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2023年1月30日

23高卒採用、86.9%の企業が「増やした・昨年同様」と回答 =ジンジブ調べ=

ジンジブは27日、全国の企業の新卒採用担当者649人を対象に実施した、「高校新卒採用についての企業動向調査23年(12月)」の結果をまとめ発表した。

それによると、23卒の高校新卒の採用計画で昨年と比較して求人募集人数の増減があるかを聞いたところ、「増やした」が28.7%、「変わらない」が55.1%、「減らした」8.1%、「今年から始めた・再開した」3.1%、「今年は募集をしていない」2.2%、「未定・分からない」が2.8%という結果になった。

「増やした・昨年同様・新たにはじめた」が86.9%で2年連続の増加。22卒の同アンケート(2021年9月実施)と比較すると、「増やす」「変わらない」の回答が83.8%(9.4ポイント増加)、「減らす」の回答が8.1%(7ポイント)となった。

求人募集人数を増やした理由を聞いたところ、約7割(69/0%)が「若手人材の採用に力を入れるため」と回答。アフターコロナでこれまで採用を控えていた企業が採用を積極化し、大学新卒や中途採用も含め、高校新卒採用の需要が高まっているのが分かる。

一方、求人募集人数を減らした理由を尋ねたところ、「業績が悪化したため」と「コロナの影響が続いているため」が30.6%の同率で最も多かった。

高校新卒採用の募集を行った企業に、計画通り充足したかを質問したところ、「充足した」が31.9%、「1人以上内定を出し充足していないが採用活動は終える予定」17.2%と、採用を終えた企業が約半数(49.1%)だった。

一方で、求人倍率が3倍を超える売り手市場の中、およそ半数の企業が採用募集人数に充足せず採用活動を続けていることも分かった。

採用計画で充足していない理由について質問したところ、「高校生が減っていると感じる」が36%や、「他社の求人募集数が増えたため」28.1%など少子化や環境による若手人材の採用の難しさを感じている企業が多かった。

次いで、「他社と比較して自社の魅力を伝えきれなかったため」が33.8%、「人員不足で採用活動に時間をさけなかったため」29.4%、「高校への求人紹介が上手くいかなかったため」28.9%、と採用活動の内容や工数に関する難しさの回答が多く寄せられた。

また、高校新卒採用活動で特に工夫したことを聞いたところ、「高校訪問」42.5%が最も多く、以下、「先生との関係構築」35.9%、「職場見学」34.8%、「スケジュールの見直し」31.6%、「求人情報開示前の活動」29.3%が続いた。

工夫した取り組みの具体的な内容を尋ねたところ、最も多かったのは「高校訪問」での「先生との関係構築」に関する内容だった。「訪問する時期の早期化」や「訪問数の増加」でより多くの高校にアプローチする企業が多く、「訪問高校の選定」でミスマッチをなくすことに繋がっているようだ。

次に、「採用ツールの見直し」では、「HPの変更・作成」の他に「SNSやYouTubeを活用した情報発信」という項目が見られ、求人票では届けられない情報をより高校生に身近なツールで発信している企業が増えている。

また、求人情報の見直しをする企業も多く見られ、「研修制度の見直し」や「働きやすい環境の整備」の他に最も多い回答が「給与・初任給の見直し」だった。2022年10月の最低賃金の引き上げが、高校新卒採用でも給与水準の引き上げの一因となっていると推察できる。

23卒の高校新卒採用活動の活動で特に苦戦したことを聞いたところ、「高校訪問」31.3%が最も多く、以下、「先生との関係構築」29.6%、「スケジュールの設定」23.3%と続いた。

上位3項目が「特に工夫したこと」で挙げられた項目と一致しており、高校訪問や教師との関係構築など、高校側への認知を広げる活動が、採用成功への鍵を握っていることが分かる。

高校新卒採用の採用基準を聞いたところ、「募集人数に収まるように選定した」が25.3%、「自社の採用基準を設けて選定した」が63.5%、「どちらともいえない」9.1%、「答えられない・分からない」が2.1%だった。

6割を超える企業が自社で採用基準を定めており、慎重に自社にマッチした人材を採用していることから、求人倍率は3倍を超える高水準でありながら、9月末時点の内定率が例年並だった要因として考えられる。

また、入社後の高卒社員に対する社内研修について質問したところ、「用意している」が71.8%、「用意する予定だがまだできていない」が16.1%と、87.9%の企業が研修を用意すると回答。高校生の就活では1年未満の超早期離職の割合が高く、育成や定着に課題を抱える企業が多い傾向から、入社後のフォローに力を入れていることが推測できる。

具体的な研修内容を尋ねたところ、1位が「ビジネスマナー」85.9%、2位が「社会人の心構え」82.4%、3位が「会社理念・ビジョン」67.5%で、業務スキルの研修より、社会人として必要な基礎知識や会社としての価値観教育に力を入れる企業が多いことが分かった。

研修期間については、「1週間~2週間」31%が最も多く、以下、「3週間~1カ月」24.7%、「2カ月~3カ月」26.3%、「4カ月~半年」11.8%、「7カ月~1年」と「1年~2年」が2%、「3年以上」1.2%と続いた。82%の企業が3カ月以内で、93.8%の企業が半年以内で高校新卒向けの研修を実施している。

新卒の研修内容を大卒と高卒で分けているかどうかを聞いたところ、「全く同じ研修内容」が45.5%、「一部分けて研修」が45.9%、「全く異なる研修内容」が8.3%、「答えられない・分からない」0.5%だった。半数の企業は、高卒社員向けの独自研修が必要と判断して用意していることが分かった。

高卒第2新卒の採用に興味があるかを質問したところ、「興味はある」が75.8%、「興味はない」が24.2%だった。「高卒第2新卒」は、高校を卒業後就職し早期離職した22歳くらいまでの若者を指す。

「高卒第2新卒」に興味がある理由については、6割を超える(65.9%)企業が「全体的に人材不足のため」と回答。

以下、「多様な人材を採用活躍させたいため」33.1%、「採用した若手社員が離職してしまったため」32.7%、「高卒採用の目標の募集人数まで集まらなかったため」32.5%、「新卒採用の目標の募集人数まで集まらなかったため」27.8%、「高卒社員が魅力的だと考えるため」22.6%、「他の人材層よりは採用が優しいと感じるため」が13.8%と続いた。

また、大卒2026年卒からの一括採用廃止の動きに伴い、企業の人材獲得の変化について質問したところ、「難しくなると思う」が54.4%、「変わらないと思う」28.2%、「採用しやすくなると思う」5.7%、「答えられない・分からない」が11.7%だった。半数以上が「難しくなる」と回答しており、日程の見直しで競争がより激化すると考えている企業が多い。

大卒一括採用廃止に伴い、高校新卒の採用を強化しようと考えるかを聞いたところ、「高卒採用を強化しようと考えている」が31.6%、「これまでより大卒採用に注力しようと考えている」が15.6%、「これまでと変わらない」が44.4%だった。

この調査は、全国の企業の新卒採用担当者を対象に、2022年12月15日~22日にかけて、インターネットとメールによるアンケート回収の2通りで実施した。有効回答数は649人(うち高卒採用実施は356人)。

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ジンジブ

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