2021年1月18日
使用者ではなく創造者を育てるプログラミング授業にMonacaを活用 /ぐんま国際アカデミー
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ぐんま国際アカデミーは、群馬県太田市にある私立の小中高一貫校。国際的な教育プログラム国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)の認定校。全体の約7割の授業をすべて英語で行う英語イマージョン教育という画期的な教育システムを提供している。
中高等部の技術・情報科を担当する吉田慎吾教諭に、生徒が自分の頭で考えるプログラミング授業の進め方、Monacaだから実現できたことを訊いた。
中学技術・高校情報科を一人で担う多忙な日々、ほしいものが全てそろうMonacaとの出会い
吉田教諭の担当教科は、もともと数学科だ。数理情報学専攻でプログラミング経験があることから、高等部の情報科も担当するようになる。その後、中学技術科も加わり、中高等部全学年の技術・情報科を一手に引き受けることになった。
1時間目 木工、2時間目 はんだ付け、3時間目 プログラミング、4時間目 畑で栽培実習という日もあるし、放課後は顧問のバドミントン部もみていると吉田教諭は笑顔を見せる。多岐に渡る新しい取り組みや教材研究を教諭自身が楽しんでいる様子だが、多忙な中、プログラミング実習のために朝からパソコン教室のパソコンに開発環境を構築し準備を行なう煩雑な手間は、やはり大きな課題であった。学生時代にはC++を学び、プログラミングは趣味としても楽しんできたという吉田教諭だが、Web系の開発経験、知識はあまりなかったこともあって、当初は高等部の情報でC++を用いてアルゴリズムを教えていた。
2020年春、事例セミナーで「Monaca」と出会い「ほしいものが全てそろっている」と感銘を受けたという。1つは端末に依存しないクラウドの開発環境であったこと。高等部では完全なBYOD(Bring Your Own Device)を採用しているためChromebook、Mac、Windows、iPadなどが混在しており、これまではプログラミングの授業にはパソコン教室のパソコンを使用する必要があったのだ。クラウド環境ならその必要がなく環境構築から解放される。コロナ禍のオンライン授業、どこでも容易にアクセスできるメリットもある。
もう1つは、授業専用の教材パッケージではなく、実際のアプリなどの開発に使えるプログラミング環境であること。タブレットなど生徒の身近な端末で実際に動くアプリを作って学べる点に大きな魅力を感じたという。
正解を模倣するだけでなく、考察や試行錯誤の中でアルゴリズムを理解習得する:高等部
高等部では、Monacaの公式テキストにそって、HTML5の基本やサンプルのアプリ開発を通じたアルゴリズムの学習からスタートした。プログラミングに慣れたら、サンプルコードを模倣して作るだけでなく、あえて無限ループを引き起こすようにしたコードや、はずれしか出ないようにしたおみくじアプリのコードを生徒らに提供して問題点の究明と改善に取り組ませるという。
最初から乱数を使うよう指導して失敗することなく正解のおみくじプログラムを作るのではなく、意図した動きをしないコードを読んで、問題点を探し試行錯誤の中で改良するという実践的な体験の中で理解を深める狙いだ。このような時、生徒どうしは自発的にコミュニケーションをとって、教諭が指示をしなくても自然とグループワークになっていくという。また授業の中で、自主的に自身のアイデアでアプリを制作する生徒も見られるなど積極的だ。
生徒らに身近なゲームをプレイするだけでなく「作る」楽しさも体験してほしいと、セガとアシアルの提供する「ぷよぷよプログラミング」にも挑戦したという。さらに吉田教諭は、ゲームとしてクリアが難しすぎるというルールに問題のある「ぷよぷよ」のコードを生徒らに提供し、適切なものに改良する課題にも取り組ませるなど、一貫して考察と探求を重視した。
身近なSNSサービスの仕組みを自分の頭で考えさせる授業:中等部
中等部の授業で吉田教諭が大事にしていることは、プログラミング学習を通じて身近なサービスの仕組みを考えることだ。スマートフォンなどのデジタルデバイスが身近な世代の生徒ら、いつも使っているSNSなどのサービスもブラックボックスではなくて、自分の頭で仕組みを考え理解してほしいという。
具体的にはアシアル情報教育研究所の運営する「あんこエデュケーション」で公開されているチャットアプリを活用している。チャットアプリのサンプルコードを解説し、LINEの仕組みについて生徒に考えさせるのだ。使用者としてだけでなく、制作や設計をする生産者の視点で考える重要性を、吉田教諭は強調する。
2021年度改定の中学校学習指導要領の技術・家庭科 技術分野には「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決」が追加されるが、このチャットアプリが適しているので、活用する予定だという。
Monacaのサポートと、開発ツール+無限大の作品制作というコンセプトだから実現できた
実践的で自主性や探究心を育むプログラミング授業は、Monacaがなければ実現できなかったと吉田教諭は振り返る。他にも多くの教材はあるが、パッケージ化され教科書に書いてあることをステップバイステップで学ぶだけのものは、模倣に終始して生徒が何かを作り出すことはできないと感じているからだ。
Monacaの教材も最も基本の部分は公式教科書、動画、授業スライドが用意され、模倣で知識を固めることができる。ただその先のステップでは公開される多くのサンプルコードを自由に活用して、教諭の裁量で実践的な学びを実現できるという。Monacaが単なる教材パッケージではなく、開発ツールとして生徒の無限の作品制作をサポートするコンセプトだからだろう。
手厚いサポートサービスにも支えられていると吉田教諭は力を込め語る。毎月開催されるウェビナーは誰でも無料で受講可能だ。「情報Ⅰ」に向けたプログラミング研修やJavaScript入門、サンプルコードの解説など充実したオンライン研修で、講師やスタッフにチャットで質問もできるという。また導入校向けには「オフィスアワー」が提供される。定期的にサポート担当者がオンラインの会議室で待機していてその場で教諭らの質問に応え、疑問や不安を解消できる。このサポートがあるから安心して様々なチャレンジができると吉田教諭は全幅の信頼を置く。
使用者でなく創造者であってほしい
「生徒はゲームや動画が好きでユーザーとして使用するが、大半は作ることがなかった。プログラミングの授業で、仕組みを考え使用者ではなく創造する側になってほしいと思う。自分が興味をもったこと、好きなことを突き詰めて実現する力、人のために物を作れる力をつけてほしい。自分で面白いことをみつけて興味関心をもって探究していけるようMonacaを活用し実践的な授業を展開してゆきたい。」と吉田教諭は笑顔で語った。
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