2023年12月25日
奈良県教育委員会がUDフォントと共に目指す未来/奈良県立教育研究所 小﨑誠二 主幹
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「UDフォント」を知っていますか。「ディスレクシア」という言葉を聞いたことがありますか。「ディスレクシア」とは、学習障がいのひとつのタイプで、全体的な発達には遅れはないのに文字の読み書きに限定した困難がある状態のこと。「UDフォント」はそうした困難のある人を含め、より多くの人にとって読みやすく開発された「ユニバーサルデザイン(UD)書体(フォント)」のこと。「UDフォント」について特別な条件は決められていないが、モリサワの「UDフォント」は、より多くの人にとって「文字のかたちがわかりやすいこと」「文章が読みやすいこと」「読み間違えにくいこと」をコンセプトに開発された。
今回は、モリサワのUDフォントプランのラインナップを全国で初めての導入した奈良県で、先導的な役割を果たした奈良県立教育研究所 教育情報化推進部 主幹であり奈良教育大学の客員准教授の小﨑 誠二 先生に、奈良県における「UDフォント」導入の経緯や成果、可能性について話を訊いた。
教育委員会と大学の「二足のわらじ」で求める可能性
Q:小﨑先生は教育委員会と大学の「二足のわらじ」ですが具体的にはどのような教育活動をされていますか。
小﨑:
私は高校の国語と情報の教員です。県の教育委員会で、指導主事を10年以上やって、奈良教育大学の教職大学院に出向しました。GIGAスクール構想で学校は1人1台、奈良県の小中高校では8割以上の児童生徒がもう毎日のようにデジタルを当たり前に使っていて、、教育研究所ではデジタル化の推進や学習に与える影響などをなどを研究しています。
大学では、先生の経験を可視化する研究をしています。学校の先生は、データを集めて分析することよりは経験や気合い、勘とかで働いていると言われます。実際そうなんです。ぱっと見て感じてとか、やり方とか頭の中にしかなくて、後輩に伝えられない。でも、その経験というのは、可視化されていないだけで、その正しさはデータでも裏付けることができると思っています。先生たちの子どもに対する見方とか指導方法とかを可視化できる部分があれば、教育の質が上がってくると考えています。
Q:教育現場ではGIGAが定着しつつありますが先生の役割は変化しますか。
小﨑:
日本の教育は明治時代から100年変わっていないと言う人もいますが、師範学校を出た特別なプロが子供たちを教えるという時代ではありません。
多くの人が、学校に入ってから文字も書けるようになるし、ネットで調べたら事実はわかるし、そんな時代の先生の役割は変わってきて当然です。
読み書きを教えるだけでなく、子どもの成長を見守ったり、学びに寄り添ったり、ケガをして泣いていたら抱きしめたりと、関わっていく中で、子どもたちの心ができあがっていくんです。先生の役割はとても大事ですが、今は先生が丁寧に子供に関わる時間がなかなかとれない、厳しい状況にあります。
UDフォントとの出会いと導入
Q:UDフォントとの出会いを教えて下さい。
小﨑:
小学校の英語教育がスタートしたとき、普通のパソコンのフォントではそのままアルファベットの習得に使えないんです。手書きの形でないと、子供たちの手本にならないので、適切なフォントがないのかなと探してもらったんです。ある展示会でモリサワさんのブースにたどり着いて、「手書きフォントありませんか」という話を聞いたら「ありますよ」と返事をいただき、それからモリサワさんとのお付き合いがスタートしました。
