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2026年9月18日

『基礎学力』とは何か?日本の保護者は「知識、技能」、他9カ国は「活用する力」=スプリックス教育財団調べ=

スプリックス教育財団は16日、日本を含む10カ国の小中学生とその保護者・学校の先生を対象に「国際基礎学力調査2026」を実施し、その結果を発表した。

本調査では『基礎学力』に着目したが、そもそも『基礎学力』とは何を指す言葉か。同財団は、小中学生を子どもにもつ保護者が『基礎学力』に何が含まれると考えているかを、日本含む10カ国で比較し、その認識が国によってどれだけ異なるかを調査した。

『基礎学力』という言葉はどの国でも認知されているのか。日本含む10カ国の小中学生の保護者に「あなたの国で『基礎学力』という言葉をどれくらい耳にしたり目にしたりしますか。」と質問した(図1)。


10カ国全体では、74.9%の保護者が時々以上の頻度で『基礎学力』という言葉を見聞きすると回答している(「とてもよく」「よく」「時々」の合計)。国別に見てもインドネシアを除く9カ国で7割以上の保護者が時々以上の頻度で見聞きするようだ。

ではその『基礎学力』をどの程度重視しているのか。同じ10カ国の保護者に「お子様の将来にとって、基礎学力はどの程度重要だと思いますか?」と質問した(図2)。


10カ国全体では、90.1%の保護者が「基礎学力は重要だ」と答えました(「とても重要」「重要」の合計)。国別にみると、モロッコを除く9カ国で8割以上の保護者が基礎学力を重視していることがわかった。

調査した10カ国では、『基礎学力』という言葉はある程度一般的であり、多くの国で小中学生の保護者は「基礎学力は重要である」という意識を持っているようだ。

では、その「重要な基礎学力」とは、どのような学力を指しているのか。まずは、日本の保護者の回答を見ていく。日本の小中学生の保護者に「『基礎学力』には主にどのような力が含まれていると思いますか。」と質問した(図3)。


日本では「読み書きの能力」と答えた保護者が最多で76.0%、次いで「計算力」(68.0%)「主要教科の基礎知識」(64.2%)と続いた。調査の背景で示した文部科学省の定義に照らすと、これら3つはいずれも「知識及び技能」にあたる。一方、他の選択肢は「活用する力」や「学習意欲」にあたるもの。日本の保護者は「活用する力」や「学習意欲」よりも「知識、技能」を『基礎学力』だと捉える傾向にあることがわかった。

それでは、他の国では「重要な基礎学力」がどのような学力を指していると認識されているのか。日本含む10カ国の保護者に「『基礎学力』には主にどのような力が含まれていると思いますか。」と質問した(表1)。


10カ国全体で見ると、最多が「情報を正しく理解し、活用する力」(51.0%)、次いで「問題を見つけて解決する力」(48.3%)だった。ただし「その他」の選択肢を除くと39.9%~51.0%とその選択率の幅は小さく、一つの選択肢に回答が集中せず分散しているように見える。

しかし国別に見ると明確に認識の差がある学力がある。まず、日本の回答がもっとも特徴的だった。日本の保護者が多く挙げたのは「読み書きの能力」「計算力」「主要教科の基礎知識」。この3項目は、いずれも10カ国のなかで日本の選択率が最も高いものだった。さらに、上位3項目が揃って「知識、技能」にあたる力なのは、調査した10カ国の中では日本だけ。逆に「活用する力」にあたる項目では、日本の選択率は「情報を正しく理解し、活用する力」が10カ国中4位につくほかは、「自分の考えを明確に表現する力」が7位、「論理的に考える力」が8位、「問題を見つけて解決する力」は9位だった。

その他を除く各回答の差の大きさも日本が最大だった。「その他」の選択肢を除き、日本で最も多く選ばれた「読み書きの能力」(76.0%)と、最も選ばれなかった「学習に対する姿勢と意欲」(32.0%)の差は44.1ポイント。次に差が大きいのはエジプトの36.5ポイント、次いでキルギスの28.2ポイントで、他の7カ国は8~21ポイント差。日本は他の国と比べると差が大きく、特に「知識、技能」を基礎学力だと認識していることがわかる。

日本以外の国では、最も多く『基礎学力』として選ばれた力は、「活用する力」だった。「論理的に考える力(インドネシア・キルギス)」「問題を見つけて解決する力(ベトナム・ペルー)」「情報を正しく理解し、活用する力(タイ・エジプト・モロッコ)」「自分の考えを明確に表現する力(フィリピン・ケニア)」がそれぞれ一番多く選択されている。2位や3位を見ても「知識、技能」よりも「活用する力」を挙げる傾向にあった。ただし、タイやモロッコでは2位と3位に「知識、技能」にあたる力を挙げるなど、必ずしも「活用する力のみ」を『基礎学力』と捉えているわけでもないことがわかる。「学習意欲」が3位までに入る国は日本含めてなかった。

日本以外の9カ国では、3位までが「活用する力」で占められていたのはフィリピン・インドネシア・キルギス・エジプト・ペルーの5カ国、「知識、技能」と「活用する力」が混在していたのはベトナム・タイ・ケニア・モロッコの4カ国だった。『基礎学力』に含まれる学力の認識は、国によってさまざまであることがわかった。

「国際基礎学力調査2026」の調査結果(PDF)

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