高等学校の47%、中学校の10%、小学校ではわずか8%しかオンライン指導を行っていないにも関わらず、調査対象の公立学校のうち80%以上が臨時休業期間中の学習指導に関して、ICTの活用に課題があったと回答。
オンライン授業について不満を持つ保護者は多いものの、オンライン授業を受けている日本の子どもの中で1週間に1回以上技術的な問題に遭遇した子どもは10人に1人(10%)で、世界平均の19%と比べ、技術的な問題に遭遇する子どもの割合はほかの国に比べて最も低い。
その理由として、オンライン授業は多くの場合「Zoom」や「Microsoft Teams」など、保護者が仕事で利用したことのあるツール上で実施されているからだという。実際、オンライン授業が開始されてから新しいツールを学ばなければならなかったと回答した保護者は約14%と、調査対象国の中で一番低い。
オンラインでのリモート授業の実施に際して、オンラインのセキュリティやプライバシーに関する教育が十分に行われていない可能性も明らかに。「教員が生徒のプライバシーに配慮している」と回答した保護者が34%だったのに対し、「オンライン授業のプライバシーに関するルールを教員から何も聞いてない」と答えた保護者が38%。子どもの作品等がウェブサイトで他の生徒や保護者からも閲覧できるようになっていると回答した保護者も2割に上る。
この調査は、アバストがTolunaに委託し、日本国内の保護者501人を含め、世界12か国の保護者6000人以上を対象に6月に実施。
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