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2021年10月11日

シンプルでわかりやすい二要素認証「Yubi Plus(ユビプラス)」を4200名の教職員が活用 /長野県教育委員会

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長野県教育委員会では、県立高等学校79校の教職員4200名にUSBセキュリティ鍵を配布、日本情報システムの二要素認証「Yubi Plus」で校務支援システムと連携し、セキュアなログインを実現している。長野県教育委員会事務局 学びの改革支援課 高校教育指導係 腰原智達 主任指導主事と、長野県ICT教育推進センター 髙橋幸久 指導主事に導入から運営管理について話をきいた。

長野県教育委員会(長野県庁)

長野県教育委員会のキャラクター
「信州なび助」

校務支援システムへのログイン、セキュリティ強度向上のためにYubi Plusを採用

Yubi Plusの導入前、県立高等学校の教職員らは、ログインIDとパスワードを使って校務支援システムへアクセスしていた。もちろん機微な個人情報を扱うため慎重な管理をしていたのだが、システムとしてセキュリティ強度を高めるとともに、教職員らの意識もさらに向上できたらと、学びの改革支援課では考えていた。

長野県教育委員会 腰原 主任指導主事

文部科学省から公表される「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を参照し、各校のセキュリティ向上のためのシステム選定に奔走した。予算が決定したのは2020年9月、2021年4月の本稼働を目指しプロジェクトが大きく動き出した。当初は、クライアント端末の仮想化を模索していたのだが、コスト面に大きな課題があり断念したという。

そうした中、低コストで仕組みや使い方がシンプル、導入実績も豊富で、校務支援システムと連携できるYubi Plusに出会い、すぐに採用を決定した。

指紋など生体情報を扱わない安心感、難しくない二要素認証 Yubi Plusだからスムーズだった

Windowsへのログインはこれまでと変わらない。生徒の個人情報を扱う校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」へログインする際は、各教職員専用のUSBセキュリティ鍵というデバイス(所持情報)と、ログインID・パスワード(従来の知識情報)の2つ要素の組み合わせが必要になった。そうはいってもログインするためには、ID・パスワードの入力に続けて、わずか3gのUSBセキュリティ鍵をPCのUSBポートに挿入し、センサー部分にタッチするだけだ。簡単な操作だが、「所持情報」と「知識情報」が揃わなければ校務支援システムにアクセスできないため大きくセキュリティが向上する。

ID・パスワードを入力しUSBセキュリティ鍵を挿入してタッチするYubi Plusの利用イメージ

導入までの期間が短い中、79校4200名がスムーズに一斉に利用を開始できた背景に、Yubi Plusの仕組みがわかりやすいこと、取り扱いが簡単なことがあったと、髙橋指導主事は振り返る。USBセキュリティ鍵を見て、「指紋など生体情報を取得するのではないか、その情報はどこに格納されて漏洩の危険はないのか」と不安視する声も始めはあった。しかし、USBセキュリティ鍵は、指紋や静脈などの生体認証ではないため、個人情報の追加管理が不要だ。またデバイス内にデータ保存領域がないことから、万が一の紛失でも情報漏洩はない。この安心感もあってか、各校の教職員らの利用は想定より積極的に進んだという。

当初はUSBセキュリティ鍵というデバイスを伴う運用に煩雑さを覚えた教職員もいたかもしれないが、格段のセキュリティ強化を実感するにつれて、個人情報の安全を担保するという意識も向上したのではないかと、腰原主任指導主事は語る。

合計4回のトレーニングでスタート、安心のサポート体制

2020年11月、各校へのUSBセキュリティ鍵の配布も完了し、12月から2021年1月にかけてYubi Plusと連携する校務支援システムのテスト稼働が始まった。このテスト稼働の間に79校へのトレーニングがオンラインで行われた。USBセキュリティ鍵を用いた認証から校務支援システムの使用方法を一通り学ぶ2時間程の内容だ。デバイスの紛失や故障といった障害発生時の対応も含めて丁寧に実施した。受講対象人数が多いことから同内容で合計4回行ったという。

長野県教育委員会髙橋指導主事

4月に本稼働を迎え、現在まで大きなトラブルの報告は上がっていない。紛失など数件の問い合わせが発生しているが、日本情報システムの学校へのサポートサービスがあるから安心だ。予備のデバイスをあらかじめ配布しているため校務支援システムが使えなくなるという事態もおきていないという。

「デバイスを壊してしまったのかと疑った事案では、デバイスの耐性や実績データが提示され、エビデンスに基づいた知見が共有されたことで、正常であることが判明し安心したことがあった」、腰原主任指導主事と髙橋指導主事はサポートサービスに信頼を寄せている。

課題と今後の展望

本稼働までの期間が短かったことで、先を見通したスケジュールを各校に提示しきれなかったこと、非常勤職員のデバイスが不足してしまうなど必要数の確実な把握が困難であったことなどが現時点の課題と振り返る。これらは来年度に向けて確実に改善されるだろう。
コロナ禍や働き方改革もあって、自宅のPCや出張先のモバイル端末で職員室と同じセキュリティレベル、同じ環境を実現できるリモートアクセスへの期待も大きいという。Yubi Plusがリモートアクセス機能を備えていることも採用の理由の1つであったことからも、今後の計画として検討が進む可能性が伺える。

シンプルでわかりやすいことが成功の秘訣

腰原主任指導主事は、導入時に「しっかり使ってください」と各校に強要するのではない姿勢で臨んたことが結果的によかったのではないかと語る。ICTが得意な教職員ばかりではない中、押し付けになってしまうとうまくいかないからだ。セキュリティを担保する必要性は誰もが理解しているのだから、システムがシンプルでわかりやすければ必ず使ってもらえるのだ。

二要素認証というと難しいと考えがちだが、Yubi Plusは非常にシンプルでわかりやすい。学校のセキュリティを守るために、シンプルでわかりやすいというのが成功の秘訣なのだという。

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