2024年3月18日
他校の取り組みが分かる!東京立正高等学校のICTを活用した授業実践事例『数学』を紹介
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平方完成、一次不等式、連立一次不等式の演習
ClassPad.netの活用で解答の配布や回収を効率化
東京立正高等学校 〈東京都〉二ツ森 将眞 先生 教科:数学 指導学年:一年生、三年生(特進コース)
校訓・教育目的
生命の尊重・慈悲・平和
自立した一市民として、世の中でそれぞれの立場で活躍ができるような人物を、世に輩出することを目的としています。
ICT教育の課題・テーマ
『コロナ禍への対応』から、『教育の質を高める』ためのICT教育へ
コロナ禍において、全教職員がやらざるを得ないという状況になったこともあり、ICT教育が推進、加速しました。その後、ほぼ通常のような状態になってきた現在では、『教育の質を高めていく』という方向へ変わるとともに、その必要性を強く感じています。
端末整備状況
10年以上前から一人一台端末の配備を進めており、令和5年3月現在、高校生は全生徒が持っている状態です。
ClassPad.net導入に至った経緯と理由
オンライン辞書機能の充実と、デジタルノート機能の幅広い使い勝手
「コロナ禍だから」ということではなく、ICT教育を次のステージに引き上げるために、どのようなものを導入するべきか検討していました。
そのなかで、まず、「ClassPad.netにはオンライン辞書機能がある」ということに惹かれました。さらに、ノートとして使える機能性もあり、幅広い使い勝手で私達が求めているものとして、大きな可能性を感じました。
今後の新しい活動や取り組みについて
ClassPad.net導入をはじめ、本校では新しいチャレンジに取り組んでいます。
海外大学への推薦制度、ニュージーランドへのターム留学、カンボジアへの研修、オーストラリアへの語学研修など、令和3年から発展させてきた海外向けのプログラムもその一つです。さらに、日本国内の活動をより充実させるべく、北海道や沖縄など他地域の学校との連携も進めております。
私は生徒たちに常日頃、「思考停止してはいけない」と伝えています。世の中にはあふれるほどのニュースが流されていますが、それをただ素通りするのではなく、自分ごととして捉え、考え、意見を持つ。教育目的として申し上げたように、生徒たちには、自立した一市民として育ってほしいという思いがあります。
ロシアのウクライナ侵攻、台湾有事の懸念など、日本を取り巻く状況は、著しいスピードで変わってきています。 そのようななか、北海道という場所、沖縄という場所の若者たちは何を考えているのか、東京にある本校と情報を共有しながら、「日本の未来を考えよう」というプログラムを始めます。 各都道府県の学校にも、この考えに同意をいただき、新年度をスタートできることになりました。
平方完成、一次不等式、 連立一次不等式の演習 演習問題を解き終わった生徒から答えを配布。 解答は写真で提出させ、後で見返せるようにデータ化。
授業の流れとClassPad.netの活用方法
STEP1
ClassPad.netで授業に使う課題8枚分を生徒に配布。
生徒が1枚目の「平方完成」のプリントを解く間、解き方が分からない生徒のために、教師が板書で指導。
解き終わった生徒は挙手し、ClassPad.net上で教師が解答を送信する。
生徒自身で答え合わせした後、解答の写真を撮影し、提出箱に提出。
STEP2
解き終わった生徒は2枚目以降のプリントを進める。
ある程度解き終わったことを確認した後、一次不等式の解き方を教師が板書で指導。
解き終わった生徒から、STEP1と同様に解答を送信する。
STEP3
連立方程式の解説を板書で行い、生徒は問題演習。終わった生徒は、解答を見て自己採点する。
STEP4
本日の振り返りと授業の感想を生徒がふせんに入力し教師に提出。
デジタル社会におけるネット検索の弊害や上手な付き合い方とは
SNSには便利な点も多くあると思いますが、相手の顔が見えない分、誤解が生まれることもあります。ネット検索においても、間違った情報が数多く存在しています。
そのため、相手の言っていることが、本当にその人の発言なのかどうかもしっかり確認をする。様々なサイトを見比べて、どれが本当に正しい情報なのかを見極める。そういった点に気をつけることによって、便利さが活かされてくると思います。
他教科でのClassPad.netの活用状況
私の指導教科である数学と教科の特性は異なりますが、国語では、感想を書かせたり、本文の要約を書かせたり、といった使い方をしています。
宿題や自宅学習でのClassPad.netの活用機会