高校入試の担当をしているときに、中学校の先生が「普通のフォントでは文字が読み取れない生徒がいるので、フォントを変えてもらえませんか」という相談を受けました。それがきっかけで教育委員会の担当者とフォントの勉強を始めたんです。コンピュータを導入したり、自分で拡大縮小したり、明朝体をゴシック体に変えたり、配慮できることはしますということにしたんです。本を読んだり学校を回ったりして勉強しました。ただ受け入れる高校側では、「文字が読みにくいとか読めないということだと、入学できても学習できないんじゃないのか、そういう配慮のできる学校に行った方がいいんじゃないのか」という考え方でした。初めて「ディスレクシア」という言葉を聞いて、フォントがどれだけ影響するかということを知ったんです。入試が終わって1年たって、高校入試の問題全部をUDフォントにしたいという提案をしたところ、関係者がみんな賛成してくれて、トップである教育長も「それはいいことなんだから、どんどん進めたらいい」と後押ししてくれて採用が決まりました。マスコミで取り上げられることはありませんでしたけど、これはとても重要なことだと思います。
Q:高校入試問題へのUDフォント導入の成果はどうでしたか。
小﨑:
高校入試の平均点が前年にくらべて上がったんです。それは恐らくフォントのせいではなく、テスト問題の難易度なのだろうと思います。でも、受験生にはフォントを変更したことは伝えていないのに、「テスト問題が読みやすくなっている」という声が、届いていますので、フォントの影響があるかもしれません。今でも奈良県の高校入試の問題はUDフォントを利用しています。
先生たちに必要だった「UDフォントのエバンジェリスト研修」
Q:小﨑先生の発案で「UDフォントのエバンジェリスト研修」を実施しましたが、評価はいかがですか。
小﨑:
先生たちにはとても喜んでいただけました。参加者全員が5段階の評価5という教員研修は、非常に珍しいことです。
この時やった研修だけは見事に全員が「とても良かった」と評価して、面白かったと言ってくれました。この研修は、自主的に手を挙げた人が集まってやる研修でしたが、申し込みはすぐに満席になり、それだけ先生たちが分かり易いプリントを作りたいと思う気持ちなんだということがわかりました。もちろんモリサワさんの講師が上手だったこともあると思います。この研修を受けた先生たちと、今でもこのときの研修のことを話すことがあります。それほど印象的でした。
ただ使うだけで教育効果があがるUDフォント
Q:学校教育でUDフォントを使用するメリットはどのようなものがありますか。
小﨑:
インクルーシブ教育とか特別支援教育で何か新しいことしたいとなると、しっかりと理論を勉強することが必要です。
でも、UDフォントは使うだけでいいんです。情報を与える人も、それを受け取る人も、特別な知識がなくても別に何の知識がなくても、読みやすいとか分かり易い状況を創り出すことができます。先生たち自身が何か特別なことをしなくても、フォントを使うだけでいい。手軽だし、効果があるし、何の負担もないですから。子供たちの手元にUDフォントを是非届けたいと思っています。
UDフォントは、早く読み書きができて、わかりやすいので、きっと学力に直結するだろうと私は最初から確信を持っていました。眼鏡が合わなくて文字が見にくいとき、新しい眼鏡を買うとくっきりはっきり見える。すっきり見えるから読むのが早くなるし、認識力も上がる。見やすい、分かり易いとなったら自然に早く読み書きができて、理解も深まるので考える時間が増える。テストの点は絶対上がりますよね。
考える時間が長ければ長いほど、点数は上がるのではないかということは、だれでも想像できることです。学力との関係はきっと、良い方に影響するでしょう。
例えば長い文章や難しい文章を読むとき優しいフォントっていうのは伝わり方も優しくなり、読んでいる人は優しい気持ちになるのではないかと思っています。もちろんそれはエビデンスが無いんですが、いつか大学で研究してみたいと思います。
組織としてUDフォントの活用にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください
■小﨑先生と共に登壇したゲストのセミナーレポートを公開中
UDフォントを導入してどのような影響があったのか、現場の声をご紹介
生駒市 俵口小学校 教頭 八代 大輔 氏 「生駒市の教育の質を支える UDフォント活用とは」
フォントにも配慮した、授業支援ソフト
株式会社MetaMoJi 石澤 朋 氏 「文字と学習支援と教育DX 」
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