2023年3月24日
「金融教育」、受講経験の有無で60歳代の資産保有額に500万円以上の差が =三井住友信託銀行調べ=
三井住友信託銀行は23日、金融教育の受講経験の有無や、受講した時期が、「資産をつくる(資産形成)」に対してどのような影響を与えているのかについてアンケート調査・分析した結果をまとめ発表した。
それによると、学校や職場で金融教育の受講経験が「ある」人は4人に1人強(27.2%)で、年齢別では若年層の方が受講経験者比率が高く、20歳代(40.6%)と60歳代(21.3%)では約2倍の差がついていることが分かった。
金融教育を受けた時期については、回答者全体では「社会人になってから」が12.2%と最も多かった。企業型DC制度導入企業に対し、「従業員に対する継続的な投資教育の実施」が努力義務として課せられていることが関係していると考えられる。
年齢別にみると、若年層ほど「小学校に入る前」や「小学生時代」、「中学生時代」など低年齢の時に受講した人が多く、金融教育の低年齢化が進んでいることが分かった。
金融教育の受講経験の有無や、受講した時期が資産形成にどのように影響しているのかを、資産形成に対する「意識・関心」、資産形成に向けた「行動」、資産形成の「結果」の3つに分けて見ると、全ての項目でプラスに働く傾向が見られた。
また、金融教育が資産形成行動の成果・結果とも言うべき「金融資産保有額」にどのように影響しているかを調査したところ、20歳代では、平均保有額は受講経験が「ある」人で314万円、「ない」人で409万円と、その差は95万円だった。
ところが、60歳代になると、受講経験が「ある」人で2234万円、「ない」人では1717万円と、老後資金として保有しておくべきひとつの目安ともいわれる「2000万円」を挟む形になり、差額も516万円と500万円を超えた。
また、60歳代で保有額が「2000万円以上」の人の比率も、受講経験が「ある」人では4割(39.4%)、「ない」人ではでは3割(29.4%)だった。
年金生活をまぢかに控えた年齢で、老後資金必要額をクリアできている人の比率に1割の差がつき、資産形成にとっての金融教育の重要性が改めて浮き彫りになった。
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