授業内では問題演習が間に合わない生徒もいます。そういった生徒は、自宅でClassPad.netに入った解答資料を見て勉強しています。また、自宅学習時にオンライン辞書機能を活用して調べる回数も増えたようです。
導入前と導入後の【授業での変化】
授業中に、課題未提出の生徒をすぐに把握してサポートできるようになりました。
生徒の学力にはどうしても個人差がありますが、以前は授業の中で、分からない生徒をそのまま置いていってしまうことがありました。ClassPad.netを導入してからは、提出状況がリアルタイムで分かり、未提出の生徒をすぐに把握してサポートできるようになりました。
導入前と導入後の【生徒の変化】
本校にはタブレットを活用した学習の時間が設けられておりますが、ClassPad.net導入前は、多くの生徒がタブレットの他に分厚い紙の辞書や電子辞書を持ってきていました。ClassPad.net導入後は、電子辞書はタブレットの中に入っていますので、タブレットのみで勉強ができる点が素晴らしいと思っています。
生徒の保護者さんの声や評価
新型コロナウイルスやインフルエンザにより、生徒が一週間ほど学校を休んでしまうことがあります。そういった場合にタブレットで課題の配信やメッセージのやり取りをすることによって、生徒の不安が払拭されていると評価をいただいております。
お気に入りの機能・使い方
授業の効率化による机間巡視の時間確保と、リアルタイムでの提出状況把握で、「おいてけぼり」の生徒を作らない授業が実現できています。
私は教師になったとき、「おいてけぼりを作らない」ことをひとつの目標としましたが、誰がおいてけぼりになっているか実は分かっていないのではないかと感じるようになりました。一人一人、机間巡視をすれば分かることもありますが、一授業50分という時間の制限があり、机間巡視をずっとしているわけにもいきません。
ClassPad.netであれば、どの生徒が理解していないか、リアルタイムに分かります。また、解答などを事前に用意しておくことで、その時間を机間巡視に使うことができます。 机間巡視すること、リアルタイムで提出状況を見ること、この両方で生徒の状況を把握できるということが、ClassPad.net導入のメリットだと思います。
ClassPad.netを使用した今後取り組みたい授業
本授業では、一次不等式と平方完成の計算分野がメインの授業でしたが、2年生になって学ぶ三次関数では、ClassPad.netの数学ツール「ClassPad Math」を活用し、生徒にグラフの曲線のイメージをつかんでもらってから考えさせるという授業をやってみたいと思っています。
また、ClassPad.netを活用している教員は学校内でもまだ一部ですので、今後は、学校全体として全教員が一つの授業のスタイルを獲得していき、それを活かしつつ、様々なスタイルを知りながら自分のスタイルを見つけていければと思います。
生徒に聞いた、ClassPad.netの「良いところ」
ClassPad.netのオンライン辞書機能には様々な辞書が入っていて、自宅学習の際にそれらを使うことによって、より多くの知識を得ることができます。ClassPad.net内にある辞書と同じ量の辞書を持ち運ぼうとすると、とても重くなってしまうので、それをタブレット1台で済ませられるのがいいと思います。
特に化学の授業で活用しやすいです。実験をする際、今までは紙に自分の言葉で書いていたので、伝わりにくいところがありましたが、撮影した写真も活用することによって、今までより分かりやすく伝えることができるようになりました。
私は英文などの問題を解くときに知らない単語があると、他の知っている単語で補ってしまい、知らない単語はそのままにしていました。ClassPad.netが導入され、オンライン辞書機能でさっと調べられるので、分からないままで終わらせることがなくなりました。
また、定期テストの他に、単元が終わるごとにテストがありますが、その日になかった教科だったとしても、ClassPad.netのオンライン辞書機能にその教科の用語集が入っているので、好きなときに空いた時間ですぐに勉強ができ、いい点数につながると思います。
現在は主に数学でClassPad.netを使用していますが、苦手な体育でも活用できたらいいなと思っています。先生が、授業内で一人一人を見るのは無理だと思うので、自分のプレーしている姿を先生に送って、先生がアドバイスをしてくれることで、プレーを上達させることができると思います。また、他の上手な生徒にアドバイスを求めることもできると思います。
《教師、自治体、学校関係者の皆さまへ》
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