2021年5月10日
国公⽴大入試にも必要な、主体的に考え論理的に表現する力を育む/近大福山 スクールタクト 導入事例
近畿⼤学附属広島⾼等学校・中学校 福⼭校(広島県)スクールタクト 導入事例
国公⽴大入試にも必要な、主体的に考え論理的に表現する力を育む
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広島県の東部に位置する近畿⼤学附属広島⾼等学校・中学校 福⼭校は、中学校1年⽣〜⾼校3年⽣まで約1000⼈の⽣徒が在籍する中⾼⼀貫校です。2020年度からスクールタクトを導⼊した経緯や授業での利活用について、高校の日本史や倫理などを担当する梅村隆継教諭にお話を伺いました。
教室全体に生徒間の考えをシェアしたい
―梅村先生の担当科目を教えてください。
梅村:現在、中学3年生の学年主任です。科目は、⾼校1年⽣の⽇本史A、⾼校の倫理、中学の社会を担当しています。
―スクールタクト導入前はどのような状況でしたか?
梅村:2015年から教員によって徐々にアクティブラーニングを取り入れた授業をはじめていましたが、教員と⽣徒のやり取りがメインで、⽣徒間での考えの共有はそれほど多くありませんでした。私が担当した学年では、ノート⼤のホワイトボードを使ってグループで話し合った意見を共有するという工夫をしていました。ただ、グループの代表者が発言するだけでは教室全体の考えをシェアすることができませんでした。
また、調べ学習では図書室、情報処理教室、ITルームを使用していましたが、情報の授業での利用が優先となるため、中高6学年での時間割調整が⼤変というハード面の課題もありました。
当校は2020年度に⾼校の新入⽣に1⼈1台iPadを導⼊しています。その⽣徒たちにスクールタクトを使わせたいと学校に提案し、同年度からスクールタクトを導入してもらいました。2021年度は高3以外、2022年度は全校導入を予定しています。
―スクールタクト導入当初はどのような印象でしたか?
梅村:5年前に⼤阪の附属校にいた時に紹介されたのがスクールタクトとの出会いです。多くの生徒が使っている言葉を視覚的に確認することができるワードクラウド機能がとても印象深く、社会科では生徒のいろいろな考えを⼀気に共有できるところが魅力だと感じました。元々ホワイトボードを使って何とか生徒の考えを共有していましたが、瞬時に教室全体の考えを共有することができるようになります。学習活動にかかる時間が短縮でき、すぐにでも使えるなと感じました。
―現在はどの程度の頻度で活用されていますか?
梅村:⾼校の⽇本史と倫理はスクールタクトを毎⽇使っています。
スクールタクト導入前は、生徒全員の考えを共有するには、回答を回収し、集計したものを人数分印刷してから次の授業以降に扱うというやり方でした。それだと次の授業までに間が空いてしまい、中には前の授業での記憶があまりないという⽣徒もいました。スクールタクトなら、⾃分以外の意⾒やマイノリティの意⾒もリアルタイムで知ることができるのですごく良いと感じます。
高校1年生の日本史の授業を3つ持っているので、1つ課題を作っておけば次の時間はその課題を配信し直せば良いというのも利点です。
生徒がアウトプットする時間が増え、理想的な授業展開を実現
―スクールタクトを活用した授業の流れを教えてください
梅村:はじめに20分ほどインプットを行った後、残り30分ほどでスクールタクトで課題を配信しアウトプットしてもらいます。
その日の説明資料は、Google Workspace(旧G Suite)に各クラスのClassroomを作り、事前に配信します。授業では解答を空欄にした印刷物を配り、Google Workspaceで配信した解答が穴埋めされたPDFを投影しながら説明していきます。生徒は手元のプリントにメモしながら聞いています。
板書だと書ききれなくなると消す必要がありますが、データで配信すれば「板書を消されてしまったので授業についていけない」ということがないのも利点です。
板書しながら説明する時間が省けるので、私からの説明はさらっと終わらせた後、単元に関する課題をスクールタクトで配信します。調べれば答えが出るものから⾃分が当事者だったらどのような選択をするかなどの考えさせる問いまで、一つの授業で複数の課題を扱うことができるようになりました。
アウトプットの時間は、最初は他の人の回答は見えない状態とし、回答が出揃ってきたら共同閲覧モードにします。難しい課題では自分の考えを書けない生徒も、他の生徒の考えを参考にすると回答できるようになることがあるためです。ワードクラウド機能を利用するため、タイピングで入力するよう指⽰していますが、生徒もだいぶ慣れてきました。
授業から発展した自発的な活動
―スクールタクトでの課題が、授業外の活動へと繋がった例があると伺いました。
梅村:高校生に、火事になった⾸⾥城について今⾃分たちに何ができるのかをスクールタクトを使って考えさせました。修学旅行先が沖縄だったので、旅行までに学校内で募⾦を呼びかけて、寄付活動までしてくれました。授業の中だけの学びではなく、実際の活動に繋げてくれたのは良かったです。
思考・判断・表現できる力がつく
―スクールタクト導入後、生徒さんに変化はありましたか?
梅村:従来の授業では、語句や出来事の意味、年代など知識のインプットを行ってきましたが、印象に残る授業にするには知識のインプットだけでは充分でないと感じていました。
正しい答えを知るだけではなく多様な考えに触れることができるスクールタクトは、生徒にとって色々な思考ができるツールになったと感じています。生徒たちは、思考・判断・表現することが当たり前にできるようになってきました。
学期の最初に評価点の基準をルーブリックで示しているのですが、⾃分の意⾒を⽀える理由を3つ書くようにと提示し、基準に満たない場合は評価点で満点をもらえないという共通認識を持つようにしたところ、1学期より2学期さらに3学期と成⻑が見られました。例えば、解答に単語のみ使っていた生徒が、理由を含めて文章で論理的に表現するようになりました。
⽂章での表現は、国公⽴大を希望するのであれば必要な能⼒です。⼊試だけではなく、⾃分の考えをわかってもらうには論理的に考えて発⾔することが必要です。自分の考えを表現する力がついてきた一方、他の人の意⾒に対して突っ込んでいく感じはまだないので、今後はスクールタクトのコメント欄などを使って他者に意⾒を伝えていけるようになると良いと思っています。
―入試のお話が出ましたが、テストの方法や結果について何か変化がありましたか?
梅村:iPadを一人一台持っている高校1年生の⽇本史のテストでは必ず記述問題を入れるようになりました。また、定期テストの100点満点を7割に圧縮して、普段スクールタクトを使って行っている課題での評価点を3割つけるようにしています。テスト⾃体は以前からそれほど変わっていませんが、知識はテストで見て、書く⼒は評価点で見るという形を取っています。
地域社会に貢献できる生徒の育成を目指す
―今後スクールタクトを使ってどんなことを実現していきたいですか。
梅村:将来は地元に戻り、地元を活性化したいという希望を持っている⽣徒もいます。社会科を教える中でさまざまな問いかけを通じて考える⼒を養いたいと考えています。それに有効なツールがスクールタクトです。地域の諸問題に対して、考えやアイディアを共有・昇華して、新しい条例の制定や改良につなげたり、住みよい地域社会づくりに貢献できたり、スクールタクトを活用してそうした力を育成していきたいと考えています。
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