2024年3月6日
WHITE、「大学教員のITリテラシー実態調査」の結果
WHITEは5日、全国の大学教員432人を対象に実施した、「大学教員のITリテラシー実態調査」の結果をまとめ発表した。

それによると、PCの保有状況について尋ねたところ、「私用で購入したPC(ノート・デスクトップ)を持っている」79.2%が最も多く、「学校支給のPCを持っている」は60.4%で、大学現場のPC支給率がそこまで高くないことが明らかにになった。

続いて、パソコン操作の基本スキル「タッチタイピング」の習熟度を尋ねたところ、「できる」35.0%、「まあまあできる」32.6%となり、6割近くがある程度習熟していることが分かった。その一方で、「全くできない」も1割弱(8.3%)存在した。

また、中級クラスの関数の習熟度について尋ねたところ、約3割(29.6%)が「使いこなせるものはない」と回答。最も苦手とされているのは、「CONCATENTE(結合)」(習熟率22.5%)、「VLOOKUP」(同27.5%)で、大学教員の約7割が「VLOOKUPが使えない」ことが分かった。

一方で、Word機能については、「使いこなせるものはない」と回答したのはわずか5.3%で、比較的一般的な機能は使用できていることが明らかになった。中でも、「印刷設定」91.7%、「ページ設定」87.0%、「表の挿入と編集」86.6%は上位で、逆に低かったのは「変更履歴の記録」59.7%。業務上、ExcelよりWordに触れる機会が多いことが伺える。

PowerPointの習熟度は、「できる」42.1%、「まあまあできる」39.6%で、タッチタイピングと比較しても高い習熟度で、PowerPointが日常的なツールであることが分かった。

また、コロナ禍で一般的になったZoomやmeetなどの「Web会議システム」の習熟度について尋ねたところ、約4割(40.5%)が「できる」と回答。「まあまあできる」44.2%とあわせると8割以上ができると回答し、PowerPointと同程度の高い習熟度だった。
一方、SlackやTeamsといったビジネスシーンに浸透している「チャットツール」に関しては、「できる」21.5%、「まあまあできる」34.7%となり、その他のITリテラシー・スキルに比べ習熟度が低い傾向が見られた。
いくつかのショートカットキーを提示した上で知っていたものを選んでもらったところ、「Ctrl+C→選択した項目をコピー」82.4%、「Ctrl+V→選択した項目を貼り付け」77.3%となり、日常的に最も使用頻度が高いであろう「コピペ」が上位だったが、一方で、それぞれ約2割が知らないという事実も明らかになった。
その他にも主要なショートカット事例を提示したものの、そのいずれも知らないという教員が約1割おり、大学現場でもまだ一定数が業務を効率化できていないようだ。

セキュリティー対策として実施しているものを聞いたところ、「ウイルス対策ソフトをインストール」75.7%、「PCのOSの定期アップデート」70.4%が上位2つに挙げられた。次いで、「機密情報を閲覧する際にフリーWi-Fiを避ける」57.9%、「複雑な組み合わせのパスワードを設定」50.9%と続いた。
「同じパスワードを使い回さない」40.0%、「定期的にパスワードを変更」27.1%といったパスワード関連の対策は半分も実施されておらず、「機密情報を送る際にファイルとパスワードをメールで別々に送る」といったセキュリティーに課題の残る方法を実践する大学教員も半数近く(49.3%)存在した。

また、業務用PCがウイルス感染した際の正しい初動と思うものを選んでもらったところ、「LANケーブルを抜く&Wi-Fiを切断する」49.8%が最も多く、半数近くが正しい行動を理解する一方、残り半分は間違った認識をしている結果となった。特に間違った初動として「情報システム部門に相談する」31.9%が最も多かった。
自身の大学のPCやソフトフェアの活用状況について課題に感じていることを尋ねたところ、「大学の教職員個々のレベルのセキュリティー知識の不足感があり、組織としてのセキュリティー対策がかなり甘いこと」(私立大学の理系科目担当)、「共用パソコンに個人パスワードを勝手に保存して自動ログイン設定したり、個人のメール閲覧をしたままログアウトせずに帰宅するような事例によく遭遇する」(私立大学の文系科目担当)などの声が寄せられた。
この調査は、全国の大学教員を対象に、1月17〜21日にかけてインターネットで実施した。有効回答数は432件。
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