2025年1月17日
令和の大学生活、7割以上が「遊びよりもバイトや授業で忙しい」=富士通CCL調べ=
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は16日、全国の大学生男女1000人を対象に実施した、「令和大学生のモヤトリアム調査」の結果をまとめ発表した。
この調査は、大学生の抱えている本音や「モヤモヤ」、世の中から感じている偏見など、大学生のリアルを「モヤトリアム」として発信し、世の中に令和の大学生の「本当の姿」を伝えるのを目的に実施した。
それによると、大学生活の忙しさについて聞いたところ、76.9%が「大学生活に忙しさを感じる」と回答。忙しさについて共感することを尋ねたところ、「大人が思う以上に、今の大学生は忙しいと思う」73.3%、「授業やバイトで予定が毎日詰まっていて、とにかく時間が足りないと感じる」66.7%など、忙しさへの様々な共感の高さが明らかになった。
中でも、「やりたいことがたくさんあるから、タイパを意識することが大事」という項目に共感した学生が77.3%と最も多く、SNSの普及で多様な価値観やライフスタイルに出会うことも多い大学生が、タイパ意識によって忙しさを感じていることが推測される。
また、大学生が現在最も時間を割いているものを具体的に聞いたところ、1位の「趣味・娯楽」14.6%に続き、2位は「アルバイト」13.0%という結果になった。
アルバイトについて共感することを聞いてみると、「授業の空き時間にアルバイトをして、少しでも多く稼ぎたい」68.6%、「アルバイトは小遣い稼ぎではなく、生活を支えるための重要な収入源」61.2%など、といった項目が上位にランクインした。
一方で、学生生活で最も大事にしたいことを聞いてみると、「アルバイト」は3.6%で11位という低い結果に。上位には、1位「友人・先輩との交流」18.4%に続き、2位に「勉学スキルの向上」13.7%がランクインしており、アルバイトやサークルなどよりも勉強を大切に思っているという結果も明らかになり、現状と理想のギャップが浮き彫りになった。
さらに、睡眠時間についても聞いたところ、1日の理想の睡眠時間は「平均約7.5時間」なのに対し、実際の1日の睡眠時間は「平均約6.4時間」と約1時間も不足していることが判明。忙しさを感じる大学生の実態としては、アルバイトに多くの時間が割かれていて、睡眠時間も足りていない現状があるようだ。
大学生活は「人生の夏休み」と言われることもあるが、こうした今の大学生に対する偏見を感じるかどうか調査したところ、約9割(87.8%)の大学生が、偏見を感じていることが分かった。
中でも、「大学生は暇」41.9%、「大学生は遊んでばかり」41.4%といった回答が上位に上がり、本当は忙しい大学生が、世の中から暇だと思われてしまっていることに違和感を覚えていることが分かった。
大学生活のイメージについて、「考え方が古い」と感じるものを聞いたところ、「お酒は強い方がかっこいい」44.8%、「1人で授業を受けるのは恥ずかしい」31.1%、「先輩は後輩に奢って当たり前」30.5%が上位にランクイン。
さらに「これからの大学生に必要ないと思う言葉」を聞いたところ、「Fラン」27.5%、「飲みサー」20.2%、「意識高い系」17.6%などが上位に。多様性を重視する現代の若者らしく、大学生活を送る上での価値観にも移り変わりが見える結果になった。
続いて、大学生活において重要だと思うことは「勉強」と「遊び」のどちらかを聞いてみると、「勉強」と回答した大学生が53.0%と半数を超えた。
自身の勉強に対する態度を聞いたところ、「留年せずに卒業したい」94.8%、「課題やレポートは期限内に提出する」94.2%など真面目な姿が見える一方、「なるべく後ろの席に座りたい」という回答も71.7%に上った。
その一方で、勉強や学業への意識についての項目をみると、「勉強や研究に打ち込んでいる大学生を尊敬する」との回答が88.3%で最も多かった。続いて、「楽単よりも面白い授業を受講したい」73.7%、「遊んでばかりだと、焦りを感じることがある」64.7%という回答がTOP3に並んだ。勉強をがんばっている他の人に対してポジティブな感情を持つ大学生は多く、自分自身もまた勉強を頑張ってみたいという気持ちがあるようだ。
また、学業と並行して行われる就活やインターンについて共感することを聞いてみると、78.9%が「社会人になるために必要な経験だと思う」と回答する一方、「想定していたよりも就活やインターンで多くの時間が取られてしまう」63.7%、「就活の準備は1〜2年生の時から始まっている」63.4%といった回答も目立った。
「就活のためになる」「社会経験になる」などと大学生を騙し、学生を低賃金で働かせる悪質な「ブラックインターン」については、52.9%が「見聞きしたことがある」と回答。昨今問題となっている「就活の早期化」や「ブラックインターン」について、現代の大学生も身近に感じていることが分かった。
一方、大学生活のメインである学業と、大学生活の先に待つ就活への繋がりについては疑問を感じる声も寄せられ、「真面目に授業に出ている大学生を評価してほしい」84.2%、「就活において、学業への取り組みはもっと評価されてもいい」82.6%という回答が上位にランクイン。勉強を頑張りたいと思う一方で、「就活に有利になるわけではない」という大学生の本音が垣間見える結果になった。
この調査は、全国の4年制大学の男女(18~22歳)を対象に、2024年11月1日~5日にかけてインターネットで実施した。有効回答数は1000人。
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