2025年1月24日
学力・学習状況調査のCBT化、小中校教師の約9割が「生徒がデジタル環境に適応するための準備が重要」と回答 =新学社調べ=
新学社は23日、小中学校の教師1029人を対象に実施した、「学力調査等のCBT化と学習の結果や履歴の可視化への期待」に関するアンケート調査の結果をまとめ発表した。
それによると、「文科省『全国学力・学習状況調査』以外に学力調査や学力検査を実施しているか?」と聞いたところ、「都道府県実施の学力調査や学力検査を行っている」63.1%が最も多く、次いで「市区町村実施の学力調査や学力検査を行っている」38.5%、「学校単位での学力調査や学力検査を行っている」16.3%、「行っていない」8.0%だった。
「全国や自治体での学力調査や学力検査の結果を児童生徒の学力向上に活用できていると思うか?」との質問には、約6割が、「全く活用できていない」13.6%、「あまり活用できていない」42.1%と回答。過半数の教師が「活用できていない」と思っており、学力調査の結果が教育現場で十分に活用されていない現状がうかがえる。
「児童生徒の日々の学力向上に、感じている悩みはあるか?」と聞いたところ、「学力の差が大きく、一人ひとりに合った指導が難しい」59.3%との回答が最も多く、以下、「学力向上に向けた効果的な指導方法が見つからない」31.5%、「学校全体での学力向上の取り組みが統一されていない」24.2%と続いた。
また、2025年度から文科省の「全国学力・学習状況調査」が段階的にCBT化されるが、「パソコンやタブレットで実施する学力調査に児童生徒を慣れさせておくことは必要だと思うか?」と尋ねたところ、約9割が、「非常に必要だと思う」30.5%、「ある程度必要だと思う」55.5%と回答。
CBT化へのスムーズな移行に向け、児童生徒がデジタル環境に適応するための準備が重要であると考える教師がかなり多いことが分かった。
「学力調査や学力検査のCBTでの実施は、どのような面で効果的だと考えるか?」との質問には、「解答にかかった時間や入力をし直した回数など、これまでの紙での調査や検査では測ることができなかった情報が見られる」43.9%との回答が最も多く、次いで「結果を即時にフィードバックできることで、児童生徒の学習意欲の向上が期待できる」43.0%だった。
また、「GIGA端末で学習した結果や履歴などのデータ(学習ログ)のうち、日ごろからよく見るデータは何か?」を聞いたところ、「デジタルドリルといった課題の進捗状況や得点結果」46.6%が最も多く、次いで「使用した教材やアプリケーションの種類などの学習内容」40.1%だった。
「学力調査や学力検査の結果と、デジタルドリルなどの学習ログや紙の教材の得点データや取り組み状況が、教師用PCで同じ画面で確認できるようになることをどう思うか?」と尋ねたところ、約8割が、「非常に望ましい」27.9%、「どちらかといえば望ましい」53.5%と回答。教師にとってデータを一元管理できる仕組みが業務効率化や指導強化に役立つと思う様子がうかがえる。
「学習ログを確認する画面(ダッシュボード)が充実することはどのような面で効果的だと考えるか?」と質問したところ、「児童生徒一人ひとりに合わせた学習計画が立てやすくなる」48.4%との回答が最も多く、次いで「児童生徒の学力差をより適切に把握できる」41.5%だった。
この調査は、全国の小中学校の教師を対象に、2024年12月27日~2025年1月6日にかけて、インターネットで実施した。有効回答数は1029人。
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